数学で偏差値65〜70を目指すには、勉強量よりも「考え方の質」が問われます。
標準問題を確実に得点し、応用問題でどこまで粘れるか――この積み重ねが上位10%への分かれ道です。
今回は、『偏差値65~70を狙う数学の勉強法』を紹介します!
この記事では、基礎の仕上げ方から難問へのアプローチ、本番の得点戦略までを整理して解説します。
努力を結果につなげたい中学生にとって、数学の勉強を“戦略的に進める”ための指針になるはずです。
1. 偏差値65〜70の位置づけと目指すために重要なこと

偏差値65〜70は、全体の上位10%前後にあたる高い水準です。
このレベルに達する生徒は、基礎が非常に安定しており、どんな問題にも落ち着いて対応できる力を持っています。
目指すうえで大切なのは、次の3点です。
- 基礎を完璧に固める — 計算や定理の使い方を自信をもって再現できる状態にする。
- 思考力を磨く — 解法を覚えるのではなく、「なぜそうなるのか」を考える習慣をつける。
- 得点力を意識する — 難問にこだわらず、確実に点を取る問題から取り切る姿勢を持つ。
偏差値65〜70を目指す勉強は、「努力量」よりも「努力の質」で決まります。
問題を“数多く解く”段階から、“一問を深く理解する”段階へ学習の精度を上げていくことが、上位層への最短ルートです。
2. 偏差値65〜70を目指す数学の勉強法

偏差値65〜70を目指す段階では、「量より質」を意識した学習が欠かせません。
問題数をこなすだけではなく、一問一問を深く理解し、自分の思考力で解くことが求められます。
どれも特別な才能を必要とするものではなく、「考え方を変える」ことから始められる方法です。
2-1. 標準問題を完璧に仕上げる
最初のステップは、標準問題を一問も落とさないことです。
偏差値65を超える受験生の多くは、難問を解く前に、標準問題を完璧に仕上げています。
- 教科書・標準レベルの問題を時間を測って解く
- 途中式を丁寧に書き、計算ミスを防ぐ
- 正解でも「なぜそうなるのか」を言葉で説明できるようにする
標準問題を確実に取る力は、上位層に共通する土台です。
“考えなくても自然に手が動く”レベルまで仕上げることで、応用や難問に向ける思考の余裕が生まれます。
シンプルな問題を疎かにせず、「正確さ」と「再現性」を徹底しましょう。
2-2. 難問・発展問題の考え方を身につける
偏差値65〜70の壁を越える鍵は、難問に対する向き合い方にあります。
この段階では、「正解を出すこと」よりも「考え方を理解すること」に価値があります。
- まずは解説を読み、発想の流れを理解する
- 「自分ならどう着想できたか」を考え直す
- 数日後にもう一度、解説を見ずに再挑戦する
難問を解く力は、一朝一夕では身につきません。
重要なのは、「なぜその式を立てたのか」「どの段階で解法を見抜いたのか」という“思考のプロセス”を理解することです。
解けなかった問題も、自分なりに再現できるようになるまで何度も挑戦しましょう。
2-3. 思考力・論理力を鍛える練習法
上位層の生徒は、公式やパターンに頼るだけでなく、自分の頭で筋道を立てて考える力を持っています。
それは特別な才能ではなく、日々の学習の中で鍛えられるスキルです。
- 解いた問題の“別解”を探してみる
- 図や表を自分の手で描き、条件を整理する
- 「この問題を友人に説明するならどう話すか」を考える
自分で整理し、人に説明できるようになると、知識は“記憶”から“理解”へと変わります。
論理的に考える力が身につくと、未知の問題にも落ち着いて対応できるようになります。
難関校が求めているのは、まさにこの「考える力」です。
2-4. 模試・過去問で得点力を磨く
偏差値65〜70を狙う受験生にとって、模試や過去問は単なる実力テストではありません。
それは、得点戦略を磨くためのシミュレーションの場です。
- 「解ける問題から着手する」順番を練習する
- 難問では途中式まで書いて部分点を狙う
- 復習では、ミスを「知識不足」「計算ミス」「時間配分」に分類する
上位層ほど、「解ける問題を確実に得点する」ことに集中しています。
満点を狙うより、合格点を確実に超える戦略を持つことが大切です。
模試を受けたら“復習ノート”を作り、失点の原因を分析・修正していきましょう。
2-5. 本番で力を出し切るための習慣
最後に、どれほど実力をつけても、本番で焦ってミスをすれば得点にはつながりません。
偏差値65〜70を安定させるためには、平常心で力を発揮する習慣を作ることが欠かせません。
- 模試のたびに「時間配分」と「解く順番」を意識して練習する
- 焦ったときは一度ペンを置いて、深呼吸してから再開する
- 試験前日からの生活リズムを整え、“いつも通り”で挑む
安定して高得点を取る人は、実力だけでなく、メンタルの整え方が上手です。
「難問は誰も完璧に解けない」と知っているからこそ、落ち着いて取るべき問題を取り切れます。
本番に強い人ほど、日常の練習で“自分のリズム”を身につけています。
偏差値65〜70は、単なる“勉強量”では到達できません。解法を理解し、考え方を磨き、そして試験本番で力を出し切るのがポイントです。
3. 成績に伸び悩んだときのポイント

どれだけ努力を続けていても、「最近あまり伸びていないかも」と感じる時期は必ずあります。
それは勉強が停滞しているのではなく、実力が次の段階に移る前の期間です。
この時期にやるべきことは、焦ることではなく、自分の勉強を冷静に見直すこと。小さな軌道修正で、再び成果は動き出します。
3-1. 基本知識が抜けていないか確認をする
伸び悩みの原因の多くは、思いもよらない“基礎の抜け”です。
難しい問題を追ううちに、計算の手順や公式の意味など、基礎的な部分があいまいになっていることがあります。
- 分配法則や平方完成の形をうろ覚えのままにしていないか
- 方程式の移項や分数計算でミスを繰り返していないか
- 教科書の基本例題をすぐに解ける状態か
これらを一つずつ確認するだけでも、思考が整理されて解きやすくなります。
一度身につけた内容でも、時間がたつと忘れるのは自然なこと。
10分だけでも“基礎の点検タイム”を作ってみましょう。
3-2. やるべきことをしっかりとやっているか(難しい問題を解いてやった気になっていないか)

「難問を解けば力がつく」と思い込み、応用問題ばかり解いてしまう人も少なくありません。
しかし、偏差値を上げるために最も効果的なのは、標準問題を確実に得点できるようにすることです。
模試や過去問を見直してみてください。正答率の高い問題を落としていないでしょうか。
基本問題を確実に取る力がなければ、難問演習の効果も半減します。
勉強のバランスを見直すなら、
- 標準レベル:6〜7割
- 難問レベル:3〜4割
このくらいの割合を目安にすると良いでしょう。
「やるべきことを着実に積み上げる」、その姿勢こそ、上位の勉強の特徴です。
3-3. 解けなかった問題は解けるようになるまで解く

「一度解いたから終わり」では、力は定着しません。
むしろ、解けなかった問題をどれだけ味わえるかが成績の分かれ道です。
最初は解説を読んで理解し、その後は自分の手で再現してみましょう。
1日後、3日後、1週間後と、少し間を空けて同じ問題に再挑戦すると、記憶が確実に定着します。
同じ問題でミスを減らせるようになったとき、それは「知識が使える力に変わった瞬間」です。
この習慣を続けるだけで、次第に“解ける問題”が確実に増えていきます。
3-4. 学校や塾の先生に聞く・映像授業を観る
どれだけ努力しても、どうしても理解できない問題に出会うことはあります。
そんなときは、自分だけで抱え込まずに他者の視点を借りることが大切です。
学校や塾の先生に質問すれば、自分では気づけなかった考え方を教えてもらえることがあります。
また、映像授業で別の講師の説明を聞くと、「なるほど、そういう見方もあるのか」と視野が広がることもあります。
ただし、ここで終わらせず、学んだ直後に同じ問題を自分で解き直しましょう。理解した内容を自分の手で再現できるようになってこそ、本当の力になります。
『映像授業を使った勉強法』について↓
まとめ

偏差値65〜70を目指すために必要なのは、才能ではなく“正しい努力”です。
基礎を確実に固め、考える力を磨き、そして本番で落ち着いて力を出し切る――。
その積み重ねこそが、上位層へと続く道をつくります。
成果がすぐに出ない時期もありますが、粘り強く取り組んでいけば、確実に力は伸びていきます。
大切なのは、「なぜ間違えたか」「どうすれば次に解けるか」を考え続ける姿勢です。
一問一問と真剣に向き合うあなたの努力は、必ず結果に変わります。
焦らず、自分のペースで、確かな一歩を積み重ねていきましょう。