スーパーやコンビニ、百貨店、ドラッグストアなど、私たちの生活に身近な企業が多い「小売・流通業界」。
普段から利用する機会が多いため、仕事のイメージを持ちやすい業界の一つですよね。
小売業界には、店舗で商品を販売する仕事だけでなく、商品を選ぶバイヤー、売り場や販売計画を考えるマーチャンダイザー、オリジナル商品を作る商品企画、ECサイトを運営する仕事など、さまざまな職種があります。
また、同じ小売業界でも、百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、専門店などでは、扱う商品や顧客、店舗の運営方法が異なります。
この記事では、小売・流通業界の仕組みや7つの分野、主な職種、企業を比較するときのポイントについて紹介します。
身近な企業が、どのような仕組みで商品を届けているのかを知り、自分に合う企業や仕事を探してみましょう。
- 1 小売・流通業界とは?
- 2 小売業・卸売業・物流業の違い
- 3 小売業界の7つの分野
- 4 百貨店
- 5 スーパーマーケット
- 6 コンビニエンスストア
- 7 ドラッグストア
- 8 専門店
- 9 ホームセンター・量販店
- 10 EC・通信販売
- 11 小売企業はどのように利益を得ている?
- 12 プライベートブランドとは?
- 13 店舗で商品が販売されるまでの流れ
- 14 小売・流通業界の主な職種
- 15 小売業界のキャリア
- 16 文系・理系のどちらでも小売業界を目指せる?
- 17 小売・流通業界のこれから
- 18 小売・流通業界に向いている人
- 19 小売企業を比較するときのポイント
- 20 小売企業探しには就活サービスも活用してみよう
- 21 小売企業の企業研究で確認したい項目
- 22 小売業界の志望動機を考えるポイント
- 23 小売・流通業界についてよくある質問
- 24 小売・流通業界は商品が消費者へ届く流れから調べよう
- 25 参考資料
小売・流通業界とは?
小売業とは、メーカーや卸売会社などから仕入れた商品を、一般の消費者へ販売する仕事です。
たとえば、食品メーカーが作った商品は、商社や卸売会社、物流会社などを通り、スーパーやコンビニなどの店舗に並びます。
商品が作られてから消費者へ届くまでの流れ全体を「流通」と呼びます。
流通には、主に次のような企業が関わっています。
- 商品を作るメーカー
- 商品を仕入れて別の企業へ販売する商社・卸売会社
- 商品を運ぶ物流会社
- 商品を保管する倉庫会社
- 消費者へ商品を販売する小売会社
小売会社は、商品が消費者へ届く最後の部分を担当しています。
消費者の反応を近くで知ることができるため、販売だけでなく、商品開発や売り場作りにも購入データやお客さまの声が生かされています。
小売業・卸売業・物流業の違い
小売・流通業界を理解するために、小売業、卸売業、物流業の違いを整理してみましょう。
| 業種 | 主な役割 | 主な取引相手 |
|---|---|---|
| 小売業 | 商品を消費者へ販売する | 一般の消費者 |
| 卸売業 | 商品を仕入れ、小売店やほかの企業へ販売する | 小売店・企業 |
| 物流業 | 商品を運び、保管する | メーカー・卸売会社・小売会社など |
たとえば、食品メーカーの商品がスーパーへ届くまでには、次のような流れがあります。
- メーカーが商品を製造する
- 卸売会社が商品を仕入れる
- 物流会社が商品を倉庫や店舗へ運ぶ
- スーパーが消費者へ商品を販売する
実際には、小売会社がメーカーから直接仕入れたり、自社で物流センターを運営したりすることもあります。
企業研究では、店舗での販売だけでなく、仕入れ、物流、商品開発まで自社でどのように行っているのかも見てみましょう。
小売業界の7つの分野
小売業界には、扱う商品や店舗の形によってさまざまな企業があります。
就活では、次の7つの分野に分けると全体像を整理しやすくなります。
| 分野 | 主な特徴 | 主な商品 |
|---|---|---|
| 百貨店 | 幅広い商品と質の高い接客・サービスを提供する | 衣料品、化粧品、食品、雑貨など |
| スーパーマーケット | 日常生活に必要な商品を幅広く販売する | 食品、日用品、衣料品など |
| コンビニエンスストア | 身近な場所で商品やサービスを提供する | 食品、飲料、日用品、各種サービスなど |
| ドラッグストア | 医薬品、化粧品、日用品、食品などを販売する | 医薬品、化粧品、日用品、食品など |
| 専門店 | 特定の商品分野に絞って販売する | 衣料品、家具、書籍、スポーツ用品など |
| ホームセンター・量販店 | 特定分野の商品を大型店舗で幅広く扱う | 家電、家具、住宅用品、生活用品など |
| EC・通信販売 | インターネットやカタログを通して商品を販売する | 食品、衣料品、家電、日用品など |
一つの企業が複数の分野で事業を行っていることもあります。
たとえば、実店舗を運営しながらECサイトにも力を入れている企業や、スーパーとコンビニをグループ内に持つ企業などがあります。
百貨店
百貨店は、衣料品、化粧品、食品、家具、生活用品など、さまざまな商品を一つの店舗で販売する小売業です。
商品を販売するだけでなく、丁寧な接客やギフトサービス、催事などを通して、買い物そのものを楽しめる場所を作っています。
百貨店で扱う主な商品
- 婦人服・紳士服
- 化粧品
- バッグ・アクセサリー
- 食品・菓子
- 家具・インテリア
- 生活用品
- 美術品
- ギフト商品
店舗内には、百貨店が直接商品を仕入れて販売する売り場だけでなく、ブランドや専門店が出店する売り場もあります。
季節のイベント、物産展、展示会などの催事を企画し、店舗へ足を運んでもらうきっかけを作る仕事もあります。
百貨店の主な仕事
- 接客・販売
- 売り場運営
- 商品の仕入れ
- 催事・イベント企画
- 法人向け営業
- 外商
- 店舗開発
- ECサイト運営
百貨店を比較するときのポイント
- 主な店舗の地域
- 得意としている商品や顧客層
- 店舗ごとの特徴
- 外商や法人営業の事業
- 催事・イベントへの取り組み
- ECやオンライン接客への取り組み
- 不動産や商業施設運営などの関連事業
百貨店によって、地域とのつながりを大切にしている企業、富裕層向けサービスに強い企業、商業施設の開発に力を入れている企業など、特徴が異なります。
スーパーマーケット
スーパーマーケットは、食品や日用品など、毎日の生活に必要な商品を販売する小売業です。
生鮮食品を中心とする食品スーパーのほか、衣料品や生活用品まで幅広く扱う総合スーパーもあります。
スーパーの主な種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 食品スーパー | 野菜、肉、魚、惣菜などの食品を中心に扱う |
| 総合スーパー | 食品に加えて、衣料品や生活用品などを幅広く扱う |
| 地域スーパー | 特定の地域に店舗を展開し、地域に合わせた商品を扱う |
| ディスカウント型スーパー | 価格や品ぞろえに特徴を持つ |
スーパーで扱う主な商品
- 野菜・果物
- 肉・魚
- 惣菜・弁当
- 加工食品
- 菓子・飲料
- 日用品
- 衣料品
- 家庭用品
スーパーでは、地域や店舗ごとの顧客に合わせて、商品の種類、価格、売り場の配置などを考えます。
惣菜や弁当、プライベートブランドなど、自社ならではの商品を企画・開発する企業もあります。
スーパーの主な仕事
- 接客・レジ
- 商品の陳列・補充
- 生鮮食品の加工
- 売り場作り
- 店舗運営
- 商品の仕入れ
- プライベートブランドの開発
- 販売データの分析
- 物流・在庫管理
スーパーを比較するときのポイント
- 店舗を展開している地域
- 食品スーパーと総合スーパーのどちらが中心か
- 主な顧客層
- 生鮮食品や惣菜の特徴
- プライベートブランドの内容
- ネットスーパーへの取り組み
- 店長や本部職へのキャリア
コンビニエンスストア
コンビニエンスストアは、住宅地や駅の近くなど、利用しやすい場所で商品やサービスを提供する小売業です。
食品や日用品の販売だけでなく、公共料金の支払い、荷物の発送、チケットの発券など、生活に関わるさまざまなサービスを提供しています。
コンビニの主な商品・サービス
- 弁当・おにぎり・惣菜
- パン・菓子
- 飲料
- 日用品
- 雑誌・書籍
- 公共料金の支払い
- ATM
- 宅配便の受け付け
- チケットの発券
- コピー・プリントサービス
コンビニでは、限られた店舗スペースの中で、地域や時間帯に合わせた商品をそろえています。
販売データを活用し、どの商品をどれくらい並べるかを考えることも大切です。
フランチャイズの仕組み
コンビニの多くは、フランチャイズ方式で店舗を展開しています。
本部は、商品開発、物流、店舗システム、広告などを用意し、加盟店の運営を支援します。
加盟店は、本部のブランドや仕組みを使いながら、地域に合わせて店舗を運営します。
コンビニ本部の主な仕事
- 加盟店への運営支援
- 商品企画・開発
- 販売データの分析
- 物流システムの管理
- 店舗の出店計画
- 広告・キャンペーン企画
- 店舗システムの開発
コンビニ企業を比較するときのポイント
- 店舗数と出店地域
- 得意としている商品
- プライベートブランドの特徴
- 加盟店への支援内容
- 物流の仕組み
- アプリやキャッシュレス決済との連携
- 海外での店舗展開
ドラッグストア
ドラッグストアは、医薬品、化粧品、日用品、食品などを販売する小売業です。
医薬品を扱う専門性と、生活に必要な商品をまとめて購入できる便利さを持っています。
ドラッグストアで扱う主な商品
- 一般用医薬品
- 処方薬
- 化粧品
- 健康食品
- 衛生用品
- 洗剤・生活用品
- 食品・飲料
- ベビー用品
- 介護用品
店舗によっては調剤薬局を併設し、処方箋による薬の提供も行っています。
健康や美容に関する相談に対応できるよう、薬剤師や登録販売者、管理栄養士などが働く企業もあります。
ドラッグストアの主な仕事
- 接客・販売
- 医薬品に関する案内
- 化粧品のカウンセリング
- 調剤業務
- 売り場作り
- 店舗運営
- 商品の仕入れ
- 商品企画
- 店舗開発
ドラッグストアを比較するときのポイント
- 店舗を展開している地域
- 調剤薬局を併設している店舗の割合
- 医薬品、化粧品、食品などの商品構成
- 得意としている顧客層
- 資格取得への支援
- プライベートブランドの内容
- 店長や本部職へのキャリア
登録販売者などの資格を生かしたい人だけでなく、美容、食品、店舗運営などに興味がある人にもさまざまな仕事があります。
専門店
専門店は、衣料品、家具、書籍、スポーツ用品など、特定の商品分野を中心に販売する小売業です。
特定分野に絞ることで、豊富な品ぞろえや専門的な商品知識、ブランド独自の世界観などを提供しています。
専門店の主な分野
- アパレル・ファッション
- 靴・バッグ
- 家具・インテリア
- 書籍・文房具
- スポーツ用品
- 玩具・ゲーム
- 眼鏡・時計
- 化粧品
- 自動車・自転車
- ペット用品
専門店では、商品を仕入れて販売するだけでなく、自社で商品を企画・製造する企業もあります。
商品の企画から製造、販売までを一貫して行う企業では、店舗で得られたお客さまの声を商品開発へ生かしやすいことも特徴です。
専門店の主な仕事
- 接客・販売
- 店舗運営
- 商品企画
- 商品の仕入れ
- 店舗のディスプレイ
- ブランド企画
- 販売促進
- ECサイト運営
専門店を比較するときのポイント
- どの商品分野を扱っているか
- 仕入れ商品と自社商品の割合
- 主な顧客層
- 店舗とECの売上構成
- 店舗の出店地域
- ブランドのコンセプト
- 販売職から本部職へのキャリア
ホームセンター・量販店
ホームセンターや量販店は、特定分野の商品を大型店舗で幅広く販売する小売業です。
多くの商品を比較しながら購入できることや、専門的な商品をまとめてそろえられることが特徴です。
主な企業のタイプ
- ホームセンター
- 家電量販店
- 家具・インテリア量販店
- スポーツ用品量販店
- 衣料品量販店
- ディスカウントストア
主な商品
- 家電製品
- 家具・インテリア
- DIY用品
- 園芸用品
- 生活用品
- 衣料品
- スポーツ用品
- 食品・飲料
商品数が多いため、どの商品をどの店舗に配置するか、在庫をどのように管理するかも大切です。
商品の販売に加えて、設置、修理、配送、リフォームなどのサービスを提供する企業もあります。
企業研究で見ておきたいポイント
- 得意としている商品分野
- 店舗の大きさや出店地域
- 価格とサービスの特徴
- プライベートブランドの内容
- 配送・設置・修理などのサービス
- ECサイトとの連携
- 店舗勤務からのキャリア
EC・通信販売
ECは「Electronic Commerce」の略で、インターネット上で商品やサービスを売買する電子商取引を表します。
EC企業には、自社で仕入れた商品を販売する会社、自社ブランドの商品を販売する会社、さまざまな店舗が出店できる場所を提供する会社などがあります。
ECの主な種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 自社EC | 企業が自社の商品を自社サイトで販売する |
| ECモール | 複数の企業や店舗が出店できる場所を提供する |
| 通販会社 | 商品を仕入れ、Webサイトやカタログなどで販売する |
| マーケットプレイス | 出品者と購入者をつなぎ、取引の場を提供する |
| 定期購入・サブスクリプション | 商品を定期的に届け、継続的に利用してもらう |
経済産業省の調査によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円となり、前年から5.1%増加しました。
実店舗を運営する小売会社でも、ECサイトやアプリを使った販売を広げています。
EC企業の主な仕事
- 商品の仕入れ
- 商品企画
- Webサイトの運営
- 商品の撮影・紹介文の作成
- デジタルマーケティング
- 販売データの分析
- 物流・在庫管理
- カスタマーサポート
- システム開発
EC企業を比較するときのポイント
- 自社で商品を販売する企業か、取引の場を提供する企業か
- 主に扱っている商品
- どこから収益を得ているか
- 物流センターや配送の仕組み
- 会員・ポイントサービス
- アプリやWebサイトの使いやすさ
- 実店舗との連携
小売企業はどのように利益を得ている?
小売企業の基本的な収益は、商品を仕入れた価格と、消費者へ販売した価格の差から生まれます。
これに加えて、企業によってさまざまな収益源があります。
- 商品の販売による利益
- プライベートブランド商品の販売
- 出店企業から受け取るテナント料
- ECモールの出店料・販売手数料
- クレジットカードや決済サービス
- 広告掲載料
- 会員・定期購入サービス
- 配送・設置・修理などのサービス料
たとえば、百貨店や商業施設では、店舗内に出店するブランドからテナント料を受け取ることがあります。
ECモールでは、出店企業から手数料を受け取ることで収益を得ています。
小売企業を調べるときは、店舗での商品販売だけでなく、金融、広告、不動産、ECなどの関連事業も確認してみましょう。
プライベートブランドとは?
プライベートブランドは、小売会社が自ら企画し、自社のブランドとして販売する商品です。
「PB」と呼ばれることもあります。
メーカーが持つブランドの商品は、ナショナルブランドや「NB」と呼ばれます。
| 項目 | プライベートブランド | ナショナルブランド |
|---|---|---|
| 企画する企業 | 小売会社 | メーカー |
| 販売する場所 | 基本的に自社の店舗やECサイト | さまざまな小売店 |
| 特徴 | 店舗の顧客に合わせて商品を作りやすい | メーカーの技術やブランドを生かして展開する |
小売企業は、店舗の販売データやお客さまの声をもとに、食品、衣料品、日用品、家電などを企画します。
プライベートブランドを通して、企業ならではの商品や売り場を作ることができます。
店舗で商品が販売されるまでの流れ
小売企業では、商品を仕入れて店舗に並べるまでに、さまざまな部門が関わっています。
一般的な流れは、次のとおりです。
- 市場や顧客のニーズを調べる
- 販売する商品を選ぶ
- メーカーや卸売会社と価格・数量を相談する
- 販売計画を立てる
- 物流センターや店舗へ商品を届ける
- 店舗やECサイトで商品を販売する
- 販売データやお客さまの反応を確認する
- 次の仕入れや商品企画へ生かす
商品の選定、仕入れ、物流、販売、データ分析がつながることで、必要な商品を必要な場所へ届けています。
小売・流通業界の主な職種
小売・流通業界には、店舗で働く職種だけでなく、商品、店舗、EC、物流などに関わるさまざまな仕事があります。
販売・店舗運営に関わる職種
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 販売・接客 | お客さまへ商品を案内し、販売する |
| 店舗スタッフ | 接客、レジ、商品補充、売り場作りなどを行う |
| 店長 | 売上、商品、スタッフなど、店舗全体を管理する |
| エリアマネージャー | 複数の店舗を担当し、運営や売上向上を支援する |
| スーパーバイザー | 加盟店や担当店舗を訪問し、店舗運営をサポートする |
店舗では、お客さまの反応や商品の売れ方を直接知ることができます。
新卒入社後は店舗で経験を積み、その後、店長や本部の仕事へ進む企業もあります。
商品に関わる職種
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| バイヤー | 市場や売上を調べ、店舗で販売する商品を仕入れる |
| マーチャンダイザー | 商品、価格、数量、販売時期などの計画を立てる |
| 商品企画 | プライベートブランドなどの新商品を企画する |
| 品質管理 | 商品の品質や表示、安全性などを確認する |
バイヤーとは?
バイヤーは、店舗やECサイトで販売する商品を選び、仕入れる仕事です。
主な仕事内容は、次のとおりです。
- 市場や流行を調べる
- 販売データを分析する
- メーカーや商社から商品情報を集める
- 仕入れる商品を選ぶ
- 価格・数量・納期を交渉する
- 販売後の結果を確認する
企業によって、食品、衣料品、化粧品など、担当する商品分野が分かれています。
マーチャンダイザーとは?
マーチャンダイザーは、「どの商品を、どの価格で、いつ、どれくらい販売するか」を考える仕事です。
バイヤー、商品企画、店舗、物流などと協力し、販売計画全体を作ります。
- 市場・販売データの分析
- 商品構成の決定
- 販売数量の計画
- 価格・セールの企画
- 店舗への商品配分
- 在庫の管理
販売促進・マーケティングに関わる職種
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 販売促進 | セール、キャンペーン、広告などを企画する |
| マーケティング | 顧客や市場を調査し、販売戦略を考える |
| 広報 | 店舗、商品、企業の情報を発信する |
| VMD | 商品が魅力的に見える売り場やディスプレイを作る |
店舗開発・施設運営に関わる職種
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 店舗開発 | 新しい店舗を出す地域や物件を調査する |
| 店舗設計 | 店内の配置、設備、デザインなどを考える |
| テナント営業 | 商業施設へ出店する店舗やブランドを誘致する |
| 施設運営 | 商業施設全体のイベントや設備を管理する |
EC・デジタルに関わる職種
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| ECサイト運営 | 商品掲載、販売計画、在庫などを管理する |
| Webマーケティング | 広告やSNSなどを使い、ECサイトの利用を広げる |
| データ分析 | 購買データを分析し、商品や売り場の改善に生かす |
| システム企画 | 店舗、在庫、会員アプリなどのシステムを企画する |
物流・在庫管理に関わる職種
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 物流管理 | 商品を倉庫や店舗へ届ける仕組みを管理する |
| 在庫管理 | 商品の在庫数を確認し、必要な量を調整する |
| サプライチェーン管理 | 仕入れから販売までの流れを全体的に整える |
店舗とECの両方へ商品を届ける企業では、どこにどれだけ在庫を置くかを考えることも重要です。
会社全体を支える職種
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 経営企画 | 会社全体の事業方針や出店計画を考える |
| 人事 | 採用、研修、配置などを行う |
| 経理・財務 | 売上、費用、資金などを管理する |
| 法務 | 契約、表示、店舗運営に関する法律を確認する |
小売業界のキャリア
小売企業では、新卒入社後に店舗で接客や売り場作りを経験し、少しずつ担当する仕事を広げていくことがあります。
一般的なキャリアの例は、次のとおりです。
- 店舗スタッフとして販売や商品管理を経験する
- 売り場責任者として担当部門を管理する
- 店長として店舗全体を運営する
- エリアマネージャーとして複数店舗を担当する
- バイヤー、商品企画、店舗開発などの本部職へ進む
企業によっては、職種別採用を行い、最初からEC、IT、商品企画などへ配属されることもあります。
希望する仕事へどのような流れで進めるのか、採用ページや社員紹介を確認してみましょう。
文系・理系のどちらでも小売業界を目指せる?
小売業界では、学部や学科を問わず応募できる企業が多くあります。
文系の学生はもちろん、理系で学んだ知識を生かせる仕事もあります。
文系の学びを生かしやすい仕事
- 販売・接客
- 店舗運営
- バイヤー
- 商品企画
- マーケティング
- 人事
- 経理・財務
理系の学びを生かしやすい仕事
- 食品や化粧品の品質管理
- データ分析
- 需要予測
- 物流・在庫管理
- システム企画・開発
- 薬剤師・登録販売者などの専門職
- 店舗設備や省エネルギーに関する仕事
小売業界には商品、店舗、IT、物流など幅広い仕事があるため、大学で学んだことや得意なことを生かせる分野を探してみましょう。
小売・流通業界のこれから
小売・流通業界では、店舗での販売に加えて、EC、アプリ、データなどを活用した新しい買い物の形が広がっています。
EC市場の拡大
経済産業省の調査によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円となり、前年から5.1%増加しました。
EC専門企業だけでなく、百貨店、スーパー、アパレル、家電量販店などもオンライン販売に力を入れています。
店舗にある商品をオンラインで注文したり、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取ったりするサービスも広がっています。
店舗とECをつなぐオムニチャネル
オムニチャネルは、店舗、ECサイト、アプリ、SNSなど、さまざまな販売方法をつなげる取り組みです。
たとえば、次のようなサービスがあります。
- ECで注文した商品を店舗で受け取る
- 店舗にない商品をオンラインで注文する
- 店舗とECで共通のポイントを使う
- アプリで商品の在庫を確認する
- 店舗で試した商品を後からECで購入する
店舗とECを別々に考えるのではなく、どちらでも買い物を楽しめる仕組みを作ることが大切になっています。
購買データの活用
会員カード、アプリ、ECサイトなどから得られたデータを、商品やサービスの改善に生かす企業も増えています。
- 店舗ごとの品ぞろえを考える
- おすすめ商品を案内する
- 需要に合わせて在庫を調整する
- クーポンやキャンペーンを企画する
- 新しい商品を開発する
接客や商品知識だけでなく、データを読み取り、売り場やサービスへつなげる仕事も広がっています。
店舗運営のデジタル化
セルフレジ、電子棚札、在庫管理システムなどを活用し、店舗をより便利に運営する取り組みが進んでいます。
- セルフレジ・無人レジ
- 商品の在庫を確認するシステム
- 価格を自動で表示する電子棚札
- AIを使った需要予測
- 商品の発注を支援するシステム
- 店舗スタッフ向けの業務アプリ
店舗で働く人が接客や売り場作りに取り組みやすくなるよう、デジタル技術が活用されています。
プライベートブランドの充実
食品、衣料品、日用品、家電など、さまざまな分野でプライベートブランドが展開されています。
店舗の販売データやお客さまの声を商品作りに生かせることは、小売企業ならではの強みです。
メーカーと協力しながら、価格、品質、使いやすさなどに特徴を持つ商品を作っています。
物流の効率化
店舗やECサイトへ商品を届けるため、物流の仕組みも変化しています。
- 物流センターの自動化
- AIを使った配送計画
- 店舗とECの在庫の共有
- 複数企業による共同配送
- 店舗を商品の受け取り場所として活用する
商品の仕入れから販売までを全体で考える、サプライチェーン管理の仕事も重要になっています。
買い物を楽しめる店舗作り
実際に商品を見たり、試したり、スタッフへ相談したりできることは、店舗ならではの特徴です。
商品を販売するだけでなく、イベント、体験、飲食、サービスなどを組み合わせた店舗や商業施設も増えています。
オンラインと店舗、それぞれのよさを生かした買い物体験が作られています。
環境に配慮した取り組み
小売企業では、商品の販売や物流を通して、環境に配慮した取り組みも行われています。
- 食品ロスの削減
- 簡易包装・容器の見直し
- 衣料品や家電などの回収
- リユース商品の販売
- 店舗で使うエネルギーの削減
- 環境に配慮した商品の販売
小売・流通業界に向いている人
小売・流通業界には、人と接する仕事だけでなく、商品企画、データ分析、EC、物流など、さまざまな仕事があります。
次のような人は、小売・流通業界の仕事と相性がよい可能性があります。
人と関わることが好きな人
店舗では、お客さまの希望を聞き、商品を案内します。
会話をしながら、その人に合う商品やサービスを考えることが好きな人は、接客や販売で力を生かせます。
商品や流行に興味がある人
小売企業では、食品、化粧品、ファッション、家電など、さまざまな商品を扱います。
新商品を見たり、流行を調べたりすることが好きな人は、バイヤーや商品企画、マーケティングなどにも興味を持ちやすいでしょう。
工夫や改善を考えるのが好きな人
商品の配置や紹介方法を少し変えることで、売り場の印象や商品の売れ方も変わります。
お客さまの反応や販売データを見ながら、よりよい方法を考えることが好きな人に向いています。
チームで店舗やサービスを作りたい人
店舗は、販売スタッフ、店長、本部、物流など、多くの人によって運営されています。
周りの人と協力しながら、一つの店舗やサービスを作り上げたい人にも合っています。
身近な生活を支える仕事がしたい人
小売企業は、食品、医薬品、衣料品、日用品など、暮らしに必要な商品を届けています。
身近な商品や店舗を通して、人の毎日の生活を支えたい人にもおすすめです。
数字やデータを見ることが好きな人
小売業界では、売上、在庫、来店者数、購買データなど、さまざまな数字を使います。
データから商品の売れ方を考え、仕入れや売り場へ生かす仕事に興味がある人も活躍できます。
小売企業を比較するときのポイント
同じ小売業界でも、店舗の形、扱う商品、働き方は企業によって異なります。
複数の企業を調べるときは、次の項目を比べてみましょう。
どのような店舗・サービスを運営しているか
- 百貨店
- スーパーマーケット
- コンビニエンスストア
- ドラッグストア
- 専門店
- ホームセンター・量販店
- EC・通信販売
一つの企業が複数の業態を運営している場合は、主力となる事業を確認してみましょう。
どのような商品を扱っているか
- 食品・飲料
- 衣料品
- 化粧品
- 医薬品
- 家電
- 家具・生活用品
- 書籍・文房具
- スポーツ用品
幅広い商品を扱う企業と、特定の商品に詳しい専門店では、身につけられる商品知識や接客方法も異なります。
主な顧客は誰か
- 学生や若い世代
- ファミリー
- 地域の住民
- ビジネスパーソン
- 富裕層
- 訪日外国人
- 法人・企業
顧客によって、商品、店舗の場所、接客、広告なども変わります。
実店舗とECのバランス
- 実店舗を中心にしているか
- ECサイトの売上を伸ばしているか
- 店舗とECの在庫を連携しているか
- アプリや会員サービスがあるか
- 店舗受け取りなどのサービスがあるか
自社商品を持っているか
プライベートブランドやオリジナル商品は、企業ごとの違いが表れやすい部分です。
- どのような商品を自社で企画しているか
- 自社商品の売上割合
- 商品の企画・開発にどの部門が関わるか
- メーカーとどのように協力しているか
店舗の出店地域と勤務地
- 全国に店舗を展開しているか
- 特定の地域を中心にしているか
- 都市部と郊外のどちらに店舗が多いか
- 全国転勤のあるコースか
- 地域を限定した採用コースがあるか
- 本部や物流拠点はどこにあるか
入社後のキャリア
- 最初に配属される仕事
- 店長になるまでの流れ
- バイヤーや商品企画へ進む方法
- EC・IT部門への異動
- 社内公募制度
- 研修・資格取得支援
「将来バイヤーになりたい」「ECに関わりたい」と考えている場合は、入社後にどのような経験を積むのかまで確認してみましょう。
小売企業探しには就活サービスも活用してみよう
小売業界には、普段利用している有名企業だけでなく、特定の商品や地域に強みを持つ企業もたくさんあります。
就活サイトやスカウト型の就活サービスを活用すると、これまで知らなかった小売企業や、自分では見つけにくかった職種を知るきっかけになります。
希望する業界や職種、勤務地などを登録しておくことで、自分の経験や興味に合う企業から案内が届くこともあります。
届いた求人やオファーを見ると、「この企業にも商品企画の仕事があるんだ」「店舗だけでなくECやデータ分析にも関われるんだ」と、新しい発見につながります。
気になる企業が見つかったら、公式サイトや採用ページも確認しながら、企業研究を進めてみてください。
就活を進めるうえで、最初にチェックしておきたいのが就活サイトやアプリです。自分に合うサービスを早めに見つけておくと、企業探しがしやすくなったり、情報収集がスムーズになったり、就活全体を気持ちよく進めやすくなります。今回は『就[…]
小売企業の企業研究で確認したい項目
小売企業を調べるときは、次の項目を企業研究ノートなどにまとめてみましょう。
- 小売業界のどの分野に当てはまるか
- 主な商品・サービス
- 主な顧客
- 店舗を展開している地域
- 実店舗とECの売上構成
- プライベートブランドの特徴
- どのような方法で収益を得ているか
- 商品の仕入れ・物流の仕組み
- 主な職種と仕事内容
- 最初の配属先
- 本部職へ進むまでのキャリア
- 全国型・地域型などの採用コース
- 勤務地と転勤
- 今後力を入れる店舗・サービス
- 競合企業との違い
企業ごとに同じ項目で整理すると、店舗の知名度だけではわからない違いを比べやすくなります。
業界研究の進め方については、次の記事も参考にしてみてください。
志望動機がうまく書けない、企業の違いがわからない――そういった悩みの背景には、業界に対する理解不足があることが少なくありません。今回は『就活生向けの業界研究のやり方とコツ』を紹介します!就職活動を始めるにあたって、まず取り組んでおきたい[…]
業界研究を始めると、「調べた内容がうまく整理できない」「業界ごとの違いが頭の中で混ざってしまう」と感じることがあります。就活では、情報を集めるだけでなく、あとから見返しやすい形で整理しておくことがとても大切です。今回は、『業界研究[…]
小売業界の志望動機を考えるポイント
小売業界の志望動機では、「接客が好きだから」「そのお店をよく利用するから」という気持ちから、もう少し具体的に考えてみましょう。
次の順番で整理すると、志望理由を作りやすくなります。
- どのような商品やサービスに興味があるか
- どのようなお客さまを支えたいか
- 小売業界のどの仕事に関わりたいか
- その企業の店舗や商品のどこに魅力を感じたか
- 自分の経験や強みをどのように生かしたいか
小売業界では、次のような志望理由が考えられます。
- 接客を通して、お客さまに合う商品を提案したい
- 地域の生活を支える店舗を作りたい
- お客さまの声を生かした商品を企画したい
- 売り場作りを通して商品の魅力を伝えたい
- 店舗とECをつなぐ新しい買い物体験を作りたい
- 販売データを商品や店舗の改善に生かしたい
- 多くの人に利用されるプライベートブランドを作りたい
お店や商品が好きという気持ちに加えて、どの仕事を通して、どのような価値を届けたいかまで考えてみてください。
小売・流通業界についてよくある質問
小売業界では最初に店舗へ配属される?
新卒入社後に店舗へ配属され、接客、商品管理、売り場作りなどを経験する企業は多くあります。
店舗でお客さまや商品のことを知った後、店長、バイヤー、商品企画、店舗開発などへ進むことがあります。
一方で、職種別採用を行い、EC、IT、物流などへ直接配属する企業もあります。
採用コースや初期配属について、企業ごとに確認してみましょう。
バイヤーになるにはどうすればよい?
店舗で販売や商品管理を経験した後、バイヤーへ進む企業が多くあります。
店舗で得られる次のような経験が、商品の仕入れにも役立ちます。
- どのような商品が売れるかを知る
- お客さまの声を聞く
- 商品の在庫を管理する
- 売り場や販売計画を考える
- 売上データを確認する
企業によってキャリアの進み方が異なるため、社員紹介や募集要項も見てみましょう。
販売職以外にはどのような仕事がある?
小売業界には、販売職以外にもさまざまな仕事があります。
- バイヤー
- マーチャンダイザー
- 商品企画
- マーケティング
- 店舗開発
- ECサイト運営
- データ分析
- 物流・在庫管理
- システム企画
- 人事・経理
希望する職種へ進むために、どのような経験が必要なのかも確認してみましょう。
百貨店とショッピングモールの違いは?
百貨店は、基本的に一つの小売企業が幅広い商品を販売する業態です。
ショッピングモールは、施設を運営する企業が、さまざまな専門店や飲食店を集めて運営しています。
| 項目 | 百貨店 | ショッピングモール |
|---|---|---|
| 主な運営方法 | 百貨店が売り場や商品を運営する | 施設内に複数の専門店が出店する |
| 主な仕事 | 販売、仕入れ、催事、外商など | テナント誘致、施設運営、イベント企画など |
百貨店が商業施設を運営することもあるため、企業ごとの事業内容を確認してみてください。
小売業界で役立つ資格は?
小売企業への応募に、必ず資格が必要とは限りません。
希望する商品や職種に応じて、次のような資格が役立つことがあります。
- 販売士
- 登録販売者
- 薬剤師
- 日商簿記検定
- 色彩検定
- ファッション販売能力検定
- ITパスポート試験
- TOEICなどの語学資格
資格だけでなく、興味のある企業の店舗やECサイトを実際に利用し、サービスの特徴を調べることも企業研究につながります。
EC企業と店舗を持つ小売企業のどちらがよい?
どちらが合うかは、興味のある仕事によって変わります。
- 店舗でお客さまと直接関わりたい:実店舗を持つ小売企業
- Webやデータを使って商品を販売したい:EC企業
- 店舗とECの両方に関わりたい:オムニチャネルに力を入れる企業
実店舗を持つ企業にもECやITの仕事があり、EC企業にも商品企画や物流の仕事があります。
企業の分類だけでなく、実際の職種や仕事内容まで確認してみましょう。
小売・流通業界は商品が消費者へ届く流れから調べよう
小売・流通業界は、百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、専門店、量販店、ECなど、さまざまな分野で構成されています。
同じ商品を販売する企業でも、店舗の形、顧客、仕入れ方法、サービスにはそれぞれ違いがあります。
小売企業を調べるときは、次の点を確認してみましょう。
- どのような店舗・サービスを運営しているか
- どのような商品を扱っているか
- 主な顧客は誰か
- 実店舗とECをどのように組み合わせているか
- プライベートブランドを持っているか
- どのような職種やキャリアがあるか
- 店舗や本部でどのような仕事に関われるか
最初は、普段利用している店舗や、好きな商品を扱う企業から調べても大丈夫です。
そこから商品を仕入れるバイヤー、店舗を作る仕事、ECや物流を支える仕事などへ目を向けると、小売業界の幅広さが見えてきます。
気になる企業を見つけたら、実際に店舗やECサイトを利用しながら、公式サイトや採用ページ、決算説明資料なども確認してみてください。