「法学部って、弁護士を目指す人しか行かないの?」
そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。でも実は、法学部で学ぶことは、もっと身近で、日常にも関係のあることばかり。
今回は、『法学部で学ぶ授業内容や将来の進路』について紹介します。
たとえば、SNSでのトラブル、買い物での契約、アルバイトのルール、選挙や政治の仕組み——そうした“社会のルール”を、法律を通して深く学んでいくのが法学部です。
大学では「憲法」「民法」「刑法」などの基礎科目からスタートし、判例を読んだり、自分の意見を論理的にまとめたりと、思考力と表現力を鍛える授業が多くあります。
将来の進路も、弁護士や裁判官だけでなく、公務員、企業の総合職、NPOや国際機関など、幅広く広がっているのも法学部の魅力です。
この記事では、法学部の学びの内容やカリキュラム、向いている人の特徴、卒業後のキャリアまで詳しく紹介。さらに、在学生3人のリアルな大学生活も覗いてみましょう!
法学部ってどんな学部?| 社会のルールを学び、考える力を養う

法学部は、憲法や民法、刑法などの“法律”を中心に学ぶ学部です。
一言でいえば、「社会のルールを知り、それを使って物事を考える力を身につける場所」です。
法律は一見すると堅苦しく感じるかもしれませんが、実は私たちの身近なところにも深く関わっています。たとえば、
- SNSのトラブル(名誉毀損やプライバシーの侵害)
- 労働条件の問題(ブラックバイト、契約)
- 契約トラブル(ネットショッピングの返品・キャンセル)
こうした問題に「どう対応するか」「どのように解決すべきか」を、論理的に考える力が身につくのが法学部です。
法学部で学ぶこと|代表的な授業とカリキュラムの特徴

法学部では、社会を動かす“ルール”である法律を体系的に学びます。カリキュラムは大きく「基礎科目」「専門科目」「ゼミ・演習」に分かれており、学年が上がるごとにより実践的で応用的な内容へと進んでいきます。
1〜2年生:法律の“考え方”を学ぶ
1・2年生の間は、法律学の土台となる基礎的な知識や考え方を身につけます。
- 法学入門:法律とは何か?どうやってルールはできているのか?を学ぶ初歩の授業。
- 憲法:日本国憲法の基本的人権や三権分立、政治の仕組みについて学びます。
- 民法(総則・物権・債権など):私たちの日常に関わる契約・財産・権利などのルールを学びます。
- 刑法:犯罪とは何か、どのような罰則があるのかなどを理論的に学びます。
授業では、条文を読み込み、それを具体的な事例にどう当てはめて考えるかという“ケース分析”も行います。
3〜4年生:応用分野・専門科目・ゼミへ
学年が上がると、興味のある分野や将来の進路に応じた専門的な授業を選択できるようになります。
- 行政法/労働法/商法/刑事訴訟法など、多様な専門法律科目が用意されています。
- 国際法・国際人権法:世界での法律のあり方を学ぶグローバルな視点も養えます。
- 環境法・医事法・知的財産法:現代的な課題に関する法律も学べる分野です。
また、多くの大学では「ゼミ(演習)」が用意されており、判例を読み解いたり、グループでディスカッションを行ったり、模擬裁判をしたりと、実践的な思考力を高めていきます。
法学部に向いているのはこんな人

法律の世界には“絶対的な答え”があるとは限りません。だからこそ、自分の頭でじっくり考え、他人の意見にも耳を傾けながら議論できる力が求められます。
論理的に物事を考えるのが好きな人
法律は「なぜこの判断になるのか」「その根拠は何か」と、論理的に筋道を立てて考えることが求められます。
国語の記述問題や数学の証明が好きだった人には、特に向いています。
文章を読む・書くことが苦ではない人
法学部では長い判例や条文、判決文を読むことも多く、レポートやレジュメの作成も頻繁にあります。読解力・文章力は鍛えられますが、もともと文章を扱うのが得意な人はスタートダッシュしやすいです。
社会問題に興味がある人
貧困・労働・人権・環境問題など、現代社会のさまざまな課題に対して「法律の観点からどのようにアプローチできるか」を考える機会が多くあります。
ニュースや時事問題に関心がある人は、自然と学びが深まるでしょう。
話し合いやディベートが好きな人(または挑戦してみたい人)
ゼミや模擬裁判では、「自分の意見を言う」「相手の意見を聞く」「根拠を持って反論する」といった力が求められます。
話すのが得意でなくても、「説得する力」や「相手の立場に立って考える力」が少しずつ育っていく環境です。
法学部の進路は?|法曹だけじゃない多様なキャリア

法学部といえば「裁判官・検察官・弁護士」などの「法曹三者」が代表的な進路として思い浮かびますが、それだけではありません。実は法学部の卒業生は、あらゆる分野で活躍しています。
本格的に法律のプロを目指す場合、大学卒業後に「法科大学院(ロースクール)」に進学し、司法試験に挑む道があります。最近では、大学3年生終了時に司法試験の受験資格を得られる「予備試験ルート」を目指す学生も増えており、早期からの学習やゼミ選びが重要になります。
ただし、法曹を目指す学生は学部全体の中では一部。多くの学生は法学で得た“考える力”や“論理的思考力”を武器に、他の道へ進んでいます。
法学部で学んだ知識やスキルは、「法律を専門に扱う職業」以外でも大きく活かされます。以下は、よくある進路です。
公務員
法律知識は、行政職や地方公務員試験でも大きなアドバンテージになります。市役所・県庁などの職員や、国の政策を担う国家公務員として活躍する卒業生も多くいます。
企業(一般職・総合職)
法務部門や人事、企画、営業など、さまざまな部署で活躍できます。特にコンプライアンスや契約関係の理解は、多くの企業で重宝されます。
金融機関(銀行・証券・保険など)
法律と密接に関わる金融業界も人気の進路です。リスク管理や融資契約、コンプライアンス対応など、法律知識が直接活きる場面が多数あります。
マスコミ・出版・教育など
報道・言論の自由、教育と人権、環境保護といったテーマに関心のある学生が、ジャーナリズムや教育、社会活動の分野に進む例もあります。
リアルな大学生活|法学部生のキャンパスライフは?

法学部の学生生活は、「真面目で堅い」というイメージを持たれがちですが、実際には多彩な学びと自分らしい時間の両立ができる環境です。実際の法学部の学生の様子を見てみましょう!
法学部2年・女性|弁護士志望、コツコツ型の私
法学部に入って2年目、いよいよ専門的な授業が増えてきました。午前中は憲法や民法などの講義があり、午後は判例を読み解くゼミで少人数のディスカッションをしています。条文を読むだけではなく、「どういう理由でこの結論になったのか」を考える授業が多くて、思考力が鍛えられている実感があります。
私は弁護士を目指しているので、放課後は法科大学院進学に向けた勉強に時間を使っています。アルバイトはしていませんが、週に1回、司法試験対策講座に通っていて、同じ目標を持つ仲間と情報交換しながら勉強しています。少し大変だけれど、毎日「法律家になる」という目標がモチベーションになっています。
法学部3年・男性|地方公務員志望+家庭教師のバイト
大学3年になり、行政法や地方自治法など、地域社会に直結する授業を中心に履修しています。ゼミでは地域政策をテーマに議論することが多く、自分の住んでいる町や県の課題を法律の視点で考える機会が増えました。
将来は地方公務員として、地域に根ざした行政の仕事がしたいと思っています。週に2回、家庭教師のバイトで中学生に勉強を教えているのですが、そこで接する保護者や子どもの姿から、行政のサポートの大切さを実感することも多いです。授業の合間に公務員試験の過去問を解いて準備していますが、「現場の声」と「学問」がつながっていく感覚が、最近の一番のやりがいです。
法学部4年・女性|企業志望、インターンを通じて成長中
私は、民間企業の法務部で働くことを目標にしています。3年生のときから企業のインターンに参加していて、実際の契約書チェックやコンプライアンス対応の現場を見て、大学の授業とのつながりを強く感じました。法律が企業活動にどう活かされているかを知ることで、自分の学びがより立体的になった気がします。
卒論では「個人情報保護法と企業の対応」というテーマに取り組んでいます。新しい法改正や企業の事例を調べることは大変ですが、社会の変化と法律の関係を身近に感じられて面白いです。忙しい中でも、休日には友達と美術館に行ったり、読書を楽しんだりしてリフレッシュしています。息抜きの時間があるからこそ、勉強や研究にも集中できています。
まとめ|法学部は“社会のしくみ”も深く学べる場所

法学部は、ただ法律を学ぶだけでなく、「なぜそのルールがあるのか?」「社会でどのように使われているのか?」という本質に迫る学びができる場所です。
論理的に考える力や、自分の言葉で表現する力が身につくことで、法律系の進路はもちろん、一般企業や公務員、国際機関など幅広いフィールドへの道が開かれています。
「人の役に立ちたい」「社会のしくみを知りたい」「言葉や理屈で人を納得させるのが得意」そんなあなたにぴったりの学部かもしれません。
ほかにも、大学受験の志望校・進路の選び方・勉強法のコツなども掲載しています。
ぜひあわせてチェックして、自分にぴったりの進路を見つけてください!