【休憩】「自我消耗理論」と勉強への応用方法を中高生にもわかるように解説!

勉強に集中し続けるのが難しいと感じたことはありませんか?

スマホやゲームが気になって気がつくと手が伸びていたり、長時間勉強してもなかなか成果が出ないと悩んだことがあるかもしれません。

人が使えるエネルギーには限りがあります。ずっと集中し続けることは難しいですよね。

今回は『自我消耗理論と勉強への応用方法』について、わかりやすく解説をします!

実は、こうした「やる気が続かない」状態には理由は「自己消耗理論」で説明ができます。

長時間の勉強がうまくいかない理由や、どうしたら誘惑に負けずに集中できるのかについて、わかりやすく説明をしていきます。

自我消耗理論とは?

自我消耗理論(Ego Depletion Theory)は、自己コントロールや意思決定に関わる力が有限であるとする心理学の理論です。

この理論は、人が自己をコントロールする際にエネルギーを使うため、長時間自己コントロールを続けると、そのエネルギーが減少し、後の行動や意思決定に悪影響を与える、というものです。

例えば、試験勉強を続けたり、ダイエット中に食べ物を我慢するなど、自己コントロールを必要とする行動を取ると、後に誘惑に負けやすくなったり、集中力が低下することがあります。

これは、自己コントロールに使う「精神的なエネルギー」が一時的に枯渇してしまうためです。

この理論の基礎となった研究では、自己コントロールを使ったタスクを行った後の参加者が、より衝動的な行動を取ったり、次の自己コントロールを必要とする課題でパフォーマンスが低下したことが確認されています。

※(注意)近年ではこの理論に対する批判や、エゴ消耗が必ずしも全ての状況で起こるわけではないとする研究結果も増えています。それでも、自己コントロールや意志力が消耗されうるという考えは、日常生活における意思決定や行動に影響を与える概念として重要です。

自我消耗理論の勉強への応用方法

自我消耗理論というのは、簡単に言うと、私たちの「やる気」や「集中力」といった力には限りがあって、使いすぎると疲れてしまうという考えです。

この「やる気」や「集中力」を保つにはどうすればいいかを、勉強に当てはめて詳しく説明します。

1. 長時間の勉強で疲れて集中力が落ちる

例えば、テスト前に長時間勉強を続けていると、だんだん疲れてきて、集中できなくなったことがあるかもしれません。これが「自我消耗」の状態です。脳も体と同じように、ずっと働き続けるとエネルギーが減ってしまうからです。これを防ぐには、勉強の途中でこまめに休憩を取るのが大事です。

具体的には、25~30分勉強したら5~10分休憩をとる、といった方法が効果的です。これを「ポモドーロ・テクニック」と言います。この方法で勉強と休憩をバランスよく取り入れると、集中力が長く続くんです。

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2. 誘惑に負けやすくなる

長時間勉強をしていると、スマホをチェックしたくなったり、ゲームが気になったりすることってありますよね。これは、勉強で「がんばる力」が消耗して、他のことに気を取られやすくなるからです。疲れると、気持ちのコントロールが難しくなってしまうんです。

対策としては、最初から誘惑を遠ざけることが重要です。例えば、勉強中はスマホを別の部屋に置く、通知をオフにするなど、誘惑を物理的に避ける方法が有効です。また、誘惑に負けないように「今はこの時間だけ勉強する!」と短い時間目標を決めると、気持ちの集中がしやすくなります。

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3. 疲れているときは判断ミスが多くなる

勉強中に「何から始めよう?」とか「どの教科を先にやろう?」といった判断をしますよね。疲れていると、こういう判断を誤ってしまうことがあります。たとえば、疲れているときに難しい問題に取り組もうとすると、やる気がなくなってしまうこともあります。

だから、勉強の計画は、しっかり休んだ状態で考えるのがポイントです。寝る前に次の日の勉強計画を立てる、または朝のうちに計画を作ることで、余計なエネルギーを使わずに勉強に集中できます。

4. 勉強の習慣で「がんばる力」を節約する  

「がんばる力」は鍛えることもできます。たとえば、毎日決まった時間に少しでも勉強する習慣をつけると、だんだんその時間に自然と集中できるようになります。これは、習慣化という現象です。

習慣にすることで、意思力をあまり使わずに、スムーズに勉強に取り組めるようになるんです。

はじめは難しいかもしれませんが、小さな目標からスタートするといいです。たとえば、毎日10分だけ勉強することから始め、慣れてきたら時間を少しずつ増やしていくと、自然と勉強する習慣が身についていきます。

自我消耗理論に関する研究

自我消耗理論は、「意志力」や「自己コントロール」が限られた資源であり、使い続けると疲れてしまうという考えです。アメリカの心理学者ロイ・バウマイスターらが提唱した理論で、実験を通じて検証されました。

1. クッキーとラディッシュの実験  

バウマイスターらの代表的な実験では、2つのグループに分かれてテストが行われました。1つのグループには、目の前にクッキーが置かれましたが、クッキーを食べずにラディッシュを食べるように指示されました。もう一方のグループは、自由にクッキーを食べることができました。

その後、両方のグループに難しいパズルを解かせたところ、クッキーを我慢したグループはパズルを解くのを早くあきらめてしまいました。これは、クッキーを我慢することで意志力を使い果たし、その後の課題で力が出せなかったことを示しています。

2. 自己コントロールと意思決定  

別の研究では、意志力が意思決定にも影響するかどうかが調べられました。参加者は自己コントロールを使う課題を行った後、さまざまな選択肢から決断を迫られるタスクに取り組みました。結果、意志力を使い果たした参加者は、難しい決断ができなくなり、簡単な選択をすることが多くなりました。この実験は、意志力が消耗すると、重要な決断をするのが難しくなることを示しています。

3.意志力の鍛え方  

意志力が鍛えられるかどうかを調べる実験も行われました。あるグループには、定期的な運動や食事管理など、自己コントロールを必要とする行動を続けてもらいました。その結果、意志力を鍛えたグループは、後の課題でも疲れにくく、意志力が強くなったことが分かりました。これによって、意志力は筋肉のように訓練できるという考え方が支持されました。

最近の研究や批判  

この理論には、近年批判もあります。例えば、意志力を使い果たしても、その人が強いモチベーションを持っている場合には、意志力があまり消耗しないことが分かっています。また、最近では意志力の消耗の仕方は人によって異なることが研究されています。

まとめ  

今回は『自我消耗理論と勉強への応用方法』について紹介しました。

  • 長時間勉強すると疲れるので、適度に休憩をとる
  • 勉強中の誘惑は、最初から避ける工夫をする
  • 疲れているときに重要な決断をしない
  • 少しずつ習慣をつけると楽に勉強ができるようになる

勉強環境を上手く整えることで、成績向上に役立てましょう〜

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