共通テストが近づいてくると、「まだやるべきことが残っている気がする」「このままで本番、大丈夫かな……」と、不安や焦りが一気に押し寄せてきます。
直前期は“新しいことを増やす時期”ではなく、「これまで積み上げてきた力を、当日きちんと発揮できる状態に整える時期」 です。
この記事では、『共通テスト直前の勉強法と本番までの過ごし方』をまとめて整理 します。
残り1か月・2週間・1週間で意識したいポイントから、やってはいけないNG行動、前日・当日の具体的な過ごし方 まで、直前期ならではの視点で解説しています。
「あと少しの期間で、何をすれば一番点数につながるか」をはっきりさせて、不安よりも「ここまでやってきたから大丈夫」という感覚で本番を迎えましょう!
1. 共通テスト直前期は「新しいこと」はやらない

本番が近づいてくると、
- 「この参考書もやっておいた方がいいかも」
- 「もっと難しい問題にも手を出さないと不安」
- 「周りが追い込みしているから、自分も何か増やさなきゃ」
と、つい“新しいこと”に目が向きがちです。
でも、共通テストの直前期で一番大切なのは、
これまで積み重ねてきた力を安定させること です。
直前期は、「新しいこと」を増やすよりも、
- これまでできていたことを落とさない
- 解けるはずの問題をきちんと取り切る
- 自分なりの解き方やリズムを崩さない
ことの方が、ずっと大きな価値があります。
“攻めの直前期” ではなく、“整える直前期” と捉えると、
やるべきことがはっきり見えてきます。
2. 共通テスト直前期の過ごし方(期間別)

共通テスト本番までの残り期間によって、
優先すべきこと・意識したいこと は少しずつ変わります。
ここでは、
- 本番まで「1か月前」
- 本番まで「2週間前」
- 本番まで「1週間前」
という3つのタイミングに分けて整理します。
本番まで【1か月前】:仕上げに向けた弱点整理
この時期は、まだまとまった勉強時間を確保しやすい段階です。
ここで意識したいのは、自分の弱点を整理しておくこと です。
- これまでの模試・過去問を見直し、「よく間違える分野」を書き出す
- 各科目で、点が落ちやすい単元を基礎からもう一度確認する
- 過去問や予想問題を、本番と同じ時間を測って解いてみる
各教科の具体的な勉強法としては以下のようなイメージです。
- 国語:時間内に最後まで解き切れるか、どのあたりで詰まりやすいかを把握
- 数学:どの大問で時間を使いすぎているか、手が止まりやすいパターンを確認
- 英語:どの大問で時間切れになりやすいか、どのタイプの長文が苦手かをチェック
「なんとなく不安」のままだと勉強がぼやけてしまいます。
“自分はどこで点を落としやすいのか” を言葉にしておくこと が、この時期の大切な準備になります。
本番まで【2週間前】:不安を減らし、「取れる問題」を固める
残り2週間になると、「まだできていないところ」がどうしても気になってきます。
だからこそ、この時期はあえて “取れる問題を確実に取る練習” に重点を置く のがおすすめです。
- 基本問題・頻出問題の最終チェック
- 間違えた問題を「なぜ間違えたのか」まで振り返る
- 本番と同じ時間帯に問題を解き、体と頭を慣らしておく
ポイントは「できる問題」を増やすことです。これにより不安を減らすことができます。
例えば、
- 新しい単語帳を始めるのではなく、「覚えていたはずなのに抜けていた単語」を重点的に復習
- 数学で新しい難問集に挑戦するのではなく、「標準レベルの問題をミスなく解く」練習に切り替える
といったイメージです。
できていないところ探しではなく、「取れるところを増やす作業”」に切り替えると、不安も自然と和らいでいきます。
本番まで【1週間前】:コンディションを整える
残り1週間になると、無理に新しい知識を詰め込むより、
本番に向けてコンディションを整えること の方が重要になります。
- 夜更かしを控え、本番当日と同じくらいの時間に起きる
- 勉強時間は少しずつ短くし、疲れを溜めないようにする
- 重たい新しい範囲ではなく、これまでの復習中心に切り替える
この時期は、「量」より「質」を意識するタイミングです。
睡眠時間を削って詰め込みをする・新しい分野を一から始めて、かえって不安を増やしてしまう…といったことをすると、当日の集中力が落ちてしまいます。
“今まで頑張ってきた自分の力を、そのまま出せる状態を作る”
それが、直前1週間の一番大切なテーマです。
3. 共通テスト直前に科目ごとの意識したいポイント

ここでは、細かいテクニックではなく、
直前期に「これだけは意識しておきたい」科目別のポイント をコンパクトに整理します。
詳しい勉強法は、科目別の記事でじっくり深掘りする前提です。
国語:時間配分を意識して、取れそうな問題を取る
直前期は、国語の解き方そのものを変えるよりも、
- 最初からすべてを完璧に読もうとしない
- 難しそうな設問にこだわりすぎず、取れる問題から先に解く
- 「現代文 → 古文 → 漢文」など、自分なりの解く順番を本番前に決めておく
といった “時間と順番のルールづくり” を意識するだけで、安定感がぐっと増します。
数学:スピードに加えて「ミスで落とさないこと」も優先
数学は、新しい問題にチャレンジするよりも、
- よく使ってきた問題集・過去問の解き直しを中心にする
- 符号・小数・分数など、計算ミスのパターンを意識して見直す
- 「このレベルの問題までは必ず取り切る」という目安を決めておく
といった “標準問題の徹底” が、直前期には最も効果的です。
共通テスト数学は、難問勝負ではなく「落とさない人が勝つ試験」 だと考えておくと、勉強の方向性がぶれにくくなります。
英語:読むスピードとリスニングの「感覚」を切らさない
英語の直前期で意識したいのは、
- 毎日少しでも英文を読み続けて、“読む感覚”を維持すること
- 過去問や模試で「どの大問で時間が足りなくなりがちか」を確認すること
- リスニング音声に短時間でも毎日触れ、“耳を英語モード”にしておくこと
特にリスニングは、
直前数日だけ追い込むより、「少しずつ毎日」の方がはるかに効果的 です。
理科・地歴・公民・情報:基本問題で確実に得点する
これらの科目は、直前期ほど 「基本事項の徹底」 が効きます。
- 用語・定義・公式などの基礎をもう一度一通り確認する
- 教科書レベルの例題や基本問題を中心に、取りこぼしを減らす
- グラフ・表・図を見て、「何が書いてあるか」を言葉で説明する練習をする
共通テストの特性上、“みんなが取れる問題を確実に取る人” が有利 です。
難問にこだわるより、「基本でミスしない自分」を直前期に作っていきましょう。
4. 共通テスト直前にやってはいけないこと

直前期はどうしても不安になりやすく、「何か新しいことをしなきゃ」と焦りやすい時期です。
でも、ここでの行動次第で、本番の点数が上がることもあれば、逆に下がってしまうこともあります。
まず、次のような行動はできるだけ避けましょう。
- 新しい参考書に手を出す
- 夜更かしで勉強時間を増やす
- 模試や過去問の点数に一喜一憂する
- 不安になって勉強計画を崩す
「焦って動いた分だけ失点する」
これは、共通テスト直前期によくあるパターンです。
新しい参考書や問題集を増やしてしまうと、
「結局どれも中途半端で終わる」「できない問題ばかり目について余計に不安になる」
といった状態になりやすく、得点にはつながりにくいです。
模試や過去問の点数も、直前期は「材料のひとつ」として冷静に扱うことが大切です。
点数だけを見て気持ちが揺さぶられると、せっかく立てた勉強計画を壊してしまい、かえって効率が落ちてしまいます。
直前期こそ、
「新しいことを増やさず、いま持っている力を整える」
という意識を持って置くことが必要です。
5. 共通テストの前日・当日の過ごし方

本番直前の「前日」と「当日」は、勉強内容以上に “過ごし方” が大切になります。
ここで無理をしてしまうと、これまでの努力が十分に出し切れないこともあります。
共通テスト前日の過ごし方
前日は、次のようなイメージで過ごすのがおすすめです。
- 軽めの復習だけでOK
- 早めにお風呂・就寝
- 持ち物を夜のうちに確認
重たい新分野に手を出す必要はありません。
これまで使ってきたノートや問題集を軽く見返して、「あ、ここは大丈夫そうだな」と確認する程度で十分です。
特に大切なのは、睡眠時間をしっかり確保すること。
前日は「もう少しやりたい」と感じても、区切りをつけて早めにお風呂に入り、翌朝すっきり起きられるようにしておきましょう。
また、受験票・筆記用具・時計・防寒具・お昼ごはんなど、当日に必要なものは夜のうちに一度そろえておくと安心です。
「ちゃんと準備できている」という感覚があるだけで、翌日の不安が少し軽くなります。
前日は「勉強量で追い込む日」ではなく、
「安心して寝られる状態をつくる日」 と考えておくとよいです。
共通テスト当日の過ごし方

当日は、いつもより少しだけ早めに行動しつつ、「特別なことはしない」くらいの気持ちで大丈夫です。
- いつも通り起きる
- 会場では新しいことをしない
- 深呼吸して、目の前の問題に集中
朝は、普段と同じくらいの時間に起きて、軽く体を動かしたり、少しだけ見慣れたノートを確認したりする程度でOKです。
会場に着いてから、初めて見るような参考書を開く必要はありません。むしろ不安が増えてしまうことが多いです。
試験前に緊張してきたら、深呼吸をゆっくり数回。
「ここまでちゃんと準備してきたから大丈夫」と、自分に一言かけてあげてください。
周りの受験生がものすごくできそうに見えても、それはよくあることです。
試験が始まってしまえば、必要なのは 「自分と問題用紙だけの世界になること」 です。
他人と比べる時間を、1問でも多く落ち着いて考える時間に変えていきましょう!
まとめ

共通テスト直前期は、どうしても不安が大きくなる時期ですが、
やみくもに勉強量を増やすよりも、「やること」と「やらないこと」をはっきり決めること が大切です。
- 新しい参考書に手を出さず、これまでの教材を仕上げる
- 基本問題・頻出分野を中心に、落とさない力を固める
- 生活リズムと睡眠を整え、本番に合わせてコンディションを上げていく
- 前日・当日は“安心して試験会場に向かえる自分”をつくる
直前期の工夫は、劇的に点数を底上げするというより、「本来取れるはずの点数を、ちゃんと取りにいくための準備」 です。
ここまで頑張ってきた時間は、決して無駄にはなりません。
残りの期間は、自分の勉強を信じて、やるべきことを一つずつ丁寧に仕上げていきましょう!
みなさんが志望校に合格することを祈っています!