【教育学部は何を学ぶ?】大学の授業や向いている人・教職や進路などのリアルな学生生活を紹介!

「将来、子どもに関わる仕事がしたい」「教えるって面白そう!」
そんな気持ちを持っているあなたに、教育学部はぴったりかもしれません。

今回は、『教育学部で学ぶ授業内容や将来の進路・教職』など、実際の現役大学生の声を紹介します!

「教育学部って本当に教員になる人だけが行くの?」「授業や実習って大変なのかな?」など、進路選びの段階ではイメージしにくいことも多いはず。

教育学部で学べる内容から、向いている人の特徴、教職課程のリアルな話まで、わかりやすく紹介します。さらに、実際に教育学部に通っている3人の大学生の生活をのぞいてみましょう!あなたの進路選びの参考になるヒントが、きっと見つかるはずです。

教育学部ってどんな学部?

教育学部というと、「先生を目指す人が行くところ」というイメージを持たれることが多いかもしれません。でも、実は教育学部の学びはもっと幅広く、奥深いのです。

教育とは、「人が学び、成長していくプロセス」そのものを対象とした学問です。
この“学ぶ”という営みを科学的・社会的・歴史的に捉え、よりよい教育のあり方を考えるのが教育学部の大きな特徴です。

大学によって教育学部のタイプは異なりますが、大きく以下の2つに分かれます。

  • 教員養成を目的とした実践的な学びが中心の学部(国公立大学に多い)例:小学校・中高教員の免許取得、教育実習、教職課程
  • 教育そのものを研究する学問的な学部(私立大学に多い)例:教育制度の研究、教育心理・教育社会学、子ども文化や家庭教育の探究

どちらのタイプでも、「人の成長」や「学びの本質」に対する深い関心を持つ学生が多く集まります。

また、最近では心理学・特別支援教育・ICT教育などの分野も重要性が増しており、現代のニーズに応じた多様なプログラムが展開されています。

教育学部で学べること

教育学部では、実に多彩な内容を学びます。以下は代表的な学問分野です。

  • 教育心理学:子どもの発達や学習メカニズム、記憶・動機づけなど心理的側面を学ぶ
  • 教育社会学:家庭・学校・社会の関係性や、教育と格差・ジェンダーなどを分析
  • 教育哲学・教育思想史:教育の本質や理想を考える。過去の思想家の教育観も扱う
  • 教育制度・教育政策:日本や世界の教育制度の変遷と現状、教育行政の課題を学ぶ
  • 教育方法学・授業づくり:教え方や教材開発、学級運営などの具体的な技法を学ぶ
  • 特別支援教育:発達障害や学習障害などの理解と支援方法を学ぶ
  • ICT教育・メディア教育 デジタル教材やオンライン学習などの教育技術を探求

教職課程を履修する場合

教員免許を取得するには、「教職課程」を履修する必要があります。
この課程では、以下のような実践的な内容が組み込まれます。

  • 教育原理・教育法規
  • 教育実習(3〜4年次)
  • 教育相談・生徒指導
  • 模擬授業、指導案の作成
  • 道徳・特別活動の指導方法

また、小学校、中学校(教科別)、高校(教科別)、特別支援学校など、進みたい分野に応じて履修する科目が異なります。

教育は単に知識を教えるだけでなく、「人の可能性を引き出すこと」が本質です。
教育学部での学びは、子ども一人ひとりの違いに寄り添い、どのような支援が最適かを考える姿勢を養います。

また、学校教育だけでなく、家庭教育・生涯教育・地域学習など、あらゆる“教育”の場面を視野に入れた幅広い探究が行われているのも特徴です。

教育学部の大学生活|授業・実習・課外活動

教育学部の学生生活は、他の学部と比べて「実践的」かつ「人との関わり」が多いのが特徴です。

平日は講義とゼミが中心

1・2年生では、教育に関する基礎的な知識を広く学びながら、教員免許を目指す場合は「教職課程」も履修します。
心理学、教育原理、社会学、情報、特別支援など、多様な科目をこなしていく必要があります。

3・4年生になると、ゼミや卒業研究、教育実習などが本格化。自分の関心ある分野に深く取り組む時間が増えます。

教育実習で新たな発見がある

教育実習は、教職を目指す学生にとって大きな山場。
数週間にわたって実際の学校で子どもたちと向き合い、授業や学級運営を体験します。

「初めて教壇に立つ緊張感」「子どもの成長に寄り添う喜び」「現場でしか学べない“リアルな教育”」など、多くの学びと気づきが得られる時間です。

ボランティアや課外活動も活発

教育学部生の中には、学外のボランティアや学童支援活動に積極的に参加する人も多くいます。

  • 放課後児童クラブのスタッフ
  • 不登校支援団体での活動
  • 子ども向けイベントの運営
  • 海外での教育ボランティア

といった実践経験を通して、「教育とは何か」を体感的に学んでいる学生も少なくありません。

教育学部卒業後の進路|教員以外にも広がる選択肢

「教育学部=教員になる場所」というイメージが強いですが、実際の進路は多様です。

  • 小・中・高等学校の教員:教職課程を修了し、教員採用試験に合格することで学校の先生になる。
  • 特別支援学校の教員:特別支援教育の免許を取得し、障害のある子どもの支援を行う。
  • 幼稚園教諭・保育士:教育系大学では幼児教育の専門課程を設置していることも。
  • 公務員(行政職):教育委員会、児童福祉、地域づくりなどの分野で活躍。
  • 企業(教育・人材系):教育出版、教材開発、教育ICT、学習塾、人材育成など。
  • 大学院進学・研究職:教育学を専門的に研究する道もあり。大学教員や研究者を目指す人も。

教員を目指す場合の道のり

教員を目指すには、教員免許状の取得+教員採用試験の合格が必要です。

  1. 教職課程をしっかり履修し、
  2. 教育実習で経験を積み、
  3. 教員採用試験に向けて対策する

というステップを経て、ようやく「先生」になることができます。中には1年目で合格できず、「浪人」や「講師経験」を経て合格する人も多くいます。

教職以外の道もある

最近では、「教育に関わる仕事がしたいけど、教員以外の道も考えたい」という学生も増えています。
たとえば以下のような仕事があります。

  • 教育NPOや国際教育支援団体
  • 企業の人材育成部門や研修講師
  • 教育×IT(EdTech)のスタートアップ
  • キャリア支援、就職支援

教育学部で培った「人の成長に寄り添う力」「わかりやすく伝える力」は、多くの場面で活かせる強みとなります。

教育学部に向いている人の特徴|教育の道にぴったりなタイプとは?

教育学部は「人と人との関わり」を土台とする学問です。そのため、知識やスキルだけでなく、人間性や姿勢もとても大切。以下のような特徴がある人は、教育学部での学びをより充実させやすいでしょう。

子どもや人の成長に関心がある人

「子どもの笑顔にやりがいを感じる」「人の成長を支える仕事がしたい」と思っている人には、教育学部の学びはぴったり。教育は単なる知識の伝達ではなく、人の変化・成長に深く関わる営みです。

たとえば、小学校の教育実習では、児童ができなかったことを克服していく過程に立ち会うことができ、「教える喜び」を実感する学生も多いです。

コミュニケーションが好きな人・人と関わるのが苦にならない人

教育現場では、子ども・保護者・同僚・地域の人たちなど、多様な人と関わる機会があります。相手の話に耳を傾けたり、わかりやすく説明したりする力は、教員としても、教育関連職に就く上でも欠かせません。

忍耐力と継続力がある人

子どもと接する中では、思い通りにいかないことも多々あります。それでも感情的にならず、根気よく寄り添い続ける力が求められます。教育の仕事は、「長期的な視点で人を育てる」営みです。

教えることが好き、伝える工夫ができる人

「どう説明すれば相手が理解しやすくなるか?」と考えるのが好きな人や、話し方や板書にこだわりを持てる人は、教育の現場で強みを発揮しやすいです。模擬授業や実習を通じて、伝え方の技術を磨く機会も豊富にあります。

人の気持ちに敏感で、共感する力がある人

教育学部では、心理学や発達支援なども学びます。子どもの小さなサインに気づき、寄り添えるような感受性や共感力は、教育者として大きな資質となります。

教育学部に関するよくある疑問

教育学部を志望する高校生・受験生からよく聞かれる質問について答えていきます。

Q1. 教育学部に入ったら、先生になるしかない?

A. いいえ、先生以外の進路もたくさんあります。
もちろん、教員を目指している人は多いですが、教育支援、教育政策、企業の人材育成、出版、福祉、NPOなど、教育の知識を活かせる場は多様です。

たとえば、教育学部出身で、出版社で教育教材の企画・編集に携わっている方や、企業の研修担当者として活躍する人もいます。

Q2. 実習は大変?

A. 大変ですが、成長を実感できる貴重な機会です。
朝早くから登校し、授業準備や記録、反省などで夜遅くまで活動する実習は、確かにハード。でもその分、「現場を知ることで学びが一気に深まった」「子どもと接する中で将来の目標が明確になった」と語る学生が多くいます。

事前に模擬授業の練習やケーススタディを行うので、しっかり準備して臨めば安心です。

Q3. 教員採用試験って難しい?

A. 簡単とはいえませんが、対策次第で十分合格可能です。
自治体によって倍率は異なりますが、大学内での対策講座や個別指導、模擬面接、グループディスカッション練習など、支援体制は年々充実しています。

また、教職ゼミや仲間との自主勉強会も盛んで、「一緒に頑張る仲間がいるから続けられる」と感じる学生も多いです。

Q4. 男性の学生は少ないって本当?

A. 確かに女性が多い傾向はありますが、男性のニーズも高いです。
特に小学校や幼児教育系では女性の割合が多いですが、男性教員の存在は子どもたちにとっても重要なロールモデル。最近では男性の志望者も増えてきており、学部内で性別による壁を感じることはほとんどありません。

教育学部のリアルな大学生活|在学生の過ごし方

教育学部で学ぶ学生たちは、日々どんなスケジュールで大学生活を送っているのでしょうか?
ここでは、学年や専攻が異なる3人の在学生のリアルな声を聞いてみましょう。

教育学部2年・女性|小学校教員志望

塾講師のアルバイトを通して学ぶ、“伝える力”の奥深さ

教育学部での学びは、思っていた以上に実践的です。たとえば模擬授業では、児童の発達段階に応じた板書や発問の組み立て方を考えるのですが、「どうすれば伝わるか」という問いを常に自分に投げかける毎日です。

並行して、個別指導塾で小学生に国語と算数を教えるアルバイトもしています。授業で学んだ理論が、実際に子どもたちとの関わりの中で“生きる”瞬間がとても面白くて。単に知識を教えるのではなく、「どう伝えるか」「どう受け取られるか」を考えられるようになったのは、大学での学びと現場の両方に触れているからだと感じています。

教育学部3年・男性|特別支援教育専攻

「その子の目線に立つこと」――実習で実感した、支援教育の本質

特別支援教育を専攻し、障害のある子どもたちの理解や支援の在り方を中心に学んでいます。なかでも印象深かったのは、特別支援学校での教育実習。言葉だけでは通じない場面も多く、“伝えたいこと”をどう表現するかを何度も試行錯誤しました。

一人ひとりの発達段階や感覚に寄り添い、その子にとっての「わかる」「できる」を丁寧に積み上げていく教育は、想像以上に繊細で奥深いものでした。
こうした経験を通して、「教える」とは何か、「理解を支える」とは何かを、より立体的に考えるようになった気がします。現在は卒業研究で、インクルーシブ教育に関する国内外の比較をテーマに文献を読み進めています。

教育学部1年・女性|幼稚園教員・保育士志望

絵本とピアノ、そして“まなざし”から学ぶ保育の世界

大学に入ってから半年。まだ専門的な内容はこれからですが、「幼児教育の専門家としてのまなざし」を少しずつ育てている実感があります。
絵本の読み聞かせや手遊び歌の実践、発達心理学の講義を通して、「子どもを観察する」「言葉以外のコミュニケーションに気づく」ことの大切さを学びました。

また、ピアノの授業では、子どもの気持ちを引き出す音のリズムやテンポの工夫を意識するようにしています。
保育の世界は、“かわいい”だけではなく、子どもの成長に対する深い理解が求められる専門職であることを、日々の学びから実感しています!

まとめ|教育学部は「人を育てる」力を身につける学部

教育学部は、子どもたちの成長を支えるだけでなく、「学ぶこと」そのものを深く探究する学部です。教育の歴史や制度、心理学、実際の指導技術まで、幅広い視点から“教える”という営みを学んでいきます。

将来は学校の先生をはじめ、公務員、一般企業、福祉・教育関連のNPOなど多彩な道が広がっており、「人と関わる仕事」「育てる仕事」にやりがいを感じる人にはぴったりの環境です。

学びの中では実習や現場体験も多く、自分自身の成長も感じられる4年間になるはずです。

ほかにも、受験勉強・志望校選びに役立つ記事も掲載しています。あわせて読んでみてください!

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"賢く×可愛く"を叶える『はなの勉強部屋』

現役理系大学生が運営しているブログ、はなの勉強部屋。“可愛く”ד賢く”をモットーに投稿しています。これからみなさんの学生生活や勉強に役立つ情報更新していきますので、よろしくお願いいたします!

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