「本当に間に合うのかな」「共通テストや一般入試で、ちゃんと力を出せるかな」
そんな不安や焦りで、勉強に手がつかなくなることがあります。
でも、受験直前に不安になるのは、弱いからではなく、ここまで本気で頑張ってきたからこそです。
- 直前期の勉強のまとめ
- メンタルの整え方
- 生活リズム・前日・当日の過ごし方
- しんどくなったときのQ&Aとチェックリスト
「不安と付き合いながら本番に向かうためのヒント」 をまとめました。
不安を抱えたままでも、少しずつ前に進めるように、一緒に進んでいきましょう。
1. なぜ受験直前はこんなに不安になるの?

受験が近づいてくると、「落ちたらどうしよう」「まだ全然仕上がっていない気がする」「周りのみんなの方が、ちゃんとできていそう…」
こんな気持ちが、ふとした瞬間に押し寄せてきますよね。
まず最初に伝えたいのは、それはとても自然なこと だということです。
不安になるのは、
- ここまでちゃんと勉強してきたからこそ、結果が気になる
- 自分の努力をムダにしたくないと思っている
- 「頑張ってきた自分」をよくわかっているからこそ怖くなる
という、ある意味とてもまっとうな反応です。
何も準備していなければ、そもそも不安にもなりません。
それに、受験直前は
- 模試や過去問の点数が、どうしても頭から離れない
- ネットやSNSで、他の受験生の様子が目に入る
- 「あと○日しかない」というカウントダウンが意識にのぼる
など、心が揺れやすい条件がそろっています。
だから「直前になって不安になってきた自分」は、むしろ普通で、異常でも弱いわけでもありません。
「それだけ本気で向き合ってきたから、今こんな気持ちなんだな」
そうやって、一度自分の気持ちを受け止めるところから始めてみましょう。
受験直前の不安は、「勉強面・メンタル面・生活面」の3つから解消をしていくことができます。
自分にできそうなものから試して、気持ちを落ち着かせていきましょう。
2. 勉強面から不安を軽くする|「やることを絞る」直前の勉強法

不安が大きくなるときは、たいてい
「結局、今何をすればいいのかがはっきりしていないとき」 です。
逆に言えば、「今日・明日やること」が見えてくると、不安は少し落ち着いていきます。
直前期の勉強でいちばん大事なのは、“新しいことを増やす” より “やることを絞る” こと です。
新しい問題集より、今までの相棒を信じる
直前になると、本屋さんで新しい問題集を買いたくなったり、SNSで「この参考書がよかった」と見て、急に気になり出したりすることがよく起こります。
ここで新しい参考書に手を出すと、分からない問題が増えて、余計に不安になる、これまでの解き方やペースが崩れてしまうという状態になりやすいです。
直前期は、
- これまで使ってきた参考書・問題集・ノート
- 受けてきた模試・過去問の問題
を使って、
- 間違えた問題・解き方があいまいな問題の解き直し
- 公式や基本事項の確認
- よくつまずく単元の“ポイントだけ復習”
に力を入れる方が、点数に直結しやすくなります。
1日の「ミニ計画」で、気持ちを落ち着かせる
大きな完璧スケジュールを作ると、むしろ苦しくなることもあります。
そんなときは、「今日やること」だけを3つくらい決める のがちょうどいいです。
- 午前:昨日解いた過去問(数学・英語)の復習
- 午後:共通テスト形式の問題を1セット解く
- 夜:暗記科目(社会・理科など)を軽く一周+明日の予定をメモ
全部できなかったとしても、「今日はこれだけはちゃんとやった」と言えるものがひとつでもあればOKです。
その小さな「できた」の積み重ねが、不安を少しずつ減らしてくれます。
3. メンタル面から不安と向き合う考え方

勉強の仕方と同じくらい大切なのが、心との付き合い方 です。
目指したいのは、不安をゼロにすることではなく、「不安があっても動ける自分」 です。
「コントロールできること」に意識を戻す
受験前の不安の多くは、次のようなものから生まれます。
「本番でどんな問題が出るか」「他の受験生がどれだけ勉強しているか」「過去の模試の結果や判定」
これらは、どれだけ考えても「自分の力では変えられないこと」です。一方で、
- 今日どの科目を何時間やるか
- 何時に寝て、何時に起きるか
- スマホやSNSとどう付き合うか
これは、自分の行動で変えられる部分です。
不安で頭がいっぱいになったときは、
「これは、自分でコントロールできることかな?」
と一度問いかけてみてください。
変えられないことにずっとエネルギーを使ってしまうより、
「今日の自分の行動」に意識を戻した方が、心も少し軽くなります。
完璧じゃなくていい、合格ラインを目指す試験だから
受験前はどうしても、「ここもできていない、あの単元も不安」「全部完璧じゃないと受からない気がする」といったように、完璧を求めてしまいがちです。
どんな試験も、すべて満点を取る人だけが受かる試験ではなく、
「必要なラインを超えれば合格できる試験」です。
大事なのは、
- 「ここまでは押さえた」と思える軸をつくること
- 「抜けているところはあるけれど、それでも前に進んでいる自分」を認めること
心の中の言葉も、少しだけ明るくしてあげましょう。
- 「不安なのはそれだけ本気でやってきた証拠」
- 「完璧じゃなくていい。今できる一歩を進めよう」
- 「ここまで続けてきた自分、けっこう頑張ってる」
こうやって自分に声をかけてあげられる人は、
本番当日にもしっかり立て直せる、強い受験生です。
4. 受験直前に整えたい生活リズム

受験が近づくと、「勉強しなきゃ」という気持ちが強くなって、つい生活が後回しになりがちです。
でも、心や体がぐったりしている状態では、せっかくの勉強もうまく力になりません。
ここでは、「これならできそう」という小さな習慣を中心に、直前期の生活リズムの整え方をまとめます。
睡眠のポイント:削らず「一定リズム」をキープする
「あと少しだけ起きていれば、もっと勉強できるかも」と思う夜もあると思います。
ただ、本番で集中するためには、直前こそ睡眠を削らないことが大切です。
- 毎日だいたい同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
- 布団に入る30分前くらいからは、勉強やスマホを切り上げて頭を休める
- 「今日はここまでやったから大丈夫」と、眠る前に自分に一言かけておく
ぐっすり眠れた日ほど、「今日ももう少し頑張ってみよう」と前向きになりやすくなります。
自分を責める夜より、「よくここまでやってきたな」とそっと認めてあげる夜が増えると、それだけでも心が軽くなります。
食事と休憩の取り方:集中力を保つためのエネルギー管理
直前期は、焦りから食事や休憩を削ってしまうこともありますよね。
でも、長く集中するには、エネルギーの補給と小さな休憩が欠かせません。
- 軽くでもいいので、1日3回は何か食べる
- 1〜2時間に一度は立ち上がって、肩や首を軽く動かす
- 勉強の区切りごとに、温かい飲み物などで短い休憩を入れる
「休んでしまった…」ではなく、
「少し休んだから、ここからまた集中できる」と考え直してみると、気持ちも少し楽になります。
スマホ・SNSとの付き合い方:自分の集中を守るルールを決める
スマホやSNSには役立つ情報も多いですが、直前期は不安を大きくしてしまうきっかけになることもあります。
他の人の勉強量や判定を見ると、どうしても自分と比べてしまいますよね。
だからこそ、「なんとなく触る」のではなく、自分を守るためのルールをゆるく決めておくのがおすすめです。
- 勉強が終わったあとに、時間を決めて見る(例:夜30分だけ)
- 勉強中は、机の上ではなくカバンや別の場所に置く
- 寝る前1時間はスマホを触らない時間にする
完全に我慢する必要はありません。
ただ、「今は自分のペースを大事にしたいから、少し距離をとっておこう」と考えられると、それだけでも心が守られていきます。
5. 試験前日と当日の過ごし方

いよいよ本番が近づく「前日」と「当日」は、多くの人が一番緊張するタイミングです。
ここでは、「こうしておくと、少し落ち着いて本番を迎えやすい」というポイントをまとめます。
試験前日:安心して寝るための準備をする
前日は、「ここで全部やり切らなきゃ」という日ではなく、
「明日の自分が少しでも楽にスタートできるように準備する日」だと考えてみてください。
- これまで使ってきたノートやまとめを、軽く見直す
- 志望校・共通テストの頻出分野を“思い出す程度”に確認する
- 受験票・筆記用具・時計・防寒具・昼食など、必要なものをカバンに入れておく
- いつもより少し早めにお風呂と就寝を済ませる
完璧にこなす必要はありません。
「大事なものはちゃんと準備した」「いつもの勉強もここまでやった」
そう思えたら、それだけで前日は十分です。
「もう少しやりたい」と感じるのは、それだけ真剣な証拠です。
その気持ちごと抱えながら、「今日はここまで。あとは明日の自分に任せよう」と布団に入ってあげてください。
試験:いつも通りの自分で挑む
試験当日は、多かれ少なかれ誰でも緊張します。
大事なのは、「緊張している自分はダメだ」と思わないことです。むしろ、それだけ本気だというサインでもあります。
当日は、次のようなことを意識してみてください。
- 普段と大きく変わらない時間に起きる
- 会場では、見慣れたノートや要点だけをさっと確認する
- 試験前に深呼吸をゆっくり数回して、肩の力を抜く
- 1科目ごとに気持ちを切り替え、「終わった科目は一旦置いておく」と決めておく
周りの受験生がとても優秀そうに見えても、あなたが解くのは目の前の一枚の問題用紙だけです。
途中で不安や焦りが出てきたら、いったんペンを置いて深呼吸をし、「次の1問だけに集中してみよう」と自分に声をかけてみてください。
それができれば、もう立派に「本番で踏ん張れる受験生」です。
ここまで積み重ねてきたものは、ちゃんとあなたの中に残っています。あとは、それを少しずつ紙の上に出していくだけです。
6. 受験直前にしんどくなったときのQ&A・チェックリスト

直前期は、どれだけ頑張っている人でも気持ちが沈む瞬間があります。
そんなときに読み返せる、小さなQ&Aとチェックリストを用意しておきます。
Q1. 「模試の判定が悪くて不安です…」
模試の判定が低かったり、志望校が「D判定」「E判定」と出たりすると、
「もう無理なんじゃないか」と感じてしまうことがありますよね。
ただ、直前期の模試は「本番の結果そのもの」ではなく、
「戦略を調整するための材料」 だと思ってみてください。
- 模試と本番では、受験する人の層も問題も違う
- 判定はあくまで「その時点での位置」の目安にすぎない
- 大事なのは、「この模試から何を直すか」を決めること
例えば、
- 間違えた問題を見直して、「何がわかっていなかったのか」をはっきりさせる
- ケアレスミスが多かったなら、見直しの時間をどう確保するか考えてみる
- 時間が足りなかったなら、解く順番や捨てる問題を決めておく
といった形で、「判定に振り回される側」から「判定を使う側」に回っていきましょう。
Q2. 「家族や先生の言葉がプレッシャーです」
「応援してくれているのは分かるけれど、その言葉が重く感じてしまう…」
そんなこともありますよね。
家族や先生は、たいてい「何か力になりたい」と思って話しかけています。
でも、その距離感が今の自分にはしんどいこともあります。
そんなときは、少し勇気がいりますが、「今こうしてくれると助かる」という形で伝えるのがおすすめです。
例:
- 「心配してくれてありがとう。今は点数の話より、いつも通り接してくれると嬉しい」
- 「頑張れって言ってもらえるのは嬉しいけど、今はあまり結果の話はしないでほしい…」
- 「そう言ってもらえると心強いけれど、今はちょっと不安定だから、少しそっとしておいてもらえると助かる」
相手を責めるのではなく、
「どうしてもらえると自分は助かるか」 を一言だけ伝えるイメージです。
完璧に伝えられなくても大丈夫です。
少しずつ、自分のペースを守るための境界線を作っていければ十分です。
Q3. 「もう間に合わない気がして、手が止まります」
「あと○日しかない」「今からじゃ遅いかも」と感じると、
勉強しなきゃと思いながら、逆に手が止まってしまうことがあります。
そんなときに意識してほしいのは、
「大きな一歩」をいきなり踏み出そうとしなくていい、ということです。
今からでもできる“小さい一歩”の例を挙げると、
- 1科目につき、教科書やノートを10分だけ見直してみる
- 過去問を1年分解くのではなく、「大問1つだけ解いてみる」
- 英単語帳や重要語句カードを、3ページだけ確認する
など、「これなら今からでもできるかも」と思えるレベルまで、ハードルを下げてしまって構いません。
ポイントは、「何もしないで1時間過ぎる」より、「小さなことでも1つ終わらせてみる」こと。
その小さな一歩が、「まあ、あと1つくらいやってみようかな」という次の一歩につながっていきます。
直前にしんどくなったときのチェックリスト

最後に、「最近ちょっと苦しくなってきたな」と感じたときに見てほしいチェックリストです。
全部が「はい」である必要はありません。どれか一つでも「見直してみようかな」と思えたら十分です。
- □ 睡眠を削りすぎていないか(毎日ほぼ同じ時間に寝て起きているか)
- □ 不安になって、新しい教材ばかり増やしていないか
- □ 1日の中に、5〜10分でも「軽めの息抜き」が入っているか
- □ 「今日やること」を3つくらいに絞ってからスタートしているか
- □ スマホ・SNSを見る時間を、自分なりに決めているか
どれか一つでも「いいえ」があったら、
それは「自分を責める理由」ではなく、「ここを少し整えると、もう少し楽になれるかも」というヒントです。
まとめ

受験直前の不安は、真剣に頑張ってきた人ほど強くなるものです。
- やることを絞って勉強する
- 睡眠や食事、休憩でコンディションを整える
- 前日・当日の過ごし方をあらかじめ決めておく
「完璧じゃない自分」でも、ここまで積み上げてきたものは、ちゃんとあなたの中にあります。
不安を感じる自分ごと受け止めながら、本番の日までを、一歩ずつ進んでいきましょう!
みなさんの合格を心より願っています。