私たちが学校で学ぶ「運動の三法則」や「万有引力の法則」は、どのようにして生まれたのでしょうか。
今回はニュートンの著書『プリンキピア』について紹介します!
1687年、アイザック・ニュートンが著したプリンキピアは、自然界の運動を数学的に説明し、物理学の歴史を大きく変えました。
この一冊によって、惑星の運動からリンゴの落下まで、すべての現象が統一的な法則で記述できることが示されたのです。
この記事では、『プリンキピア』の内容から物理の重要な法則などをわかりやすく解説します。
1.『プリンキピア』の著者ニュートンについて
「アイザック・ニュートン(1642–1727)」は、物理学・数学・天文学に革命をもたらした天才科学者です。
彼はリンゴが落ちる現象から万有引力の法則を考え、微積分を発明し、運動の三法則を確立しました。
さらに、光の秘密を解き明かし、反射望遠鏡を発明するなど、多くの分野で驚異的な業績を残しました。
しかし、彼は内向的で、錬金術や神学にも没頭する一面も持っていました。
ニュートンについて詳しく知りたい人は『ニュートンの生涯とエピソード』についても書いています↓
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2.ニュートンの『プリンキピア』出版と歴史的背景

『プリンキピア』(Philosophiae Naturalis Principia Mathematica)は1687年にアイザック・ニュートンによって出版された、古典力学の基礎を確立した最も重要な科学書の一つです。
ニュートンは1660年代から万有引力のアイデアを考え始めていましたが、それを完全な形で数学的に証明しようとしたのは1670年代以降のことです。
当時、ヨハネス・ケプラーが惑星の運動に関する三つの法則を発見していましたが、それがなぜ成り立つのかの理論的根拠は不明のままでした。
1679年、ロバート・フックやエドモンド・ハレーとの書簡のやり取りを通じて、ニュートンは惑星の運動と万有引力の理論について本格的に研究を進めました。1684年、ハレーがニュートンを訪ねた際に「万有引力が距離の二乗に反比例すると仮定すると、惑星の軌道が楕円になることを証明できるか?」と尋ねたところ、
ニュートンは「すでに証明している」と答えました。
この結果に感銘を受けたハレーは、ニュートンに本格的な論文を書くよう勧め、『プリンキピア』の執筆が始まりました。
3. 『プリンキピア』の構成と内容

この書物は三巻から成り、それぞれ運動の数学的な基本法則、流体力学、天体の運動と万有引力について論じています。
第1巻:「物体の運動について」
第1巻では、ニュートンが提唱した運動の基本法則を基礎とし、物体の運動を数学的に記述するための理論が展開されています。この巻では、運動の三法則を定式化し、それを用いて物体の運動を解析し、さらに惑星運動の理論的証明へと発展させています。
1.1運動の三法則
ニュートンは物体の運動を支配する三つの基本法則を提示しました。これらの法則は、すべての物体の運動を説明する基礎となるものです。
第一法則(慣性の法則)
外部から力が作用しない限り、物体は静止または等速直線運動を続けます。これは、ガリレオ・ガリレイが提唱した慣性の概念を数学的に整理したものです。例えば、摩擦のない氷上で滑る物体は、外力が加わらない限り、速度を変えることなく運動を続けます。
第二法則(運動の法則)
物体に加えられる力 F は、その物体の質量 m に加速度 a を掛けたものに等しいとされています。この関係式は次のように表されます。
F = ma
これは、物体の運動と力の関係を数学的に定式化したものです。例えば、質量が一定の物体に強い力を加えれば、その物体の加速度は大きくなります。一方、同じ力をより重い物体に加えた場合、その加速度は小さくなります。
第三法則(作用・反作用の法則)
すべての作用には、それと等しく逆向きの反作用が存在します。これは、物体が別の物体に力を加えた場合、必ず等しく逆向きの力が働くことを意味します。例えば、人が壁を押すと、壁も人を同じ大きさの力で押し返します。この法則は、ロケットの推進や歩行時の地面からの反力など、さまざまな現象を説明するのに役立ちます。
1.2万有引力の理論的基礎
ニュートンは、運動の三法則を用いて、物体同士が引き合う力の原理を導き出しました。この過程で、万有引力の法則を定式化し、物体の運動がこの法則に従うことを数学的に証明しました。
任意の二つの物体の間に働く引力は、それぞれの質量の積に比例し、距離の二乗に反比例するとされています。
F = G (m1 m2) / r^2
ここで G は万有引力定数、m1 と m2 はそれぞれの物体の質量、r は二つの物体の間の距離を表します。この法則により、地球上の物体が地表に向かって落下するのと同じ力が、天体の運動を支配していることが示されました。
ニュートンはこの法則を基に、天体の運動が地上の物理法則と同じ原理に従っていることを明らかにしました。月が地球の周りを回る運動も、地球の重力によって引き寄せられることで説明されます。同様に、惑星が太陽の周りを回る運動も、太陽の引力によって決定されることが示されました。

1.3ケプラーの法則の数学的証明
ヨハネス・ケプラーは、惑星の運動に関する三つの経験則を発見しましたが、その理論的な根拠は明確ではありませんでした。
ニュートンは、万有引力の法則を用いることで、経験則が数学的に導かれることを証明しました。
第一法則(楕円軌道の法則)
惑星の軌道は太陽を焦点とする楕円を描くことが示されています。ニュートンは、万有引力が惑星を引き寄せることによって、直線運動ではなく、閉じた軌道を形成することを数学的に証明しました。
第二法則(面積速度一定の法則)
惑星が太陽の周りを回るとき、その動径(惑星と太陽を結ぶ線)が同じ時間に同じ面積を掃くことが知られています。これは、万有引力が中心力であるため、角運動量が保存されることから導かれます。具体的には、惑星が太陽に近づくと速度が上がり、遠ざかると速度が下がることを意味します。
第三法則(調和の法則)
惑星の公転周期 T の二乗が軌道長半径 a の三乗に比例することが示されています。
T^2 ∝ a^3
これは、万有引力の法則から直接導かれるものであり、惑星が太陽の周囲を公転する際の運動が数学的に説明可能であることを示しています。
ニュートンは、これらの証明を通じて、惑星の運動が単なる経験則ではなく、普遍的な物理法則に基づくものであることを明らかにしました。
1.4振り子の運動と自由落下の関係
ニュートンは、振り子の運動を詳しく研究し、万有引力との関連を指摘しました。特に、振り子の周期がその振れ幅に依存せず、振り子の長さの平方根に比例することを示しました。この性質を利用して、地球上の重力加速度を測定する方法が確立されました。
また、自由落下運動との関係も詳しく研究されました。ニュートンは、物体の落下速度が時間とともに増加し、その加速度が一定であることを示しました。この結果は、重力が一定の力として作用していることを意味し、地球上での運動と宇宙での運動が同じ法則に従うことを明らかにしました。
1.5ニュートンの運動方程式と天体運動への応用
ニュートンは、物体の運動を記述するための運動方程式を確立し、それを天体運動に応用しました。彼の理論に基づけば、惑星の運動はニュートンの法則によって完全に説明することができ、天体の動きを数学的に予測することが可能となりました。
特に、ニュートンは潮の満ち引きについても考察し、潮汐現象が月と太陽の引力によって生じることを示しました。この理論により、海水の運動が単なる偶然の現象ではなく、万有引力の法則に基づく自然現象であることが証明されました。
第1巻では、運動の三法則を基礎として、物体の運動を記述する数学的な理論が構築されました。さらに、万有引力の法則を導入し、天体の運動がこの法則に従うことを証明しました。ケプラーの法則が万有引力から導かれることを示し、地球上の運動と天体の運動が同じ法則で記述できることを明らかにしました。これにより、ニュートンは宇宙全体の運動を一つの統一的な理論で説明することに成功しました。

第2巻:「流体の運動について」
『プリンキピア』の第2巻では、流体中の物体の運動と流体の性質について論じられています。
ニュートンは第1巻で物体の運動を扱いましたが、第2巻では水や空気のような流体の中での運動を考え、その影響を数学的に分析しました。
当時、流体力学はまだ発展途上の分野であり、ニュートンの研究は後の流体力学の発展に大きな影響を与えました。
2.1流体中の物体の運動
ニュートンはまず、流体中を運動する物体がどのような抵抗を受けるかを研究しました。
流体の中で物体が動くときには、粘性抵抗と圧力抵抗の二種類の抵抗が生じます。粘性抵抗とは、流体の内部摩擦によって生じるものであり、流体分子同士が互いに引き合うことで運動が妨げられる現象です。
水の中を泳ぐときに動きが制限されるのは、流体の粘性が関係しているからです。
一方で、圧力抵抗とは、物体が流体を押しのけるときに生じるものであり、流体の前方と後方の圧力差によって発生します。
例えば、空気中を進む飛行機や水中を進む船の運動では、物体の前方で流体が圧縮され、後方では圧力が低くなるために抵抗が生じます。この現象は抗力(ドラッグ)と呼ばれ、運動の効率に大きな影響を与えます。
ニュートンは、これらの流体抵抗が物体の運動に与える影響を数学的に定式化しようとしました。その結果、流体の性質や物体の形状が運動の妨げになることを明らかにしました。
2.2.流体抵抗の法則
ニュートンは、流体抵抗が物体の速度に対してどのように変化するかを研究し、流体抵抗が速度のべき乗に比例することを発見しました。流体抵抗を R、物体の速度を v とすると、ニュートンは流体抵抗が速度の二乗に比例すると結論づけました。
R ∝ v^2
これは、流体抵抗が物体の速度が増すにつれて急激に大きくなることを意味しています。この法則は、特に高速で運動する物体において重要な意味を持ちます。例えば、車や飛行機の空気抵抗が速度の上昇とともに急激に増大するのは、この法則によるものです。
ただし、この関係は乱流の影響が無視できる場合に限られます。実際の流体には乱流が発生するため、ニュートンのモデルだけでは説明できない部分もありました。その後の研究によって、流体抵抗は物体の形状や流体の性質によっても変化することが明らかになりました。
2.3. 渦の形成と流れのパターン
ニュートンは、流体の流れにはいくつかの異なるパターンがあることを指摘しました。特に、物体が流体中を通過するときに生じる渦の形成に注目しました。流体の流れには層流と乱流の二種類があり、それぞれ異なる性質を持っています。
層流とは、流れが滑らかで、流体の各層が互いに干渉せずに流れる状態を指します。低速で流れる水や空気の流れは、一般に層流の性質を持ちます。一方で、物体が高速で流体中を運動すると、流れが乱れ、渦が発生することがあります。この状態が乱流であり、航空機の翼の周りや、川の急流などで見られる現象です。
ニュートンは、物体の形状や速度が流体の流れにどのような影響を与えるかを考察しましたが、当時の数学では乱流の複雑な振る舞いを厳密に解析することはできませんでした。その後、十九世紀から二十世紀にかけて、オイラー、ナビエ、ストークスなどの研究者によってナビエ・ストークス方程式が確立され、流体の運動がより精密に記述されるようになりました。

2.4. 落下運動と空気抵抗
ニュートンはまた、重力下での物体の落下についても研究しました。真空中では物体は空気抵抗を受けずに自由落下しますが、実際の地球上では空気の抵抗を受けるため、単純な自由落下とは異なる運動になります。
空気抵抗がある場合、物体の速度は初期の加速段階では重力によって加速されますが、速度が増すにつれて空気抵抗も増大します。
そして、ある一定の速度に達すると、重力による加速と空気抵抗が釣り合い、それ以上加速しなくなります。
この状態が「終端速度」と呼ばれるものであり、例えばパラシュートが開いた場合、終端速度が低くなり、安全に降下できるようになります。
ニュートンはこのような落下運動を数学的に記述し、空気抵抗が運動に与える影響を詳細に分析しました。
2.5. 水や空気の密度の影響
ニュートンは、流体の密度が物体の運動に与える影響についても研究しました。彼は、密度が高い流体では物体の運動がより大きな抵抗を受けることを明らかにしました。一方で、流体の密度が低いと物体はより自由に運動できることも指摘しました。
例えば、水中で泳ぐときと空気中を走るときでは、運動のしやすさが異なるのは流体の密度が関係しているからです。また、飛行機が高高度を飛行する際に空気の密度が低いために揚力が変化することも、ニュートンの考察に関連する現象です。
『プリンキピア』の第2巻では、流体中の物体の運動について数学的に解析されており、ニュートンは流体抵抗が速度の二乗に比例することを示しました。また、渦の形成や流体の流れのパターンについても考察し、空気抵抗が物体の落下運動に与える影響を分析しました。これらの研究は、現代の流体力学の基礎となり、後の研究者たちに大きな影響を与えました。
ニュートンの流体力学の理論にはいくつかの限界がありましたが、その後のナビエ・ストークス方程式の発展などによって、より精密な流体の運動の解析が可能になりました。それでも、ニュートンが示した基本的な考え方は、現代の航空力学や水力学の分野でも重要な役割を果たしています。

第3巻:「宇宙体系について」
第3巻では、ニュートンが確立した運動の三法則と万有引力の法則をもとに、天体の運動について詳しく説明しています。
太陽系の惑星の運動や月の軌道、潮の満ち引き、彗星の軌道など、天文学に関するさまざまな現象を数学的に解析し、観測結果と理論の一致を示しています。
この巻の目的は、万有引力の法則が単なる仮説ではなく、宇宙全体に適用される普遍的な法則であることを証明することにあります。
3.1. 天体の運動
ニュートンは、惑星が太陽の周りを楕円軌道で公転する理由を説明するために、万有引力の法則を適用しました。惑星は太陽の引力によって中心へと引き寄せられますが、同時に進行方向へ運動し続けようとする慣性の働きもあります。この二つの力が釣り合うことで、惑星は太陽を焦点とする楕円軌道を描くことになります。この理論は、ヨハネス・ケプラーが発見したケプラーの法則と完全に一致しており、惑星の運動が単なる経験則ではなく、物理法則によって支配されていることを証明するものとなりました。
また、ニュートンは、惑星だけでなく衛星の運動についても研究しました。例えば、木星の衛星が木星の周りを公転する様子も同じ原理で説明できることを示しました。これにより、万有引力が太陽と惑星の間だけでなく、すべての物体の間に働く普遍的な力であることが明らかになりました。
3.2. 月の運動と潮の満ち引き
ニュートンは、月の運動を万有引力の法則を用いて説明しました。地球と月の間には引力が働いており、この引力によって月は地球の周りを公転しています。月もまた地球に引き寄せられながら、進行方向へ運動し続けることで、地球の周囲を回る軌道を維持しているのです。これにより、月の軌道が円や楕円を描く理由を理論的に説明することができました。
さらに、ニュートンは潮の満ち引きの原因についても明らかにしました。潮の満ち引きは、月と太陽の引力が地球の海水に及ぼす影響によって生じます。月が地球に及ぼす引力は、地球の中心よりも地球の海面に強く作用するため、月に近い側の海水が月の方向へ引っ張られます。これが満潮を引き起こす要因となります。一方で、地球の反対側でも満潮が起こる現象が見られます。これは、地球全体が月の引力によって引き寄せられることで、遠心力が生じるためです。地球の反対側では海水がこの遠心力の影響を受けて外側へ押し出されるため、もう一つの満潮が発生します。こうして、地球上では一日に二回の満潮と干潮が生じるのです。
また、太陽の引力も潮の動きに影響を与えています。新月や満月の時には、月と太陽の引力が合わさることで、潮の干満の差が大きくなります。この現象は大潮と呼ばれます。反対に、上弦や下弦の月の時には、月と太陽の引力が直角の方向に働くため、潮の干満の差が小さくなります。この現象は小潮と呼ばれます。ニュートンはこれらの現象を数式によって説明し、潮の運動が万有引力によるものであることを証明しました。

3.3. 彗星の軌道
ニュートンは、彗星の軌道についても研究を行い、それが万有引力によって説明できることを示しました。当時、彗星は惑星とは異なる特別な天体であると考えられていましたが、ニュートンは彗星の運動も惑星の運動と同じ法則に従っていることを証明しました。
ニュートンの計算によれば、彗星の軌道は放物線や双曲線になることがあり、場合によっては楕円軌道を描くこともあります。楕円軌道を持つ彗星は周期的に太陽系を訪れ、何年かごとに再び観測されることになります。一方、放物線や双曲線の軌道を持つ彗星は、一度太陽に接近すると、そのまま二度と戻ってこない形で宇宙空間へ飛び去ってしまいます。
ニュートンは、天文学者エドモンド・ハレーとともに、過去に観測された彗星のデータを分析し、ハレー彗星の軌道が周期的であることを示しました。ハレーはニュートンの理論に基づいて、ハレー彗星が約76年ごとに地球に接近することを予測し、実際に後の観測でその予測が正しかったことが確認されました。この成果によって、彗星の運動も万有引力の法則に従っていることが実証され、天文学の理解が大きく前進しました。
3.4. 太陽系の安定性について
ニュートンは、太陽系の惑星がどのようにして安定した軌道を維持しているのかについても考察しました。万有引力の法則に従えば、惑星は太陽の引力によって常に引き寄せられており、軌道がわずかに乱れることがあっても、基本的には安定した運動を続けることができることを示しました。ただし、惑星同士も互いに重力を及ぼし合っており、この影響によって軌道がわずかに変化する可能性があることを指摘しました。
ニュートンは、このようなわずかな影響は長い時間の中で打ち消し合い、大きな変化にはならないと考えました。しかし後の研究では、惑星の軌道は長期的には少しずつ変動する可能性があることが分かりました。天文学者ピエール=シモン・ラプラスは、この問題をより詳しく研究し、太陽系の安定性について数学的な証明を与えました。
第3巻では、万有引力の法則を用いて太陽系の惑星の運動が説明され、ケプラーの法則が物理学的な理論から導かれることが示されました。月の運動についても同様に説明され、潮の満ち引きが月と太陽の引力によって引き起こされることが明らかになりました。また、彗星の軌道も万有引力の法則に従うことが証明され、周期的に現れる彗星の存在が理論的に説明されました。さらに、太陽系の安定性についての考察も行われ、惑星の運動が長期的に安定することが示唆されました。これにより、天文学の多くの現象が物理法則によって説明可能であることが証明されました。
4.数学的手法

『プリンキピア』では、現代の微積分に相当する「流率法」が用いられています。ただし、当時は微積分の記法が確立していなかったため、幾何学的な方法で証明が展開されています。
速度や加速度は「流率(fluxions)」として扱われており、現代の積分に相当する概念が登場しています。ニュートンは後にライプニッツと微積分の発明の優先権を巡って論争しましたが、数学的に厳密な物理の記述を最初に行ったのは『プリンキピア』です。
『ニュートンが残した数学的な功績』についてはこの記事に書いています↓
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プリンキピア』による様々な影響
この書物によって、近代物理学の礎が築かれ、ニュートン力学が誕生しました。十九世紀にはラグランジュやラプラスによって解析力学へと発展しました。
二十世紀にはアインシュタインの相対性理論が登場し、極端な場合にはニュートン力学が修正される必要があることが判明しました。しかし、日常的なスケールでは今なお有効な理論として広く用いられています。
また、宇宙の運動が数学で記述できるという考え方が確立され、決定論的な世界観が広まりました。この影響は、デカルトやライプニッツ、カントなどの哲学者にも及びました。
まとめ
今回はニュートンの著書『プリンキピア』について紹介しました。
この理論がなければ、宇宙の法則を理解することも、現代の物理学を築くこともできなかったでしょう。
数学の歴史には、ニュートンと同じように世界を変えた偉大な数学者たちがいます。
ほかにも、数学に関する偉人や興味深い内容を記事にきているので、ぜひ見てみてください〜!
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