【保存版】業界研究のやり方とコツを就活生向けにわかりやすく解説

志望動機がうまく書けない、企業の違いがわからない――そういった悩みの背景には、業界に対する理解不足があることが少なくありません。

今回は『就活生向けの業界研究のやり方とコツ』を紹介します!

就職活動を始めるにあたって、まず取り組んでおきたいのが「業界研究」です。

業界研究は、世の中にどのような業界が存在し、それぞれがどのような役割を果たしているのかを知ることから始まります。その過程で、自分が関心を持てる分野や、将来どのように働いていきたいかといった就活の軸も少しずつ明確になっていきます。

この記事では、業界研究の意義や進め方を、就活をこれから本格化させる大学生・大学院生向けに丁寧に解説します。迷いの多い就職活動だからこそ、基礎を固める一歩として、業界研究を進めていきましょう!

第1章:業界研究とは?なぜ必要?:就活のスタートは「業界を知ること」から

就職活動を始めたばかりの多くの学生がまずぶつかるのが、「そもそも自分はどんな業界に向いているのか分からない」という悩みです。
エントリーシートを書こうとしても、「志望動機が思いつかない」「会社の違いが分からない」という壁に直面しがちです。

そこで最初にやるべきなのが「業界研究」。
業界研究とは、社会に存在するさまざまな業界の特徴や仕事内容、市場の動向などを調べ、自分との相性を考える作業のことです。

①「自分に合う仕事」がわかる

就活は「自分がどんな仕事をしたいか」「どんな働き方をしたいか」を考える場でもあります。
業界研究をすることで、たとえば以下のようなことがわかります。

自分は人と話す仕事がしたいのか、黙々と作業する仕事がしたいのか
安定した環境で働きたいのか、挑戦のある環境で成長したいのか
民間企業が合うのか、公的機関が向いているのか

このように、自分の価値観や強み・弱みと照らし合わせて、どの業界がフィットしそうかを判断できます。

② 企業研究やES・面接に役立つ

業界研究は、企業研究の“前提知識”でもあります。
たとえば同じ「IT業界」でも、Webサービス企業とSIerでは、仕事の内容や働き方が大きく異なります。

業界構造やその中の企業の立ち位置が分かっていないと、志望動機が浅くなり、「この学生は業界をよく理解していない」と思われてしまうこともあります。

逆に、業界への理解があると、以下のような深みのある志望動機が書けます。

「IT業界の中でも、御社はWebサービスを自社開発している点に魅力を感じました。他社が受託開発中心の中、ユーザーに直接価値を届ける働き方ができると感じたからです。」

③ 業界ごとの将来性や安定性を知ることができる

社会の変化が激しい今、業界によっては成長している分野、逆に縮小傾向にある分野もあります。
業界研究をすることで、どんな業界が今注目されているか、どんな課題があるかも見えてきます。

  • IT業界:技術革新が早く、人手不足が続く成長業界
  • 旅行業界:コロナ後の回復途上にあり、柔軟な経営力が問われる
  • 医療・介護業界:高齢化により需要増だが、人材確保が課題

こうした将来性を知ることで、自分のキャリアをより長期的に考えることができるのです。

第2章:業界研究はどう進める?就活のスタートに役立つ方法

業界研究は、「就活を始めよう」と思ったときにまず取り組むべき、大切なプロセスです。
業界研究を無理なく、効率よく進めるための5つのステップを、就活初心者の方にもわかりやすく紹介します。

Step 1:世の中の業界全体を把握する

まず最初にやるべきことは、「世の中にはどのような業界が存在しているのか」をざっくりと把握することです。就活を意識するまで、私たちは意外と“業界”という視点で社会を見ることが少ないものです。

たとえば、「メーカー」「IT」「金融」「インフラ」「マスコミ」「広告」「小売」「医療・福祉」「教育」「建設」「不動産」など、社会を構成する業界は多岐にわたります。そしてその中にもさらに細かい分類があり、役割や構造も異なります。

この段階では、あまり深く考え込まず、「こんな業界があるんだ」と広く知ることを目指しましょう。
マイナビ・リクナビといった就職サイトの業界一覧ページや、「業界地図」といった就活本を使えば、視覚的にわかりやすく業界全体を把握できます。

  • 就職四季報の「業界地図」:各業界の構造、主要企業、トレンドが一目でわかる人気の定番本
  • マイナビ・リクナビの業界別ページ:「業界研究ガイド」など、学生向けにわかりやすく整理されています
  • 日経業界地図(日本経済新聞社):経済動向や企業のつながりを視覚的に学べる、ややレベル高めの資料

また、新聞の経済面やビジネス誌を読む習慣があると、業界ごとのニュースに敏感になり、情報のつながりも見えてきます。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ慣れていけば大丈夫です。

Step 2:気になる業界を2〜3つ選んでみる

業界の全体像がなんとなく掴めてきたら、「少し気になる」と感じた業界を2〜3個選んでみましょう。

この時点では、「なぜその業界が気になるのか」が明確でなくても構いません。業界のイメージや、学生時代に触れたテーマとの関連、有名企業への関心など、どんなきっかけでも大丈夫です。

大切なのは、“気になる”という感覚を大切にすること。最初は直感でも問題ありません。あとから詳しく調べる中で、その関心が本物なのか、他の業界との違いは何かが、徐々に見えてきます。

Step 3:選んだ業界の「構造」や「中身」を調べる

次にやるべきことは、選んだ業界についてより深く知ることです。

たとえば「IT業界」とひとくちに言っても、自社サービスを開発している企業、受託開発を行うSIer、インフラを支える通信事業者など、その中身は多様です。実際の仕事の内容、クライアントとの関係性、ビジネスモデルなどを見ていくと、「同じ業界でも企業によってこんなに違うんだ」と実感するでしょう。

業界の中身や構造はどのように知れば良いのか、調べ方を紹介します。

  • 業界地図や業界本を読む
  • 業界のバリューチェーンを調べる
  • 企業のホームページやIR資料をチェックする
  • ニュース・業界誌・YouTubeなどで知る

① 業界地図や業界本を読む

もっとも手軽で効率的なのが、「業界地図」や「業界本」を読むことです。とくに就活生に人気なのは以下のような資料です。

  • 日経業界地図(日本経済新聞社):業界ごとの構造図、代表企業、勢力図などが視覚的にまとまっており、全体像が一目で把握できます。
  • マイナビ・リクナビの業界図鑑・業界研究ページ:Webで無料で読める上に、就活生向けにかみ砕かれているため、はじめてでも分かりやすいのが特徴です。
  • 四季報 業界地図(東洋経済新報社):掲載企業が多く、動向やランキングも詳しいので、志望業界が固まっている人には特におすすめです。

こうした資料には、業界の主なプレイヤー(企業)がどこに位置しているのか、業界の上下関係、最近のトレンドなどがまとまっており、最初のインプットに最適です。

② 業界の“バリューチェーン”を調べる

「バリューチェーン」とは、製品やサービスがユーザーの手に届くまでの“流れ”のことです。
たとえば、食品業界なら以下のような流れがあります。

原料の生産 → 加工 → 流通 → 小売 → 消費者

この流れの中で、企業によってどこに強みがあるかが異なります。
たとえば、加工に特化している企業もあれば、全国に小売網を展開している企業もあります。

業界のバリューチェーンを理解すると、「自分がどのフェーズの仕事に関わりたいのか」「どんな立場で価値を生み出したいのか」が明確になります。

③ 企業のホームページや資料をチェックする

興味のある業界に属する複数の企業の公式サイトを見比べるのも有効です。
たとえば、同じ「IT業界」の企業でも、A社は自社でサービスを開発していて、B社は他社から依頼されたシステムを受託開発しているかもしれません。

「会社概要」や「事業内容」を見ると、企業のポジションが分かる
「IR情報(投資家向け情報)」を見ると、事業の売上比率や成長分野が分かる

大手企業であれば、事業セグメントごとの説明や、将来戦略の方針などもIR資料に詳しく載っています。企業研究と合わせて業界全体の構造を把握するのに役立ちます。

④ ニュース・業界誌・YouTubeなどで「現場の声」に触れる

最近では、YouTubeで「業界の裏側」や「現場社員のインタビュー」などを見ることもできます。特にテレビや雑誌で特集された業界の紹介番組は、仕事内容や雰囲気がリアルに伝わってきます。

また、「業界紙(業界専門誌)」を読むと、その業界の専門的な話題や課題が見えてきます。IT業界なら『日経クロステック』、広告業界なら『宣伝会議』、金融業界なら『日経ヴェリタス』など、業界ごとの媒体が存在します。

ちょっと難しいと感じる場合は、日経新聞のWeb版やYahoo!ニュースで「業界名+ニュース」で検索するだけでも十分です。

「この会社は業界の中でも△△に強みを持っている」「同じ業界でも働き方や事業の進め方が違う」
そういった視点を持てるようになると、就活の精度が一気に上がります。

Step 4:業界の現状と将来性に注目する

業界を選ぶうえで欠かせない視点が、「その業界は今どんな状況にあり、これからどうなっていくのか」という点です。

たとえば、高齢化が進む中で拡大している医療・介護分野、デジタル化が追い風となっているIT業界、逆に需要が減少しつつある業界や、再編が進む分野もあります。

各業界が抱えている課題や成長分野を知ることで、志望動機にも説得力が生まれますし、「この業界で自分がどんな価値を出せそうか」といった視点も持ちやすくなります。

新聞や業界誌、各企業のIR情報、業界団体のレポートなどを通じて、社会との接点やトレンドも押さえておくとよいでしょう。

Step 5:複数の業界を比較しながら、自分の軸を探す

ある程度業界を見てきたら、それぞれを比べてみましょう。

働き方、企業規模、仕事のスピード感、社会貢献性、報酬、安定性など、どのポイントを重視するかは人それぞれです。いくつかの視点で比較してみると、自分がどんな価値観を大切にしているのか、どんな環境で力を発揮できそうかが見えてきます。

「どれも魅力的で決めきれない」と感じたとしても問題ありません。むしろ、それは業界研究がしっかりできている証拠です。気になる業界を残しておいて、企業研究を進めながら最終的に判断していく、という進め方も十分アリです。

コラム:業界と職種の違い

就活ではよく「業界」と「職種」という言葉が出てきますが、これは似ているようで違います。

  • 業界:企業が属する「分野」例)自動車業界、金融業界、広告業界 など
  • 職種:企業の中での「仕事の種類」例)営業職、技術職、企画職、事務職 など

たとえば「メーカー(製造業)」という業界の中にも、営業・人事・開発・設計・広報など多くの職種があります。
まずは「どの業界に興味があるか」を明確にしたうえで、次に「どんな職種に向いているか」を考えると、整理しやすくなります。

まとめ:業界研究は、就活の“地図づくり”

今回は『業界研究のやり方とコツ』を紹介しました。

業界研究は、「どの方向に進むか」を決めるための地図を描くようなものです。
焦らず、柔軟な視点を持ちながら、自分の可能性を広げていきましょう。

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