「いよいよ明日が本番」「ちゃんと力を出しきれるかな」
大学入試が近づくと、不安と緊張で頭がいっぱいになってしまいますよね。
前日と当日の過ごし方は、当日のパフォーマンスを大きく左右します。
- 受験日前日にやっておきたいこと・やめておきたいこと
- 当日の朝・会場・休み時間の具体的な過ごし方
- 不安とうまく付き合いながら本番に向かう考え方
1. 受験日前日の過ごし方|最後の仕上げをする

前日にやるべきことは、新しいことを増やすのではなく、最終確認をするのが大切です。
① 前日の勉強は「最終確認」をして不安をなくす
前日におすすめなのは、次のような勉強です。
- これまで解いた問題の中で、一度間違えたけれど解き直してできるようになった問題の見直し
- 英単語・熟語、日本史・世界史・地理・政経など、暗記系の最終確認
- 模試や過去問の見出し・設問だけざっと眺めて「こういう形式だったな」と思い出す作業
逆に、避けたほうがいいのは次のようなことです。
- いままで手を付けていなかった参考書を、新しく開く
- いきなり新しい単元を学び始める
- 「難しすぎる問題」に手を出し、不安を増やしてしまう
前日は「勉強時間」で勝負する日ではありません。
“あ、ここもちゃんとやってきたな”と自分を安心させる時間だと思ってみてください。
② 持ち物は前日のうちに「全部」そろえる
当日の朝にバタバタすると、それだけで体力もメンタルも削られてしまいます。
持ち物は前日のうちに全部そろえて、かばんに入れておきましょう。
最低限チェックしておきたいもの:
- 受験票(コピーも1枚あると安心)
- 筆記用具(シャーペン or 鉛筆数本・消しゴム2つ・鉛筆削りなど)
- 腕時計(スマホは時計として使えません)
- 交通系ICカード・現金
- ハンカチ・ティッシュ
- カイロ、マフラー、ひざ掛けなどの防寒具
- マスク(必要なら予備も)
- 常備薬(頭痛薬・胃薬など、ふだん使っているもの)
- 昼食・飲み物(会場周辺が混むことも多いです)
- その日に軽く見直したいノートや単語帳
一覧にして、チェックをつけながらかばんに入れていくのがおすすめです。
③ 生活リズムと睡眠|「いつも通り+少しだけ早め」
「前日は徹夜で勉強したほうがいい?」と思う人もいますが、
睡眠不足は集中力・判断力・メンタルに直結する大きなマイナス要因です。
- いつもより 30分〜1時間早めに布団に入る
- 入眠前にスマホの画面を長時間見ない(青い光で目が冴えやすい)
- お風呂はぬるめのお湯にゆっくり入って、体を温めてから出る
- コーヒーやエナジードリンクは、夜は控えめにする
もし、布団に入っても緊張でなかなか寝つけなくても大丈夫。
「横になって目を閉じているだけ」でも、体はある程度休めます。
「寝なきゃ…」と焦るより、「少しでも体を休めよう」と考えたほうが、結果的に眠りやすくなります。
④ 不安と向き合う方法|「できてきたこと」を言葉にする
前日はどうしても不安が強くなりやすい日です。
そんなときに試してほしいのが、「できてきたことリスト」を書き出すこと。
- この1年で伸びたと思う教科
- 模試で前より点数が上がった科目・分野
- 途中であきらめずにやり切った参考書・問題集
- 部活や行事と両立しながら続けてきたこと
紙に箇条書きで書いてみると、
「意外と自分、やってきたじゃん」と少し視界が変わることがあります。
SNSを見ると、どうしても他人と比べてしまいがちです。
直前の1〜2日は、あえてSNSを少し距離をおいて、自分自身に集中するのもおすすめです。
2. 試験当日の過ごし方|朝〜会場〜休み時間まで

当日は、メンタルと身体の「安定」をどう保つかがポイントになります。
① 当日の朝|「起きる・食べる・出発する」を丁寧に
当日の朝に意識したいこと:
- いつもより少し余裕を持って起きる(電車一本遅れても間に合う時間に出発)
- 朝ごはんはいつも通り+消化の良いもの(白ごはん・パン・スープ・バナナなど)
- 水分をきちんととる(冷たすぎないものがおすすめ)
- 出発前に、持ち物をもう一度だけ確認
「朝から集中しなきゃ!」と気合いを入れすぎる必要はありません。
“普通に、丁寧に過ごす”くらいのイメージで大丈夫です。
② 会場に着いてから試験開始まで
会場に着いたら、まずは落ち着いて行動しましょう。
- 受付や教室の場所を確認する
- トイレの位置を把握しておく
- 自分の席に座ったら、軽く単語や公式を見直す程度にしておく
- 不安になってきたら、深呼吸を3回ゆっくり行う
周りの受験生がめちゃくちゃ勉強していたり、
逆に寝ていたり、スマホを見ていたり…いろいろ目に入ると思います。
でも、他人のペースは関係ありません。
「私は私の準備をしてきた」と自分に言い聞かせて、
やること(軽い確認+呼吸で落ち着く)に集中しましょう。
③ 試験中|「解ける問題」から、時間を意識して進める
試験中に意識してほしいポイントは3つです。
- 最初にざっと全体を見る
問題数や大問の構成、マークの個数などをざっくり把握します。 - 解けそうな問題から手を付ける
「考えても全く見通しが立たない問題」に長くとどまると、焦りが増します。
先に確実に取れそうな問題を片付けてから、難問に時間を使えると理想的です。 - 見直しの時間を5〜10分確保するイメージを持つ
マークミスや計算ミスを減らすために、最後に少し時間を残しておくと安心です。
難しい問題にぶつかったときは、
「ここで点を落としても、他で取り返せる」と一度自分に言葉をかけて、一旦飛ばす勇気も持っておきましょう。
④ 休み時間の過ごし方|答え合わせより次の科目への「切り替え」
休み時間にやってしまいがちなのが、さっき受けた科目の答え合わせ大会です。
「あの問題、何にした?」「え、私と違う…終わった…」これをやり始めると、次の科目に気持ちを切り替えるのが難しくなります。
- 友達がいても、「答え合わせは後で」にしてもらう
- 次の科目の公式や要点を軽く眺める
- トイレ・水分補給・軽いストレッチをして体をほぐす
- 寒い・暑いと感じていたら、服装や防寒具で調整する
「さっきの科目は一旦“心の引き出し”にしまって、
目の前の科目だけを見る」ように意識してみてください。
⑤ 全科目が終わったあと|自分に「おつかれさま」を言おう!
一日が終わるころには、
頭も体もぐったりしているはずです。
- 帰り道は事故やケガだけ気をつけて、無理に勉強の話はしなくてOK
- 家に着いたらまず休む・ご飯を食べる・お風呂に入る
- 自己採点をその日にするか、翌日にするかは、自分のメンタルとの相談でOK
大事なのは、「今日一日、本当によく頑張った」と自分に言葉で伝えること。
たとえ手応えがイマイチでも、「あのときの自分にできるベスト」は出してきたはずです。
3. 直前期にやりがちなNG行動と、その代わりにやりたいこと

① 前日に新しい参考書を買ってしまう
「これをやれば、ギリギリ間に合うかも…」という気持ちから、前日に新しい問題集を開いてしまうことがあります。
でも、内容を消化しきれないまま終わり、
「やり切れなかった…」というモヤモヤだけが残ることも。
→ 代わりに:
今まで使ってきた参考書・ノート・暗記カードを「総点検」するイメージで見直しましょう。
② SNSで「他人の勉強状況」を見まくる
他の受験生の
- 「○○大過去問10年分終わった!」
- 「今日は10時間勉強した!」
のような投稿を見ると、どれだけ頑張ってきた人でも、自信をなくしやすくなります。
→ 代わりに:前日と当日は、
- SNSの通知をオフにする
- アプリ自体を一時的にフォルダの奥にしまう
など、自分を守る工夫をしてみてください。
③ 「寝なきゃ」と焦り続ける
「早く寝ないと明日に響く」と焦れば焦るほど、
頭が冴えてきてしまう…というのはよくあることです。
→ 代わりに:
- 「今はとりあえず体を横にして休めているからOK」と考え方を変える
- 深呼吸をゆっくり10回してみる
- どうしても考え事が止まらないときは、紙に書き出してから丸めて捨てる
「睡眠時間は完璧じゃなくても大丈夫。それよりも、
明日は“今の自分なり”の力を出しに行く日なんだ」と捉えてみましょう。
4. 不安とどう付き合うか|不安は「本気で頑張ってきた証拠」
受験直前に不安になるのは、弱いからではありません。
- ここまで努力してきた
- 絶対に合格したい
- うまくいかなかったらどうしよう
と、本気で向き合ってきたからこそ生まれる感情です。
不安を完全になくそうとすると、「まだ不安がある…ダメだ…」と、さらに落ち込んでしまうことがあります。
それよりも、
不安はこれまで頑張ってきた結果。
不安があっても、これまでの力を発揮すれば問題は解ける。
当日、緊張したときに自分にかける「お守りの一言」を決めておくのもおすすめです。
- 「ここまで頑張ってきた自分なら大丈夫」
- 「1問1問、今できるベストを出そう」
- 「完璧じゃなくていい。合格点を取りにいく試験だ」
試験前、問題用紙をめくる前、
深呼吸をしながら心の中でそっと唱えてみてください。
不安は、これまで一生懸命にやってきた証拠です。
それを消そうと戦うのではなく、「一緒に連れていく」感覚で、
今の自分なりのベストを出しにいけるといいなと思います。
まとめ

受験前日と当日は、
「ここまでの自分を信じる準備をする日」です。
- 前日の勉強は「最終確認」と「不安つぶし」を中心にする
- 持ち物や当日の動きを前日までに整えておく
- 試験中は「解ける問題から」「時間配分」を意識する
- 直前期のNG行動(新しい参考書・SNS・“寝なきゃ”焦り)から自分を守る
不安があるのは、ここまで本気で頑張ってきた証拠です。
完璧じゃなくていいし、失敗しても人生はそこで終わりません。
それでも、今この瞬間のあなたは、確かにたくさんの時間と努力を積み重ねてきました。
どうか当日、「今の自分なりのベストを出しに行こう。」そんな気持ちで試験会場に向かえますように。
志望校への合格を応援しています。