自然の中にある「フィボナッチ数列」をわかりやすく解説します!-面白くて楽しい数学

みなさん、ひまわりの花を見たことはありますか?

ひまわりの中心にあるたくさんの種や、松ぼっくりのうろこ、巻貝のぐるぐるした形…。

実は、自然の中には「フィボナッチ数列」という不思議なルールが隠れているんです!

今回は『自然の中で見られるフィボナッチ数列』について紹介します。

どうして自然はこのルールを使っているのでしょうか?

自然の中にあるフィボナッチ数列の例を、小学生や中学生にもわかるように、やさしく解説しました。

算数や数学が苦手…という人も楽しく読みやすいように書きました。あまり固く捉えず、楽しみながら読んでもらえたら嬉しいです。

 
はな
「自然が作り出す不思議な法則」を一緒に見てみましょう!

フィボナッチ数列ってどういうもの?

まず「フィボナッチ数列って何だろう?」というところから一緒に考えてみましょう。

あまり難しく考えなくて大丈夫です。

フィボナッチ数列

0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89…

 
はな
このような数の並びを「フィボナッチ数列」と呼びます。

すこし難しく説明をすると、

  1. 最初の数は「0」、次が「1」
  2. その次からは、直前の2つの数を足して次の数を作る

たとえば、最初が「0」と「1」だから、次の数はこの2つを足して「1」になります。次は「1」と「1」を足して「2」、その次は「1」と「2」を足して「3」、というようにどんどん続いていきます。

自然界の中にはフィボナッチ数列がたくさんある!

私たちが身の回りで見ている自然、たとえば植物や動物の体には、実はこのフィボナッチ数列が「隠れている」ことがあるんです。

「自然界にはフィボナッチ数列が現れる」と聞くと、「どうして?」「どんな形で?」と思うかもしれませんね。

それでは、いくつか具体的な例を見ながら、フィボナッチ数列がどうやって自然の中に現れているのか見ていきましょう。

1. 植物の葉っぱの配置(フィロタクシス)

まずは、植物の葉っぱの付き方についてです。

植物の葉っぱが茎にくっついている様子をじっくり見たことはありますか?

実は、植物の葉っぱは茎の周りをぐるぐると回りながら、少しずつずれて並んでいることが多いんです。

この並び方には、「フィボナッチ数列」が隠れています。

なぜ葉っぱはこんなふうに並んでいるのでしょうか?

植物にとって、葉っぱはとても大事な役割を持っています。

葉っぱは太陽の光を浴びて、光合成をして栄養を作り出しているからですね。

でも、もし葉っぱが重なっていたら、下の葉っぱには光があまり届かなくなってしまいます。

そこで、植物は葉っぱが重ならないように「少しずつずらして並べる」という工夫をしています。

 
はな
この「ずらし」の角度は「黄金角」と呼ばれていて、約137.5度です。

この角度でずらしていくと、どの葉っぱもまんべんなく太陽の光を浴びられるようになります。

 
博士
黄金角で葉っぱが並ぶと、植物が光をしっかりと受け取れるようになり、効率よく成長できるんです。

2. ひまわりの種の並び方

次に、「ひまわりの花の中心」を思い出してみましょう。

ひまわりの中心には、小さな種がびっしりと詰まっていますよね。この種の並び方にもフィボナッチ数列が関係しているんです。

ひまわりの種は、花の中心から外側に向かって、ぐるぐると渦巻き(うずまき)の形で並んでいます。

さらに、よく見ると右回りの渦と左回りの渦が交わっているのがわかります。

このとき、右回りと左回りの渦の数を数えてみると、フィボナッチ数になっていることが多いんです。

たとえば、右回りの渦が21本で左回りの渦が34本といった具合です。

どうしてこんな風に並んでいるのか不思議ですね。

実は、ひまわりの種がこのようにらせん状に並ぶと、花の中心部分をできるだけ無駄なく使えるようになるんです。

もしもひまわりの種がまっすぐ並んでいたら、どうなるでしょうか?

きっと、ところどころで種同士が重なり合ったり、逆に空いてしまったりして、スペースをうまく使えないですよね。

 
博士
らせん状に並ぶと、びっしりときれいに詰まっていきます。

これによって、ひまわりは一度にたくさんの種をつけることができ、子孫を増やすチャンスが増えるんですね。

自然が編み出した「スペースを最大限に使う方法」と言えるでしょう。

3. 松ぼっくりの鱗片(りんぺん)の並び方

今度は、松ぼっくりを思い出してみましょう。

松ぼっくりの表面には、小さな「鱗片」(うろこ状の部分)がたくさんありますね。

この鱗片も、フィボナッチ数列に基づいた並び方をしています。

松ぼっくりの表面をよく見ると、鱗片が渦巻き状に並んでいます。

ひまわりと同じように、右回りと左回りの2方向の渦巻きができていて、それぞれの渦の数もフィボナッチ数になっていることが多いです。

 
はな
たとえば、右回りが8本、左回りが13本などです。

松ぼっくりがこのように渦巻きで並んでいることで、全体がとても丈夫な構造になります

風や雨に打たれても、松ぼっくりは簡単には壊れません。

自然の中で丈夫に生きていくために、松ぼっくりもこの並び方で自分の体を守っているんです。

4. 貝殻の形(巻貝のらせん)

最後に、「海辺で見かける巻貝(まきがい)」を想像してみましょう。

巻貝の殻は、中心から外側に向かって少しずつ大きくなりながら、ぐるぐると巻かれています。

実はこのときの巻き方がフィボナッチ数列をもとに広がっているんです。

つまり、内側の小さな巻きから外側の大きな巻きまで、フィボナッチ数列のように成長しているんです。

巻貝がフィボナッチ数列に従って少しずつ広がることで、殻全体がとても丈夫な形になります。

殻が壊れにくくなるので、貝は中に入って体を守ることができます。

フィボナッチ数列でできた巻き方のおかげで、貝は成長しても形を崩さずに、大きくなれるのです。

自然界でフィボナッチ数列が見られる理由

ここまでで見てきたように、フィボナッチ数列は植物の葉っぱや種の並び方、松ぼっくりの鱗片や貝殻の形など、さまざまな自然の中に現れます。

これには「効率よく」「無駄なく」という自然界の工夫が隠れています。

  • 効率よく光を受け取る:植物の葉っぱが黄金角で並ぶと、光をまんべんなく受け取れる。
  • スペースを無駄なく使う:ひまわりの種や松ぼっくりの鱗片は、フィボナッチ数列に基づいて渦巻きで並ぶことで、限られた場所にぎっしり詰められる。
  • 丈夫な形を作る:巻貝のようにフィボナッチ数列に従って成長すると、大きくなっても丈夫な形を保てる。

フィボナッチ数列は、数学の不思議だけでなく、自然の中でも活躍しています。

今度ひまわりや松ぼっくり、貝殻を見かけたら、ぜひ「フィボナッチ数列がここにあるのかな?」と思い出してみてくださいね。

 
はな
自然の中に隠れたフィボナッチ数列を見つけると、なんだかワクワクしてきますよ!

まとめ

フィボナッチ数列という数学の法則が、自然の中でこんなにたくさん使われているなんて驚きですよね!

自然はフィボナッチ数列をうまく活かして、効率的で美しい形を作り出しています。

ほかにも『楽しくて面白い話題』をたくさん紹介しています〜!

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