「玉手箱って?」「SPIとは違うの?」
就活準備を進めていると、エントリーの途中で突然現れる謎の言葉。それが「玉手箱」です。
今回は『就活における玉手箱の対策や勉強法』について紹介します。
玉手箱は、総合商社や大手金融、人気メーカーなどでよく使われているWebテスト(適性検査)のひとつ。SPIと並ぶ有名な試験ですが、問題形式や制限時間がまったく異なるため、対策せずに受けてしまうと太刀打ちできずに終わる…というケースも少なくありません。
この記事では、玉手箱で出題される問題の種類・SPIとの違い・効果的な勉強法・受かるためのポイントまでを、初めての方にもわかりやすく丁寧に解説しています。
「テストで落とされて面接にすら進めない…」なんてことがないよう、今のうちにしっかり対策しましょう!
1.玉手箱とは?就活での位置づけ

玉手箱とは、日本SHL社が提供する適性検査で、正式名称は「Webテスティングサービス」です。
就職活動で使われる「Webテスト(適性検査)」の一種で、主に総合商社やメガバンク、証券会社、大手メーカーなどで導入されています。SPIと並んでよく使われる形式ですが、出題内容や時間配分に特徴があり、対策方法も異なります。
出題科目は、言語(長文読解)・計数(四則逆算や表の読み取りなど)・英語(英文読解)・性格検査があり、企業によって出題される形式や科目が変わります。最大の特徴は、1問ごとの制限時間が非常に短く、スピード勝負の試験であることです。
玉手箱の対策では、まずは自分が受ける企業の出題形式を調べることが重要です。そのうえで、市販の玉手箱専用問題集やアプリを使い、形式に慣れ、時間内に解く練習を繰り返すことが合格への近道となります。
『SPIの対策や勉強方法』についてはこちら↓
2.出題科目と形式|玉手箱で問われる力
玉手箱の能力検査は、大きく分けて「言語(国語)」「計数(数学)」「英語」の3つの科目があります。さらに企業によって問題のパターンや出題の有無が異なるため、受ける企業の形式を事前に調べておくことが非常に重要です。
言語(国語)分野:長文を素早く読み、的確に答える力
言語分野では、いわゆる長文読解の問題が中心です。出題される文章は、ビジネス書や新書のような少し硬めの文章が多く、数百文字〜千文字程度の読みごたえのある文が出題されます。その上で、「この文章の主張として最も適切なのはどれか?」「次の記述は、本文の内容と一致しているか?」といった設問に答えていきます。
ここで厄介なのは、読解の難しさではなく「時間のなさ」です。
通常の読解問題とは異なり、1問にかけられる時間は非常に限られており、全文を丁寧に読んでいる時間はありません。そのため、
- 最初の段落と最後の段落で「主張」をつかむ
- 接続語や指示語(しかし・つまり・このように)を手がかりに文章構造を追う
- 各設問ごとに該当部分をピンポイントで探しにいく
「速く、そして正確に要点を読む力」が問われます。慣れで身につく部分も大きいので、練習問題を繰り返すことで解答スピードと精度を高めていきましょう。
計数(数学)分野:情報を読み、計算し、判断する力

計数分野では、いくつかの代表的な出題パターンがあります。企業によってどのタイプが出題されるかが異なるため、できれば受験前にその企業の形式を調べておきましょう。
代表的な出題形式は「四則逆算」「表の読み取り」「図表の空欄補充」などです。
① 四則逆算
与えられた数式の一部が空欄になっており、「?」に当てはまる数値を計算で導き出す問題です。
例えば、「20 ÷ (? + 4) = 2」といったような式から、?の値を求めます。
一見単純に見えますが、時間との戦いの中では計算ミスや焦りが命取りになります。
② 表の読み取り
表やグラフに示されたデータをもとに、平均・増減・比率などを計算して答える問題です。
情報が複雑で設問の数も多いため、「必要な情報をいかに素早く見つけて処理できるか」がカギになります。
③ 図表の空欄補充
表の一部が空欄になっていて、その数値をルールや規則性から推測して補完する問題です。
いわば“パズルのような問題”であり、単純な計算力に加えて、法則性を見抜く直感的な思考力も必要になります。
このように、計数問題はどれも瞬時の判断が求められ、とにかく時間が足りなくなるのが特徴です。
全問正解を目指すのではなく「取れる問題を確実に取る」「時間がかかりそうな問題は思い切って飛ばす」「計算ミスを防ぐためにケアレスミス対策も徹底する」といった戦略的な対応が重要です。
英語分野|基本的な読解力が求められる(出題企業は限定的)

英語の問題が出題される企業はそれほど多くはありませんが、一部の外資系企業や商社などでは導入されています。
出題形式は英文読解が中心で、150〜300語程度のビジネス文や説明文を読み、内容の正誤や趣旨に関する設問に答えるというものです。
特別に高度な英語力が求められるわけではありませんが、TOEIC600〜700点程度の基礎力があれば対応できるレベルです。
英語が苦手な人は、無理にすべて解こうとせず、出題があるかどうかを事前に調べることが何より大切です。
性格検査:自分をどう見せるかではなく、正直に答えることが大切
玉手箱では、能力検査とあわせて性格検査も実施されるのが一般的です。
これは、「私はリーダーシップを発揮する方だ」「新しい環境でもすぐに馴染める」などの文に対して、自分の性格にどれだけ当てはまるかを5段階で回答するという形式です。
性格検査は一見軽く見られがちですが、回答に一貫性があるか、企業が求める人物像と合っているかを見られることもあるため、意外と選考に影響します。
嘘の回答を続けると、「矛盾が多い」と判断されるリスクもあります。
企業は“完璧な人間”を求めているわけではないので、正直に、ありのままの自分を表現することが最も安全かつ効果的です。
3.玉手箱の対策と勉強方法|市販の問題集やアプリを活用する

玉手箱は、出題形式に特徴があり、かつ時間制限が非常に厳しいため、「慣れ」と「時間感覚」が何より重要です。そのため、対策の基本は「とにかく実際に解いてみること」。頭で理解するだけではなく、手を動かして、問題に触れる時間を増やすことが合格への近道です。
① まずは出題形式を調べる
玉手箱は企業によって出題内容が異なるため、最初にやるべきことは「その企業がどんな問題を出すのか」を調べることです。
- 「みん就」や「ワンキャリア」などの就活情報サイト
- 過去に受けた先輩のES・選考体験談
- 書籍や問題集の企業別データ
たとえば、「〇〇商事は表の読み取りと長文読解」「△△銀行は逆算と図表補充」といった情報を事前に掴んでおけば、無駄のない対策が可能になります。
② 市販の問題集で本格的に練習する
最もスタンダードで信頼できる勉強法は、玉手箱専用の市販問題集を使って対策することです。
書店やネットで販売されている「玉手箱対策本」は、最新の出題傾向を反映しており、実際の問題形式とかなり近い問題が掲載されています。
おすすめのシリーズは『これが本当のWebテストだ!』『2027最新版 史上最強 玉手箱&C-GAB超実戦問題集』などです。
いずれも分野別(言語・計数など)に分かれていて、解説も丁寧なので、初めて取り組む人でも安心して学べます。


問題集を活用する際は、単に問題を解くだけでなく、
- 制限時間を意識して本番さながらに取り組む
- 解説を読んで「どう考えれば速く解けるか」を分析する
- 苦手な形式は繰り返し解いて慣れる
というやり方で取り組むことで、着実に実力がついていきます。
③ アプリでスキマ時間に反復練習

忙しい就活の合間でも勉強を続けたいという人には、スマホアプリでの学習も非常におすすめです。通学時間や待ち時間などのスキマ時間を使って、効率的に玉手箱の問題に慣れることができます。
短時間で1問ずつ解けるモードや、タイマー付きで解答スピードを測れる機能が搭載されています。
アプリの最大のメリットは、気軽に何度も繰り返せることです。1日5分からでもいいので、毎日触れることで、自然と出題形式や問題パターンに慣れていきます。
4.玉手箱を乗り越えるための5つのポイント
玉手箱は、学力や知識そのものよりも、「時間に対する対応力」や「出題形式への慣れ」が合否を左右する試験です。特別な能力が必要なわけではありませんが、しっかり準備しておくかどうかで結果に大きな差がつきます。
① 解ける問題に集中し、無理に全問を追わない
玉手箱では、すべての問題を丁寧に解く時間はありません。1問にかけられる時間は非常に短く、悩んでいるうちに終わってしまうことも珍しくありません。
重要なのは、「得点できる問題を見極めて、確実に取ること」です。難しそうな問題に出会ったら、深追いせず、スキップして次に進む判断が求められます。玉手箱においては、完璧主義よりも戦略的な割り切りが得点力を高める鍵になります。
② 時間感覚を鍛え、本番を意識した練習を重ねる
玉手箱の最大の難関は、時間です。いくら正確に解ける力があっても、時間内に解けなければ意味がありません。日々の演習では、ただ解くのではなく、必ず制限時間を設定して取り組む習慣を持ちましょう。
タイマーやストップウォッチを使って問題を解くことで、自然と「この形式は○秒以内に解く」といった時間感覚が身についていきます。これは、どれだけ解説を読んでも得られない、実践を通じてしか育たないスキルです。
③ 集中できる環境を整え、試験に臨む姿勢をつくる
玉手箱はWebテスト形式が中心で、多くの場合は自宅で受験します。リラックスできる反面、自分で集中できる環境を整える責任も求められます。
受験中は、スマートフォンの通知や周囲の物音が集中を妨げる要因になります。静かな部屋で、スマホはオフ、必要な文具や時計は事前に準備しておくなど、“試験モード”に切り替えるための工夫が必要です。企業によっては、カメラやマイクを通して受験状況を監視している場合もあります。正しい姿勢で臨みましょう。
④ 出題形式ごとの「型」に慣れ、再現性を高める

玉手箱では、出題形式にある程度パターンがあります。初めて見ると戸惑う問題も、繰り返し解いていくことで「このタイプの問題はこう解く」という型が見えてきます。
たとえば、四則逆算では式の構造に注目してスムーズに移項する力が求められますし、表の読み取り問題では、表全体を読もうとせず、必要な情報だけを選んで見るトレーニングが有効です。長文読解では、冒頭と結論の段落に注目することで、効率よく主旨を把握できます。
◀︎苦手に感じる分野こそ、「型」による反復練習で得意分野に変わっていきます。
⑤ 模試形式で通して解き、全体の流れを体に覚えさせる
個別の形式に慣れてきたら、次は模試形式で全体を通して解いてみる練習が効果的です。玉手箱では、複数の科目(言語、計数、場合によっては英語)を連続して解くケースも多く、集中力の持続や時間の使い方が問われます。
事前に一度でも本番に近い状況を経験しておくことで、「思ったより時間が足りない」「この形式に時間をかけすぎた」などの気づきが得られ、本番のパフォーマンス向上につながります。
玉手箱を多く採用している企業
玉手箱は、特定の業界や企業で頻繁に使用されるWebテスト形式です。とくに倍率の高い大手企業や、選考フローにおいて大量の応募者をふるいにかける必要がある企業でよく導入されています。
ここでは、玉手箱が使われやすい業界と、実際に採用実績のある企業を紹介します。志望企業で玉手箱が出るかどうかを事前に把握しておくことで、効率的な対策が可能になります。
(※正確な情報については、企業情報を参考にしてください)
- 総合商社(例:三井物産、伊藤忠商事、三菱商事)
- メガバンク(例:三菱UFJ銀行、みずほ銀行)
- 証券会社・損保・生保などの金融機関
- 大手メーカー(例:資生堂、パナソニック、花王)
- 一部の外資系企業や大手IT企業
玉手箱は、特に「知的処理能力」「スピード」「情報整理力」を重視する企業で採用されている傾向があり、エントリー数の多い企業で効率的に合否をふるい分ける手段として重宝されています。
5.玉手箱に関するよくある質問(Q&A)

玉手箱は就活で頻出するWebテストですが、SPIとは形式が異なるため、最初は戸惑う人も多いかもしれません。ここでは、実際に学生からよく聞かれる疑問にお答えします。受験前に感じやすい不安を解消し、安心して本番に臨めるようにしましょう。
Q1. SPIとの違いは?同じ対策方法で大丈夫?
SPIと玉手箱は、どちらも就活で使われる適性検査ですが、出題形式や試験の目的が大きく異なります。SPIは比較的オーソドックスな問題が多く、問題数も少なめ。一方で玉手箱は、時間が非常に厳しく、企業ごとに形式が異なるため、同じ感覚で受けると「全然できなかった…」と感じる人も少なくありません。
SPI対策で身につく基礎力は役に立ちますが、玉手箱には専用の形式とスピード感に慣れる必要があります。できれば玉手箱用の問題集やアプリで、形式に特化した練習をすることがおすすめです。
Q2. 玉手箱は何割くらい正解すれば通過できますか?
企業によって基準は異なりますが、6〜7割程度の得点が合格ラインとされることが多いです。ただし、玉手箱は足切りの目的で使われるため、他の受験者との相対評価になる場合もあります。特に倍率の高い企業では、より高い得点が求められる可能性があります。
Q3. 時間が足りなくて最後まで解けません。
問題ありません。玉手箱は、全問を解ききれなくても通過できるテストです。むしろ、難しい問題に時間をかけて簡単な問題を落としてしまう方がリスクになります。得点できる問題を確実に拾うという意識で、時間を上手に使いましょう。
Q4. 玉手箱の問題は企業ごとに違いますか?
はい、企業ごとに出題される科目や形式が異なります。同じ玉手箱という名称でも、ある企業では「四則逆算」が出題され、別の企業では「表の読み取り」が中心、というように内容が変わります。受験する企業がどの形式を採用しているかを事前に調べておくことが重要です。
Q5. 自宅で受験する場合、カンニングできるのでは?
いいえ。企業によっては、Webカメラやマイクを通じて受験の様子を確認している場合があります。不自然な行動や不正が疑われると、選考から除外されるリスクもあるため、安心して選考に進むためにも、ルールを守って受験しましょう。
Q6. SPIの勉強だけでは足りませんか?
SPIで身につく計算力や読解力は、玉手箱にも活かせますが、形式が異なるため、SPI対策だけでは不十分です。玉手箱特有のスピード感や設問形式に対応するには、やはり専用の問題集やアプリを使った練習が効果的です。SPIとは別物と考え、準備しましょう。
Q7. 対策はどのくらい前から始めればいいですか?
目安としては、1〜2週間前からの対策でも十分間に合います。ただ、出題形式に慣れるためには、毎日少しずつでも問題に触れることが大切です。時間があまりない場合は、志望企業で出やすい形式に絞って集中的に対策するのも有効です。
まとめ

今回は『玉手箱の対策や勉強方法』について紹介しました。
玉手箱は、特別な知識やひらめきよりも、形式への理解と、時間内に対応する力が問われるWebテストです。問題のパターンを知り、繰り返し練習することで、誰でも着実に突破できる力を身につけることができます。
市販の問題集やアプリを使って、少しずつでも毎日対策を続けて点数を取れるようにしましょう!
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