就活で企業を探していると、「コンサルティング業界」や「コンサルタント」という言葉を目にすることも多いですよね。
コンサルティング会社は、企業や官公庁などが抱えている課題を整理し、解決するための方法を一緒に考える会社です。
経営戦略を考える戦略コンサルティングのほか、IT、人事、財務、業務改善など、さまざまな分野があります。
同じコンサルティング業界でも、扱うテーマや顧客、プロジェクトの進め方は企業によって異なります。
この記事では、コンサルティング業界の仕組みや7つの種類、主な仕事内容、企業を比較するときのポイントについて紹介します。
コンサルタントがどのように企業を支えているのかを知り、自分が興味を持てる分野や仕事を探してみましょう。
- 1 コンサルティング業界とは?
- 2 コンサルティング会社は何を提供している?
- 3 コンサルティング会社に依頼する理由
- 4 コンサルティング業界の7つの種類
- 5 戦略コンサルティング
- 6 総合コンサルティング
- 7 IT・デジタルコンサルティング
- 8 人事・組織コンサルティング
- 9 財務・M&Aコンサルティング
- 10 シンクタンク
- 11 業界・分野特化型コンサルティング
- 12 コンサルティングプロジェクトの流れ
- 13 コンサルタントの具体的な仕事内容
- 14 コンサルティング会社はどのように利益を得ている?
- 15 コンサルティング業界の主な役職
- 16 コンサルティング業界の主な職種
- 17 文系・理系のどちらでもコンサルティング業界を目指せる?
- 18 コンサルティング業界のこれから
- 19 コンサルティング業界に向いている人
- 20 コンサルティング業界で働く前に知っておきたい仕事の特徴
- 21 コンサルティング会社を比較するときのポイント
- 22 コンサルティング会社探しには就活サービスも活用してみよう
- 23 コンサルティング会社の企業研究で確認したい項目
- 24 コンサルティング業界の志望動機を考えるポイント
- 25 コンサルティング業界の選考
- 26 コンサルティング業界についてよくある質問
- 27 コンサルティング業界は「誰のどの課題を解決するか」から調べよう
コンサルティング業界とは?
コンサルティングとは、企業や組織が抱える課題について相談を受け、調査や分析を行い、解決方法を提案・実行する仕事です。
コンサルティングを専門に行う会社は、「コンサルティングファーム」と呼ばれることもあります。
コンサルティング会社が扱う課題には、次のようなものがあります。
- 新しい市場へ進出したい
- 新商品や新規事業を作りたい
- 売上や利益を伸ばしたい
- 社内の仕事を効率化したい
- ITシステムを導入したい
- 人事制度や働き方を見直したい
- 企業の合併・買収を進めたい
- 海外事業を広げたい
- データやAIを事業に活用したい
- 環境や社会に配慮した経営を進めたい
コンサルタントは、最初から答えを持っているわけではありません。
顧客企業の担当者へ話を聞き、資料やデータを調べながら、課題の原因や進むべき方向を整理していきます。
最近では、提案書を作って終わるのではなく、新しい制度やシステムを実際に導入し、成果が出るまで一緒に進めるコンサルティング会社も増えています。
コンサルティング会社は何を提供している?
メーカーが商品を、小売会社が店舗や商品を提供するのに対し、コンサルティング会社は、専門知識や調査・分析、課題解決のサポートを提供しています。
コンサルティング会社が提供する主な価値は、次のとおりです。
- 企業の課題を整理する
- 市場や競合企業を調査する
- データを分析する
- 経営や事業の方向性を考える
- 業務をよりよくする方法を提案する
- 新しい制度やシステムの導入を支援する
- プロジェクト全体を管理する
- 社員への研修や人材育成を行う
企業の中だけでは集めにくい情報や、ほかの企業を支援してきた経験を生かし、顧客と一緒に課題を解決します。
コンサルティング会社に依頼する理由
企業には、経営企画、人事、ITなどの担当者がいます。それでもコンサルティング会社へ仕事を依頼するのには、いくつかの理由があります。
社内とは異なる視点を取り入れられる
同じ会社で長く働いていると、現在の仕事の進め方が当たり前に感じられることがあります。
外部のコンサルタントが参加することで、ほかの方法や新しい考え方を取り入れやすくなります。
専門的な知識を活用できる
IT、人事、財務、法律、業界動向など、特定分野に詳しいコンサルタントへ相談できます。
自社で一から人材を育てるよりも、必要な時期に専門家の力を借りる方が進めやすい場合があります。
多くの関係者をまとめやすくなる
新しい制度やシステムの導入には、経営者、現場の社員、IT部門など、多くの人が関わります。
コンサルタントが間に入り、意見やスケジュールを整理しながら、プロジェクトを進めます。
期間を決めてプロジェクトを進められる
新規事業や業務改革など、普段の仕事と並行して進めるのが難しいテーマもあります。
コンサルティング会社のチームが加わることで、調査や分析を集中的に行いやすくなります。
コンサルティング業界の7つの種類
コンサルティング業界は、扱う課題や専門分野によって、いくつかの種類に分けられます。
就活では、次の7つに分けると全体像を整理しやすくなります。
| 種類 | 主な支援内容 | 主な顧客 |
|---|---|---|
| 戦略コンサルティング | 経営戦略、新規事業、海外進出など | 大企業の経営層など |
| 総合コンサルティング | 戦略から業務改革・システム導入まで幅広く支援 | 大企業・官公庁など |
| IT・デジタルコンサルティング | DX、IT戦略、システム導入、データ・AI活用など | 企業・官公庁など |
| 人事・組織コンサルティング | 人事制度、組織改革、採用、人材育成など | 企業・公共団体など |
| 財務・M&Aコンサルティング | 企業価値評価、M&A、事業再生、リスク管理など | 企業・金融機関など |
| シンクタンク | 調査研究、政策提言、経営・IT支援など | 官公庁・企業など |
| 業界・分野特化型コンサルティング | 医療、製造、流通、中小企業などの専門支援 | 特定業界の企業・団体など |
一つの企業が複数の種類のコンサルティングを行っていることもあります。
企業名や「コンサルティング会社」という分類だけでなく、どの分野のプロジェクトが多いのかを確認してみましょう。
戦略コンサルティング
戦略コンサルティングは、企業の経営方針や事業の方向性に関する課題を支援します。
企業の経営層と一緒に、会社全体や事業の将来について考えるプロジェクトが中心です。
主な支援内容
- 全社の経営戦略
- 新規事業の立ち上げ
- 新商品・サービスの企画
- 海外市場への進出
- 市場や競合企業の分析
- 事業の成長戦略
- 企業買収後の事業方針
- 会社の組織や事業の再編
たとえば、ある企業が海外へ進出したい場合は、進出先の市場規模、競合企業、顧客のニーズ、法律、販売方法などを調べます。
そのうえで、どの国へ、どのような商品を、どの方法で展開するのかを提案します。
戦略コンサルティングの特徴
- 経営に近いテーマを扱う
- 経営者や事業責任者と関わる機会がある
- 市場調査やデータ分析を多く行う
- 短い期間で仮説と提案をまとめるプロジェクトもある
- 幅広い業界の企業を担当することがある
企業研究で見ておきたいポイント
- どの業界のプロジェクトに強いか
- 戦略の提案だけでなく実行支援も行うか
- 海外拠点や海外案件の割合
- 新卒社員が担当する仕事
- 研修や育成の仕組み
- プロジェクトの期間やチーム構成
総合コンサルティング
総合コンサルティングは、経営戦略から業務改革、ITシステムの導入、人事、財務まで、幅広いテーマを扱います。
企業の課題を考えるだけでなく、決めた内容を実際の仕事やシステムへ取り入れるところまで支援するプロジェクトも多くあります。
主な支援内容
- 経営・事業戦略
- 業務改革
- IT・デジタル戦略
- システム導入
- 人事・組織改革
- 財務・リスク管理
- サプライチェーン改革
- 公共分野のプロジェクト
一つのプロジェクトに、戦略、業務、ITなど、それぞれの分野に詳しいコンサルタントが参加することもあります。
総合コンサルティングの特徴
- 扱う業界やテーマが幅広い
- 大規模なプロジェクトも多い
- 戦略の作成から実行まで関われる
- 企業内にさまざまな専門チームがある
- IT企業や監査法人などのグループに属する場合がある
企業研究で見ておきたいポイント
- 戦略・業務・ITのどの分野に強いか
- 得意としている顧客業界
- 入社時に部門が決まるか
- 部門や専門分野を変更できるか
- システム導入まで自社で支援するか
- 海外オフィスとの連携
IT・デジタルコンサルティング
IT・デジタルコンサルティングは、ITやデータを使って、企業の仕事やサービスをよりよくするための支援を行います。
システムを導入するだけでなく、「どの業務に、どの技術を使うとよいか」という方針を考えるところから関わります。
主な支援内容
- IT戦略の作成
- DXの計画・推進
- 業務システムの導入
- クラウドへの移行
- データ分析・活用
- AI・生成AIの導入
- サイバーセキュリティ
- 社内のIT組織・人材育成
- 新しいデジタルサービスの企画
たとえば、紙や表計算ソフトで行っていた仕事をシステム化したり、店舗やWebサイトの購買データを商品企画へ生かしたりします。
経営や業務を理解する力と、ITに関する知識の両方を使う分野です。
ITコンサルタントとシステムエンジニアの違い
| 項目 | ITコンサルタント | システムエンジニア |
|---|---|---|
| 主な役割 | 経営・業務の課題を整理し、IT活用の方針を考える | 必要なシステムを設計・開発・導入する |
| 主に関わる段階 | 戦略、企画、業務改革など | 要件定義、設計、開発、運用など |
| 主な相手 | 経営者、事業部門、IT部門など | 顧客担当者、開発チームなど |
実際には、ITコンサルタントがシステム導入まで関わったり、システムエンジニアがIT戦略を提案したりすることもあります。
会社の分類だけでなく、プロジェクトのどの部分を担当するのかを確認してみましょう。
企業研究で見ておきたいポイント
- 戦略・企画とシステム導入のどちらが中心か
- AI、クラウド、セキュリティなどの得意分野
- 自社にエンジニアや開発部門があるか
- 扱うシステムや製品
- 未経験者向けのIT研修
- 顧客先と自社のどちらで働くことが多いか
人事・組織コンサルティング
人事・組織コンサルティングは、企業で働く人や組織に関する課題を支援します。
採用や研修だけでなく、給与、評価制度、組織文化、働き方など、幅広いテーマを扱います。
主な支援内容
- 人事制度・評価制度の設計
- 給与・報酬制度の見直し
- 採用戦略
- 社員研修・人材育成
- 管理職や次世代リーダーの育成
- 組織改革
- 従業員アンケートの実施・分析
- 働き方や人員配置の見直し
- 企業統合後の人事制度作り
社員へのアンケートやインタビューを行い、働きやすさや組織の課題を調べることもあります。
制度を作るだけでなく、社員への説明や研修を通して、新しい仕組みが社内で使われるところまで支援します。
企業研究で見ておきたいポイント
- 人事制度・採用・研修のどの分野に強いか
- 大企業と中小企業のどちらが主な顧客か
- 研修サービスも提供しているか
- 人事システムの導入支援を行うか
- データ分析をどのように活用しているか
- 人材会社との事業の違い
財務・M&Aコンサルティング
財務・M&Aコンサルティングは、企業のお金や経営に関する課題を支援します。
企業の合併・買収、事業再生、企業価値の評価、リスク管理など、財務や会計の専門知識を使う分野です。
主な支援内容
- M&A戦略の作成
- 買収候補となる企業の調査
- 企業価値の評価
- 財務内容の調査
- 買収後の企業統合
- 事業再生・経営改善
- 不正調査
- リスク管理
- 海外取引・投資の支援
M&Aコンサルティングの流れ
- 企業がM&Aを行う目的を整理する
- 買収・提携する候補企業を探す
- 相手企業の事業や財務を調べる
- 企業の価値を計算する
- 契約や条件の交渉を支援する
- 買収後の組織・業務の統合を支援する
会計や金融の知識だけでなく、企業の事業や業界について理解する力も使います。
企業研究で見ておきたいポイント
- M&A・事業再生・リスクのどの分野に強いか
- 会計事務所や監査法人のグループか
- 国内案件と海外案件の割合
- 公認会計士などの専門家が多いか
- 新卒社員が担当する仕事
- 財務・会計研修の内容
シンクタンク
シンクタンクは、社会、経済、産業、政策などについて調査・研究を行い、官公庁や企業へ提案する組織です。
日本語では「政策研究機関」や「調査研究機関」と呼ばれることもあります。
主な仕事
- 経済・社会に関する調査
- 国や自治体の政策調査
- 企業・業界の市場調査
- 統計データの分析
- 政策・制度の提言
- 企業向けコンサルティング
- ITシステムの企画・開発
- 調査報告書や研究レポートの作成
シンクタンクには、調査研究を中心とする会社だけでなく、企業向けコンサルティングやシステム開発を幅広く行う会社もあります。
コンサルティング会社との違い
| 項目 | シンクタンク | コンサルティング会社 |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 調査研究、政策提言、コンサルティングなど | 企業や組織の課題解決支援 |
| 主な顧客 | 官公庁、自治体、企業など | 企業、官公庁など |
| 主な成果物 | 調査報告書、政策提言、システムなど | 戦略、改革案、導入した制度・システムなど |
実際には、シンクタンクとコンサルティング会社の業務が重なることも多くあります。
企業研究で見ておきたいポイント
- 調査研究・コンサルティング・ITの事業構成
- 官公庁と民間企業のどちらが主な顧客か
- 金融機関や企業グループとの関係
- 得意としている政策・産業分野
- 研究員・コンサルタント・エンジニアの採用区分
- 大学院での研究や専門分野を生かせるか
業界・分野特化型コンサルティング
業界・分野特化型コンサルティングは、特定の業界やテーマに専門性を持つコンサルティング会社です。
大手の総合コンサルティング会社にも業界別のチームがありますが、特定分野だけを専門に扱う会社もあります。
主な分野
- 製造業・ものづくり
- 医療・介護
- 金融
- 小売・流通
- 飲食・サービス
- 建設・不動産
- 物流・サプライチェーン
- 中小企業支援
- 地域活性化
- 環境・サステナビリティ
- 広報・マーケティング
特定の業界に詳しいため、現場の仕事や制度、商習慣を理解したうえで、具体的な提案を行いやすいことが特徴です。
中小企業向けコンサルティング
中小企業向けのコンサルティングでは、経営者と直接話しながら、売上、資金繰り、人材、事業承継など、幅広い課題を支援します。
中小企業診断士、税理士、金融機関などと協力して仕事を進めることもあります。
企業研究で見ておきたいポイント
- どの業界・テーマに強いか
- 主な顧客の規模
- 経営者・本社・現場の誰を支援するか
- 調査・提案と実行支援の割合
- コンサルタントの前職や専門資格
- 入社後にどの専門分野を学べるか
コンサルティングプロジェクトの流れ
プロジェクトの内容は企業やテーマによって異なりますが、一般的には次のような流れで進みます。
- 顧客の相談や依頼内容を確認する
- プロジェクトの目的や範囲を決める
- 必要な情報やデータを集める
- 経営者や社員へインタビューする
- 課題の原因について仮説を立てる
- 市場・競合・社内データなどを分析する
- 解決方法を考える
- 顧客へ提案する
- 制度・業務・システムなどへ反映する
- 結果を確認し、必要に応じて改善する
プロジェクトによっては、調査と提案までを担当する場合もあれば、実際の導入や運用まで数年にわたって支援する場合もあります。
コンサルタントの具体的な仕事内容
コンサルタントは、会議で提案をするだけではありません。
プロジェクトを進めるために、日々さまざまな仕事を行っています。
情報収集・リサーチ
- 市場規模や業界動向を調べる
- 競合企業の商品・サービスを調べる
- 法律や制度を確認する
- 海外の事例を調べる
- 社内資料や過去のデータを確認する
インタビュー・ヒアリング
- 経営者から経営上の課題を聞く
- 現場の社員から仕事の流れを聞く
- 顧客や利用者の意見を集める
- 業界の専門家へ話を聞く
データ分析
- 売上や利益を分析する
- 商品・顧客ごとの特徴を調べる
- 業務にかかる時間を分析する
- アンケート結果をまとめる
- 将来の売上や市場規模を予測する
資料作成
- 調査結果を図や表にまとめる
- 課題の原因を整理する
- 解決方法を比較する
- 経営者や社員向けの説明資料を作る
- 会議の内容や次の作業をまとめる
会議・プレゼンテーション
- 調査や分析の結果を説明する
- 解決策について意見を聞く
- 経営者や担当者と方針を決める
- 関係する部門の意見をまとめる
実行・導入支援
- 新しい仕事の流れを作る
- システム導入のスケジュールを管理する
- 社員向けの説明会や研修を行う
- 新しい制度を試し、改善する
- 複数の企業や部門をまとめる
コンサルティング会社はどのように利益を得ている?
コンサルティング会社は、顧客企業へ専門的な支援を提供し、その対価として料金を受け取ります。
料金の決め方には、次のようなものがあります。
- プロジェクト全体で料金を決める
- 支援する期間や人数に応じて料金を決める
- 毎月一定の料金で継続的に支援する
- 研修やセミナーごとに料金を受け取る
- システム導入や運用とあわせて料金を受け取る
コンサルティング会社にとって、社員が持つ知識や経験が大切なサービスになります。
そのため、研修、社内の事例共有、専門家によるサポートなど、人材育成へ力を入れている企業もあります。
コンサルティング業界の主な役職
コンサルティング会社では、経験や役割に応じて役職が分かれています。
企業によって名称は異なりますが、一般的には次のような流れがあります。
| 役職 | 主な役割 |
|---|---|
| アナリスト | 情報収集、データ分析、資料作成などを担当する |
| コンサルタント | 担当するテーマの調査・分析・提案を進める |
| シニアコンサルタント | プロジェクト内の担当領域をまとめ、若手社員を支援する |
| マネージャー | プロジェクト全体の進行、品質、顧客との調整を担当する |
| パートナー・プリンシパル | 顧客との関係作り、新しい案件の提案、会社経営などを担当する |
新卒社員は、アナリストやコンサルタントとして、情報収集や分析、資料作成などから経験を積むことが一般的です。
経験を重ねると、チームをまとめたり、顧客へ新しいプロジェクトを提案したりする役割へ進みます。
コンサルティング業界の主な職種
コンサルティング会社には、コンサルタント以外にも、調査、データ、ITなどに関わる職種があります。
コンサルタント
顧客の課題を整理し、調査、分析、提案、実行支援を行う中心的な職種です。
戦略、IT、人事、財務など、所属する部門によって担当するテーマが異なります。
リサーチャー・研究員
市場、産業、経済、政策などを専門的に調査・分析します。
シンクタンクや、調査部門を持つコンサルティング会社で募集されることがあります。
データサイエンティスト・データアナリスト
顧客企業が持つ売上、顧客、製造などのデータを分析し、課題解決や意思決定に役立てます。
統計、機械学習、プログラミングなどの知識を使うことがあります。
エンジニア・ITアーキテクト
コンサルタントが考えたIT戦略をもとに、システムやクラウド環境の設計・開発を行います。
ITコンサルティング会社や総合コンサルティング会社では、技術職を別に採用することもあります。
プロジェクトマネージャー
システム導入や業務改革などの大きなプロジェクトで、スケジュール、人員、予算などを管理します。
営業・ビジネス開発
顧客企業の経営者や担当者から課題を聞き、新しいコンサルティングプロジェクトを提案します。
パートナーやマネージャーが営業を兼ねる企業もあります。
ナレッジマネジメント
過去のプロジェクトで得られた情報や資料を整理し、社員が活用しやすい仕組みを作ります。
調査レポートの作成や、社内の専門家を探すサポートを行うこともあります。
文系・理系のどちらでもコンサルティング業界を目指せる?
コンサルティング業界では、文系・理系のどちらの学生も活躍しています。
経済学部や商学部だけでなく、文学、法学、外国語、理工学、情報、医療など、さまざまな専攻の学生を採用している企業があります。
文系の学びを生かしやすい分野
- 経営・事業戦略
- 人事・組織
- マーケティング
- 公共政策
- 財務・会計
- 海外事業
理系の学びを生かしやすい分野
- IT・デジタル
- データ分析・AI
- 製造業・研究開発
- サプライチェーン
- 医療・製薬
- 環境・エネルギー
- 金融工学・リスク管理
コンサルティングでは、専攻の知識そのものだけでなく、情報を整理する力、データから考える力、相手へ伝える力なども生かせます。
自分の学部だけで選択肢を決めず、興味のある業界やテーマから企業を探してみましょう。
コンサルティング業界のこれから
企業を取り巻く環境が変化する中で、コンサルティング会社が支援するテーマも広がっています。
AI・生成AIの活用
企業では、文章作成、問い合わせ対応、データ分析、システム開発など、さまざまな仕事で生成AIの活用が進んでいます。
コンサルティング会社は、AIを導入する目的や利用ルールを整理し、実際の業務へ取り入れる支援を行います。
- AIを活用する業務の選定
- AI導入による効果の確認
- 情報管理や利用ルールの作成
- AIを使った新サービスの企画
- 社員向けの研修
コンサルタント自身も、情報収集やデータ分析、資料作成などにAIを活用する機会が増えています。
DX・業務改革
企業では、システムを導入するだけでなく、仕事の流れや組織、サービスそのものを変えるDXが進められています。
コンサルティング会社には、経営戦略、現場の業務、ITをつなぎながら変革を進める役割があります。
提案から実行までの支援
企業の課題を分析して提案するだけでなく、制度やシステムを実際に導入し、社内へ定着させるところまで支援するプロジェクトが増えています。
- 新しい業務の設計
- システムの導入
- 社員向けの説明・研修
- 効果を測るための指標作り
- 導入後の改善
業界ごとの専門性
金融、製造、医療、小売など、顧客企業の業界について深く理解したコンサルタントも求められています。
業界の制度や仕事の流れを知ることで、より具体的な提案を行いやすくなります。
環境・サステナビリティ
企業では、環境への配慮や社会課題への取り組みを、経営や事業へ取り入れる動きが進んでいます。
- 温室効果ガス排出量の把握
- 再生可能エネルギーの導入
- 環境に配慮した商品・事業の企画
- サプライチェーンの見直し
- 情報開示や報告書の作成
公共分野・地域企業の支援
国や自治体の政策、地域企業の成長、行政サービスのデジタル化などを支えるプロジェクトもあります。
企業だけでなく、地域や社会全体の課題解決に関われる分野です。
コンサルティング業界に向いている人
コンサルティング業界では、知識の多さだけでなく、考える力や人と協力する力も大切です。
次のような人は、コンサルタントの仕事と相性がよい可能性があります。
考えることが好きな人
コンサルタントは、集めた情報を整理し、「なぜこの問題が起きているのか」「どの方法がよいのか」を考えます。
一つの答えを覚えるよりも、状況に合わせて考えることが好きな人に向いています。
知らないことを調べるのが好きな人
プロジェクトが変わると、担当する業界やテーマも変わることがあります。
新しい企業や業界について調べ、短い期間で理解を深めることを楽しめる人は、その好奇心を生かせます。
人の話を聞いて整理できる人
顧客が感じている課題と、実際に解決すべき課題が少し異なることもあります。
相手の話を丁寧に聞き、考えていることや困っていることを整理する力が役立ちます。
チームで仕事を進めたい人
コンサルティングのプロジェクトは、複数のコンサルタントと顧客企業の担当者が協力して進めます。
自分の担当だけでなく、チーム全体の状況を考えながら仕事を進めることが大切です。
わかりやすく伝えることが好きな人
よい考えがあっても、相手に伝わらなければ実行につながりません。
複雑な情報を図や文章にまとめ、相手に合わせて説明する力を生かせます。
企業や社会の変化に関わりたい人
新規事業、DX、組織改革など、企業が変わるきっかけとなるプロジェクトに関われます。
企業や社会の課題を考え、新しい仕組みを作る仕事に興味がある人にもおすすめです。
コンサルティング業界で働く前に知っておきたい仕事の特徴
コンサルティング会社を選ぶときは、華やかなイメージだけでなく、日々の仕事の進め方も知っておくと、自分に合う企業を見つけやすくなります。
- プロジェクトごとに担当するテーマが変わることがある
- 情報収集や資料作成に多くの時間を使う
- 顧客との会議に向けて準備を重ねる
- チームで分担しながら仕事を進める
- 短い期間で新しい業界やテーマを学ぶことがある
- 担当する顧客やプロジェクトによって働く場所が変わることがある
- 経験を重ねると、チーム管理や顧客への提案も担当する
同じコンサルティング会社でも、部門やプロジェクトによって仕事の進め方は異なります。
説明会や社員紹介を通して、実際の一日の流れやプロジェクトの例を確認してみましょう。
コンサルティング会社を比較するときのポイント
コンサルティング会社は、同じ業界に分類されていても、得意分野やプロジェクトの進め方が異なります。
複数の企業を調べるときは、次の項目を比較してみましょう。
どの種類のコンサルティング会社か
- 戦略コンサルティング
- 総合コンサルティング
- IT・デジタルコンサルティング
- 人事・組織コンサルティング
- 財務・M&Aコンサルティング
- シンクタンク
- 業界・分野特化型コンサルティング
どのようなテーマに強いか
- 経営戦略・新規事業
- 業務改革
- IT・DX・AI
- 人事・組織
- 財務・M&A
- マーケティング
- 環境・サステナビリティ
- 公共政策
得意としている顧客業界
- 金融
- 製造
- 商社・流通
- IT・通信
- 医療・製薬
- エネルギー
- 建設・不動産
- 官公庁・自治体
幅広い業界を担当する企業と、特定業界に強い企業があります。
興味のある業界がある場合は、その業界のプロジェクト事例を確認してみましょう。
提案と実行支援のどちらに力を入れているか
- 調査・戦略の作成が中心か
- 業務の設計まで行うか
- システム導入まで支援するか
- 導入後の運用や改善にも関わるか
- 顧客企業へ常駐するプロジェクトがあるか
入社後の配属方法
- 応募時に部門を選ぶか
- 入社後に配属が決まるか
- 特定の業界を専門にするか
- さまざまなプロジェクトを経験できるか
- 部門や専門分野を変更できるか
研修・育成制度
- 入社時研修の期間
- 問題解決・資料作成の研修
- IT・会計・業界知識の研修
- 先輩社員によるサポート
- 海外研修や留学制度
- 資格取得への支援
海外との関わり
- 海外オフィスの数や地域
- 海外企業を担当するプロジェクト
- 海外メンバーと協力する機会
- 海外赴任・出張の可能性
- 語学研修の有無
働く場所とプロジェクトの進め方
- 自社オフィス
- 顧客企業のオフィス
- リモートワーク
- 国内外への出張
- 一つのプロジェクトに参加する期間
勤務場所やリモートワークの利用状況は、顧客やプロジェクトによって変わることもあります。
コンサルティング会社探しには就活サービスも活用してみよう
コンサルティング業界には、よく名前を聞く大手企業だけでなく、IT、人事、医療、中小企業支援など、特定分野に強い会社もたくさんあります。
就活サイトやスカウト型の就活サービスを活用すると、自分ではまだ知らなかったコンサルティング会社や、自分の専攻を生かせる企業を見つけやすくなります。
希望する業界や職種、興味のある分野などを登録しておくことで、自分の経験や考え方に興味を持った企業から案内が届くこともあります。
届いた求人やオファーを見ることで、「コンサルティングにもこんな専門分野があるんだ」「大学で学んだことを生かせる企業もあるんだ」と、新しい選択肢を知るきっかけになります。
気になる企業を見つけたら、公式サイトや採用ページ、プロジェクト事例も確認しながら、企業研究を進めてみてください。
就活を進めるうえで、最初にチェックしておきたいのが就活サイトやアプリです。自分に合うサービスを早めに見つけておくと、企業探しがしやすくなったり、情報収集がスムーズになったり、就活全体を気持ちよく進めやすくなります。今回は『就[…]
コンサルティング会社の企業研究で確認したい項目
コンサルティング会社を調べるときは、次の項目を企業研究ノートなどにまとめてみましょう。
- どの種類のコンサルティング会社か
- 主な支援テーマ
- 得意としている顧客業界
- 主な顧客の規模
- 戦略・業務・ITのどこまで支援するか
- プロジェクトの事例
- 国内と海外の事業
- 入社後の配属部門
- 新卒社員が担当する仕事
- 役職やキャリアの進み方
- 研修・育成制度
- 勤務場所やプロジェクト期間
- 選考方法
- 今後力を入れるコンサルティング分野
- ほかのコンサルティング会社との違い
企業ごとに同じ項目で整理すると、「大手だから」「知名度が高いから」という理由だけでは見えにくい違いを比較できます。
業界研究の進め方については、次の記事も参考にしてみてください。
志望動機がうまく書けない、企業の違いがわからない――そういった悩みの背景には、業界に対する理解不足があることが少なくありません。今回は『就活生向けの業界研究のやり方とコツ』を紹介します!就職活動を始めるにあたって、まず取り組んでおきたい[…]
業界研究を始めると、「調べた内容がうまく整理できない」「業界ごとの違いが頭の中で混ざってしまう」と感じることがあります。就活では、情報を集めるだけでなく、あとから見返しやすい形で整理しておくことがとても大切です。今回は、『業界研究[…]
コンサルティング業界の志望動機を考えるポイント
コンサルティング業界の志望動機では、「成長できそうだから」「幅広い業界を知りたいから」という気持ちから、もう少し具体的に考えてみましょう。
次の順番で整理すると、志望理由を作りやすくなります。
- どのような企業や社会の課題に興味があるか
- 戦略・IT・人事など、どの分野に関わりたいか
- コンサルタントとしてどのような支援をしたいか
- なぜ事業会社ではなくコンサルティング会社なのか
- 同じ分野の中で、なぜその企業なのか
- 自分の経験や強みをどのように生かしたいか
コンサルティング業界では、次のような志望理由が考えられます。
- 企業の新規事業や成長を支えたい
- データを使って経営課題を解決したい
- ITを使って企業の業務をよりよくしたい
- 人事や組織の仕組みを通して働く人を支えたい
- 金融や会計の知識を企業支援に生かしたい
- 医療や製造など、特定業界の課題を解決したい
- 官公庁や自治体と社会課題の解決に関わりたい
- 企業が変化するところまで長く支援したい
自分が成長したいという理由だけでなく、身につけた力を使って、誰にどのような価値を届けたいのかまで考えてみてください。
コンサルティング業界の選考
コンサルティング会社の選考では、一般的なエントリーシートや面接に加えて、考え方を確認するための問題が出されることがあります。
主な選考内容
- エントリーシート
- Webテスト・筆記試験
- グループディスカッション
- 通常の面接
- ケース面接
- フェルミ推定
- 英語面接
- インターン選考
すべてのコンサルティング会社で、ケース面接やフェルミ推定が行われるわけではありません。
応募する企業の過去の選考内容や、採用ページに掲載されている情報を確認して準備しましょう。
ケース面接とは?
ケース面接は、企業や社会に関する課題について、解決方法を考える面接です。
たとえば、次のようなテーマがあります。
- ある飲食店の売上を伸ばすにはどうすればよいか
- 新しいサービスを広めるにはどうすればよいか
- ある企業が海外へ進出するときに何を確認すべきか
知識だけではなく、課題を分けて整理する力や、自分の考えを相手へ説明する力が見られます。
フェルミ推定とは?
フェルミ推定は、すぐには正確な答えがわからない数量を、いくつかの情報に分けて予想する方法です。
たとえば、「日本にあるカフェの数」などを、人口、利用する人の割合、店舗当たりの利用者数などから考えます。
答えの数字だけでなく、どのような考え方で計算したのかを説明することが大切です。
コンサルティング業界についてよくある質問
コンサルティング業界は未経験でも就職できる?
新卒採用では、コンサルティングの実務経験がないことを前提として募集している企業が多くあります。
入社後に、問題解決、資料作成、業界知識などを学ぶ研修を用意している企業もあります。
選考前には、コンサルタントの仕事内容や、企業ごとの得意分野を調べておきましょう。
大学で経営学を学んでいなくても大丈夫?
経営学部や商学部以外の学生も、コンサルティング業界で活躍しています。
企業によっては、理工学、情報、法律、医療など、さまざまな専門知識を持つ人を採用しています。
自分の専攻で身につけた考え方や知識を、どのような課題解決に生かせるかを考えてみましょう。
英語は必要?
海外企業を担当するプロジェクトや、海外オフィスと協力する仕事では、英語を使うことがあります。
一方、国内企業や自治体を中心に支援するプロジェクトもあります。
英語を使う頻度は企業や部門によって異なるため、主な顧客やプロジェクト事例を確認してみましょう。
コンサルタントに資格は必要?
コンサルタントとして応募するために、必ず必要な資格があるとは限りません。
希望する分野に応じて、次のような資格や学習が役立つことがあります。
- 中小企業診断士
- 公認会計士
- 税理士
- 社会保険労務士
- 日商簿記検定
- ITパスポート試験
- 基本情報技術者試験
- 統計検定
- TOEICなどの語学資格
資格だけでなく、大学での研究、アルバイト、サークルなどで、課題を見つけて改善した経験も選考で生かせます。
コンサルティング会社と事業会社の違いは?
事業会社は、自社の商品やサービスを作り、長期的に運営します。
コンサルティング会社は、複数の顧客企業の課題解決をプロジェクトごとに支援します。
| 項目 | コンサルティング会社 | 事業会社 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 顧客企業の課題 | 自社の事業・商品・サービス |
| 仕事の進め方 | プロジェクト単位で支援する | 自社の事業を継続して運営する |
| 関わる業界 | 複数業界を担当する場合がある | 自社が属する業界が中心 |
さまざまな企業の課題に関わりたいのか、一つの商品や事業を長く育てたいのかを考えてみるとよいでしょう。
コンサルティング会社と人材会社の違いは?
人材会社は、求人紹介、人材派遣、採用支援などを通して、人と企業をつなぎます。
人事コンサルティング会社は、人事制度、組織改革、報酬制度、人材育成など、企業の人や組織に関する仕組みを支援します。
両方のサービスを行う企業もあるため、主力事業と具体的な支援内容を確認してみましょう。
大手と中小のコンサルティング会社は何が違う?
大手のコンサルティング会社は、幅広い業界やテーマを扱い、大規模なプロジェクトを行うことがあります。
規模の小さな会社では、特定業界やテーマに強みを持ち、経営者や顧客と近い距離で支援することがあります。
会社の規模だけでなく、担当したい分野、プロジェクトの進め方、入社後の役割を比較してみましょう。
コンサルティング業界は「誰のどの課題を解決するか」から調べよう
コンサルティング業界には、戦略、総合、IT、人事、財務、シンクタンクなど、さまざまな種類があります。
同じコンサルタントでも、経営戦略を考える仕事と、システム導入や人事制度の見直しを支援する仕事では、使う知識やプロジェクトの進め方が異なります。
コンサルティング会社を調べるときは、次の点を確認してみましょう。
- どの種類のコンサルティング会社か
- どのような課題を支援しているか
- どの業界の顧客に強いか
- 提案から実行まで、どこまで関わるか
- 入社後にどの部門へ配属されるか
- 新卒社員がどのような仕事を担当するか
- どのような研修やキャリアがあるか
最初は、IT、金融、医療など、自分が興味を持てる業界からコンサルティング会社を探しても大丈夫です。
自分がどのような課題を考え、誰の変化を支えたいのかを整理すると、興味のある企業や分野が見つかりやすくなります。
気になる企業を見つけたら、公式サイトや採用ページ、プロジェクト事例、社員紹介などを見ながら、企業ごとの違いを比べてみてください。