「学校の数学の授業がわかりにくい…」
今回の記事では、『学校の授業がわかりにくい原因』について探りました。
私は塾や家庭教師などでこれまで多くの生徒を教えてきました。その中でたくさんの生徒が口を揃えて、学校の授業がわかりにくいと言っています。
今回はその原因について、少し真面目に分析をしてみようと思います。
<はなのプロフィール>
・数学科に通う理系大学生(2025年度に大学院進学)
・塾と家庭教師で生徒に数学を指導
・中高生向けの勉強法をブログやSNSで発信中
この記事を書こうと思ったきっかけ
私はこれまでに塾や家庭教師で、100人以上に数学の指導をしてきました。
その中で「学校の数学の授業がわかりにくい!」という意見を多く耳にしています。
自分が指導する上でも、学校の授業は有効に活用してほしいと思ってたので、理解できない原因を知りたいと思っていました。
学校の授業がわからない原因として、生徒側の理解不足や演習不足という問題もあります。(これについては別の記事で対策の方法を書いています。)
しかし、どんな学校に通っている生徒からも、同じような声を耳にします。
「もしかしたら先生側にも原因があるのでは?」と思い探ってみることにしました。
私は大学で数学科に通っているので、私の周りの友達で教員免許を取り、学校の先生になる人も多くいます。その中で大学で勉強することと、中学や高校で教える授業との間にギャップがあることを感じました。
この記事の目的は 、
- 先生として「わかりやすい授業」をするための方法を考える
- 生徒に「なぜ数学の授業がわかりにくくなってしまうのか」を知ってもらう
- 指導方法に悩んでいる大学生・先生の力になる
「なぜ数学の授業がわかりにくいのか?」という生徒の疑問を解決すると共に、わかりやすい授業できるようになる先生を増やすことができればと思います。
中学や高校の数学の授業がわかりにくい原因
- 説明が長くて、問題の解き方がわからない(理屈をたんたんと説明される)
- 説明を省略しがち
- 理解できていないのに、どんどん授業が進む
授業では、理屈などをたんたんと説明する
学校の数学の授業は、理屈や説明などをたんたんと説明されることが多いと思います。
あまり強弱がなく、今何をやっているかがわからなくなり、退屈で眠くなってしまう人もいますよね。
数学の先生はかなり「理屈っぽい人」が多いです。人の心がない…というわけではなく、これは学校の先生になるための大学での勉強に関係していると感じます。
数学の先生になるためには、大学や大学院で数学を学ぶ人が多いです。
大学の数学では、問題を解くことではなく「いかに論理的に説明するか」を重視します。
大学の2~3年生頃からは、計算問題などほとんどなく、証明問題や論理的説明が多くなります。
なぜその定理が成り立つのか、定義や命題などを厳密に扱います。
問題を解く答えが合っているか間違っているかなと ど、いわば関係がないのです。その間に用いた理論が正しいのか、証明や論理に穴がないのかに目を向けています。
これと同じことを、数学をはじめて学ぶ中高生が聞いても、理解ができませんよね。
テストでは問題を解くことを求められるので、「で、結局どうやって解けばいいの!?」となってしまいます。
説明を省略しがち
大学で数学を専攻している人は、周りも数学ができる人ばかりです。公式や定理、問題の解き方など、周りの人が知っているレベルがそもそも高いです。
また、1を言うだけで、10だけでなく100までもわかるような理解力のある人もたくさんいます。長々と説明をしなくても、少し話しただけで理解ができてしまうんですね。
このような環境にずっといると、「このぐらいは(言わなくても)わかるよね」という前提で話を進めて、説明を省略するようになります。
中高生からしたら、なぜそうなるのか説明してほしいこともスルーされてしまうので、どんどん授業がわからなくなってしまいます。
数学を苦手な生徒がどこで躓くかがわからない
数学の先生のほとんどは、数学が好きで得意な人が多いと思います。
(私の周りでも、昔から数学ができる人がたくさんいます。)
学校の数学の先生になるためには、中学や高校の内容はもちろん、大学入試やそれ以上の内容まで理解をしています。
途中で挫折したり、嫌になってやめたという経験が少ないので、問題が解けない人の気持ちがわからない人が多いです。
そのため、生徒がどこでつまずくのか、何がわからないのかを理解することができず、「このぐらいならわかるだろう」と思って授業をどんどん進めてしまうということが発生します。
数学の授業が理解できない時の対処法(生徒ができること)
「学校の授業がわかりづらい!」と嘆いていても、数学の成績が上がることはありません。学校の先生を変えることはできないので、授業についていけないと思ったときには、自分で対処をする必要があります。
- 今まで習った内容の復習をする
- 自分で問題演習をする(学校の問題集や市販の参考書を使う)
- わからないところは質問をする
今まで習った内容を理解できていないと、学校の授業の新しい内容は当然理解することができません。これまでの内容をさかのぼり復習や問題演習を行いましょう。
また、授業だけでは十分な問題を解く時間を確保することが難しいです。数学は問題をたくさん解かないと練習を取れるようになりません。自分で学校のワークや問題集などを解いて、問題を解けるように練習をしてみましょう。
学校の授業はクラスみんなのレベルに合わせて進められています。人によってわからないと感じる部分はそれぞれです。
また、先生自身も「何がわかっていないのか」を知るきっかけとなります。
自分がわからないと感じたポイントがあれば質問をして解決しましょう。
学校の授業がわからないときの対処法:学校の数学の授業がわからない・ついていけないときの対処法5選!-原因も分析!中学・高校の勉強法-│はなの勉強部屋 (hana-studyroom.com)
わかりやすい授業をするために、教える側ができること
- 論理や説明と問題の解き方をわける
- 自明なことも理由をつけて説明をする(既習の内容も必要があれば説明)
- 問題演習をする時間や宿題を作る
論理や説明と問題の解き方をわける
中学や高校の学校のテストや模試などの問題では問題を解くことが求められます。生徒は問題の解き方を知りたい人がほとんどです。
また、生徒は説明なのか、問題の解き方などなのかの区別をつけることが難しい人もいます。今は何をしているのかを明示し、区別をつけて理解してもらうようにするとわかりやすくなるかもしれません。
自明なことも理由をつけて説明をする(既習の内容も必要があれば説明)
数学を勉強している人にとって「どう見ても当たり前だよね」と思う内容も、生徒にとっては理解できない内容かもしれません。なぜそうなるのか説明することで、理解の橋渡しになります。
生徒のレベルに合わせたし、説明で理解してもらえるようにすることが必要です。
問題演習をする時間や宿題を作る
授業中には十分に問題演習をする時間を取ることができません。しかしながら数学は問題を解かなければ点数を取れるようにならないです。このことを生徒に理解してもらい、授業を受けるだけでなく、自分自身で問題演習を作ってもらったり、宿題を出して問題を解く機会を作るようにするのが良さそうです。
まとめ:先生と生徒のレベルのギャップを埋める
今回は『学校の授業がわかりにくい原因』についての記事を書きました。
生徒に授業がわかりにくいと思われてしまう原因は、先生と生徒の間のレベルのギャップがあることだと感じます。
「自分がやること」と「わかりやすく教えること」は違うということを念頭において指導することで生徒のレベルにあったわかりやすい授業になるのではないかと感じました。
この記事で、数学の授業で悩む生徒や先生の力になれたら嬉しいです。