旅行・ホテル業界は、移動や宿泊、観光体験を組み合わせ、人々の旅行を支える業界です。
旅行会社が旅行の計画や予約を支え、ホテルや旅館が旅先で過ごす時間を提供するなど、多くの企業が協力して一つの旅行をつくっています。
この記事では、旅行会社とホテルの違いから、主な仕事内容、企業研究で確認したいポイントまでを紹介します!
この記事の内容
この記事では、旅行・ホテル業界の全体像と、旅行を企画してから利用者を迎えるまでの仕事を整理します。
- 旅行会社とホテル・旅館の役割の違い
- 旅行・ホテル業界の主な企業
- 旅行商品や宿泊サービスが提供されるまでの流れ
- 業界の主な職種と働き方
- 企業を比較するときに確認したいポイント
今回のポイントは、旅行が好きという気持ちだけでなく、「旅行のどの場面を支える仕事に関わりたいか」を考えることです。
旅行・ホテル業界とは?
旅行・ホテル業界は、旅行に必要な移動、宿泊、観光、食事、体験などを提供する業界です。
旅行者が目的地を決め、予約を行い、現地で過ごして帰宅するまでには、次のような企業が関わっています。
- 旅行会社
- オンライン旅行予約サイト
- ホテル・旅館
- 航空会社・鉄道会社・バス会社
- 観光施設・テーマパーク
- 地域の観光協会やDMO
旅行会社は、交通機関や宿泊施設などを組み合わせて旅行を企画・手配します。
ホテルや旅館は、旅行者を現地で迎え、宿泊、食事、接客などを通して快適に過ごせる環境を提供します。
| 分野 | 主な役割 | 主なサービス |
|---|---|---|
| 旅行会社 | 旅行の企画や予約を支える | 旅行商品、交通・宿泊の手配、団体旅行 |
| ホテル・旅館 | 旅先で過ごす場所を提供する | 宿泊、食事、宴会、施設運営 |
| 観光地域・施設 | 地域ならではの体験をつくる | 観光案内、体験企画、施設運営 |
旅行会社の主な種類
総合旅行会社
総合旅行会社は、国内旅行、海外旅行、個人旅行、団体旅行などを幅広く扱います。
店舗やWebサイトで旅行商品を販売するだけでなく、修学旅行、社員旅行、スポーツ大会、国際会議などを企画する企業もあります。
旅行そのものを販売するだけでなく、企業や自治体と協力してイベントや地域活性化事業を行う会社も増えています。
専門旅行会社
専門旅行会社は、特定の地域や旅行目的に強みを持つ会社です。
- 海外留学
- スポーツ観戦
- 登山・アウトドア
- クルーズ旅行
- 訪日外国人向け旅行
- 法人の出張手配
対象を絞ることで、詳しい現地情報や専門的な手配を提供できる点が特徴です。
オンライン旅行会社
オンライン旅行会社は、Webサイトやアプリを通して、ホテル、航空券、レンタカーなどの検索・予約サービスを提供します。
OTAと呼ばれることもあり、利用者は価格や条件を比較しながら、自分で旅行を組み立てられます。
予約サイトの運営だけでなく、利用者データをもとにした販売促進や、宿泊施設に対する集客支援も行っています。
法人・団体旅行を扱う会社
企業の出張、社員研修、修学旅行、国際会議などを企画・手配します。
参加人数や予算、目的を確認し、交通、宿泊、会場、食事などを組み合わせて計画をつくります。
一般的な観光旅行とは異なり、企業や学校が達成したい目的に合わせて内容を考える仕事です。
ホテル・旅館の主な種類
シティホテル
シティホテルは、都市部を中心に立地し、宿泊だけでなくレストラン、宴会、結婚式など幅広いサービスを提供します。
観光客や出張者だけでなく、企業の会議、地域のイベントなどにも利用されます。
ビジネスホテル
ビジネスホテルは、宿泊を中心とした機能的なサービスを提供します。
駅や市街地の近くに立地する施設が多く、出張者や一人で旅行する人などに利用されています。
企業によっては、チェックインの自動化や客室管理の効率化を進め、利用しやすさと運営の効率を両立しています。
リゾートホテル
リゾートホテルは、海、山、温泉地などの観光地に立地し、宿泊そのものを楽しめるサービスを提供します。
レストラン、温泉、プール、アクティビティなどを備え、施設内で長く過ごす利用者も多いことが特徴です。
旅館
旅館は、和室、温泉、地域の料理など、日本らしい宿泊体験を提供します。
客室での案内や食事の提供など、利用者と近い距離で接客する施設も多く、地域の文化や食の魅力を伝える役割も担っています。
旅行がつくられるまでの流れ
旅行会社が旅行商品をつくる場合、一般的には次のような流れで進めます。
市場調査 → 旅行の企画 → 交通・宿泊の手配 → 販売 → 旅行中の支援
市場調査・企画
旅行者がどのような場所や体験を求めているかを調べ、旅行先、日程、価格、対象とする利用者などを決めます。
季節、イベント、交通の利便性なども確認しながら、旅行の内容を組み立てます。
交通・宿泊・観光施設の手配
航空会社、鉄道会社、ホテル、観光施設などと調整し、必要な座席や客室を確保します。
団体旅行では、食事会場、貸切バス、添乗員なども手配します。
販売・予約管理
店舗、Webサイト、パンフレットなどを通して旅行商品を紹介し、予約を受け付けます。
利用者から希望を聞き、複数の交通機関やホテルを個別に組み合わせる場合もあります。
旅行中の支援
添乗員や現地スタッフが、参加者の案内や日程管理を行います。
天候や交通機関の状況によって予定を変更する場合には、関係者と連携して新しい移動方法や行程を調整します。
旅行・ホテル業界の主な職種
旅行商品の企画
旅行先や日程、宿泊施設、体験内容などを組み合わせ、新しい旅行商品を考えます。
旅行先について詳しいだけでなく、価格や予約数を考え、事業として成り立つ企画をつくる必要があります。
カウンター・予約手配
旅行者の希望を聞き、行き先や予算に合った旅行を提案します。
航空券やホテルの予約、旅行に必要な手続きの案内なども担当します。店舗だけでなく、電話やオンラインで対応することもあります。
法人営業
企業、学校、自治体などに対して、出張、研修、修学旅行、イベントなどを提案します。
旅行の手配だけでなく、顧客の目的を聞き、参加者の交流や地域への集客につながる企画を考えることもあります。
添乗員・ツアーコンダクター
参加者と一緒に旅行し、移動や観光が予定どおりに進むように案内します。
交通状況の変化や参加者からの相談に対応し、安全でスムーズな旅行を支えます。
フロント・宿泊予約
ホテルや旅館のフロントでは、チェックイン、チェックアウト、館内案内、問い合わせ対応などを行います。
宿泊予約の担当者は、電話やWebからの予約を管理し、部屋の種類や利用目的に合わせて準備を整えます。
料飲・宴会
ホテル内のレストランや宴会場で、料理や飲み物の提供、会場の準備などを担当します。
結婚式や企業の会議、パーティーでは、営業、調理、接客など複数の部門が連携して運営します。
マーケティング・レベニューマネジメント
予約状況や季節、周辺イベントなどを分析し、販売価格や宿泊プランを考える仕事です。
ホテルの客室は、利用されなかった日を後から販売できません。そのため、需要を予測しながら価格や販売方法を調整することが重要です。
地域観光・DMO
地域の観光資源を見つけ、旅行者が訪れたくなる体験や情報発信を考えます。
自治体、宿泊施設、交通会社、飲食店などと連携し、地域全体で観光地を育てていく仕事です。
旅行・ホテル業界の収益の仕組み
旅行会社は、旅行商品の販売代金や、交通・宿泊の予約手配による手数料などから収益を得ます。
ホテルや旅館は、客室の宿泊料金を中心に、レストラン、宴会、結婚式、温泉などからも収益を得ています。
- 旅行商品の販売代金
- 交通・宿泊施設などの手配手数料
- ホテルや旅館の宿泊料金
- レストランや宴会の利用料金
- 施設内の物販や体験サービス
宿泊を中心とするホテルと、宴会やレストランの割合が大きいホテルでは、事業の特徴や仕事内容も異なります。
旅行・ホテル業界で進んでいる変化
訪日旅行と地域への観光
日本を訪れる外国人旅行者が増える中、都市部だけでなく、地方の文化、自然、食などを楽しめる旅行をつくることが重視されています。
語学対応だけでなく、宗教や食文化の違いを理解し、幅広い旅行者が利用しやすい環境を整えることも大切です。
観光DXとデータ活用
旅行の検索や予約はオンライン化が進み、ホテルでも予約管理システムや自動チェックインなどが利用されています。
予約数、宿泊者の属性、利用時期などのデータを分析し、販売価格やサービスの改善につなげる取り組みも進められています。
業務の効率化と働きやすい環境づくり
旅行・宿泊業では、サービスの質を保ちながら業務を効率化することが重要になっています。
予約や会計のシステム化、清掃業務の見直し、複数施設での設備共有などを通して、働く人が接客や企画に力を注ぎやすい環境づくりが進められています。
地域や環境に配慮した観光
旅行者を増やすだけでなく、地域の暮らしや自然環境と調和しながら観光を続けていく考え方も広がっています。
旅行者が特定の場所や時期に集中しないように、新しい観光地や季節の魅力を紹介することも取り組みの一つです。
宿泊施設では、省エネルギー設備の導入、食品ロスの削減、地域の食材や製品の活用なども進められています。
旅行・ホテル業界で働く魅力
- 旅行や宿泊を通して人の思い出づくりに関われる
- 地域の文化や魅力を多くの人に伝えられる
- さまざまな国や地域の人と接する機会がある
- 企画、営業、接客など幅広い仕事を経験できる
- 相手の反応を直接感じられる仕事が多い
旅行・ホテル業界では、利用者の希望を聞き、それぞれに合った旅行や時間を提供します。
自分の提案や接客によって利用者に喜んでもらえることは、この業界で働く魅力の一つです。
旅行・ホテル業界で活かしやすい強み
- 相手の希望を丁寧に聞ける
- 周囲と協力しながら仕事を進められる
- 状況に合わせて柔軟に対応できる
- 地域や文化について知ることが好き
- 計画を立て、細かな確認を続けられる
接客が得意であることだけが必要なわけではありません。
旅行の企画、予約管理、法人営業、データ分析などでは、情報を整理する力や計画を立てる力も活かせます。
旅行・ホテル業界の働き方で確認したいこと
旅行や宿泊は、土日や長期休暇に利用が増えるサービスです。そのため、職種によってはシフト制で勤務し、平日に休みを取る場合があります。
また、ホテルでは早朝や夜間の勤務がある職種、旅行会社では繁忙期に予約や添乗が増える職種もあります。
企業研究では、次の点を確認しておきましょう。
- 勤務時間とシフトの仕組み
- 店舗・ホテル・本社のどこに配属されるか
- 転勤や勤務エリアの範囲
- 接客と企画・営業の割合
- 入社後の研修や語学学習の支援
- 職種や部門を変更できる制度
旅行・ホテル企業を比較するポイント
個人向けと法人向けのどちらが中心か
個人の観光旅行を中心とする企業と、企業の出張や学校の団体旅行を中心とする企業では、提案内容や仕事の進め方が異なります。
売上の中心となる顧客や事業を確認しましょう。
国内・海外・訪日旅行の割合
国内旅行、海外旅行、訪日外国人向け旅行のどこに強みを持っているかを調べます。
同じ旅行会社でも、得意とする地域や旅行目的は異なります。
ホテルの種類と事業範囲
都市型、ビジネス、リゾート、旅館など、運営する施設の特徴を確認します。
ホテルの運営だけでなく、不動産、レストラン、結婚式、テーマパークなどを展開する企業もあります。
自社で企画・運営している範囲
旅行商品を自社で企画する企業、予約サイトの運営を中心とする企業、ホテルの運営を受託する企業など、会社によって担当する範囲が異なります。
自分が企画、販売、接客、施設運営のどこに関わりたいかを考えながら比較しましょう。
デジタル化や地域事業への取り組み
オンライン予約、データ活用、地域観光、訪日旅行など、企業が今後伸ばそうとしている分野も確認します。
採用サイトに加えて、中期経営計画やニュースリリースを見ると、企業の方向性をつかみやすくなります。
旅行・ホテル業界の企業探しには就活サービスも活用してみよう
旅行・ホテル業界には、旅行会社や有名ホテルだけでなく、法人旅行、地域観光、ホテル運営支援などに強みを持つ企業もあります。
就活サービスも活用しながら企業を探すことで、自分の希望する地域や仕事内容に合った会社を見つけやすくなります。
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志望動機を考えるときのポイント
志望動機では、「旅行が好きだから」「ホテルを利用したときの接客が印象に残ったから」というきっかけを、仕事への関心につなげることが大切です。
- 旅行・宿泊に関心を持ったきっかけ
- 旅行のどの場面を支えたいか
- 個人旅行、法人旅行、地域観光など、関心がある事業
- その企業の施設やサービスに魅力を感じた理由
- 自分の経験や強みをどのように活かすか
利用者として好きな理由だけでなく、企業がどのような顧客に、どのような価値を提供しているのかまで調べると、志望理由を具体的にできます。
まとめ|旅行のどの場面を支えたいか考えてみよう
今回は、旅行・ホテル業界の仕組みや主な職種、企業研究のポイントを紹介しました。
旅行会社は、移動、宿泊、観光などを組み合わせて旅行を企画・手配します。ホテルや旅館は、旅先で過ごす場所や食事、接客などを提供します。
企業研究では、次の点を確認しましょう。
- 旅行会社と宿泊施設のどちらに関心があるか
- 個人・法人・学校など、主な顧客は誰か
- 国内・海外・訪日旅行のどこに強いか
- 企画、営業、接客、運営のどの仕事に関わりたいか
- 勤務エリアやシフトの仕組みはどうなっているか
旅行が始まる前の企画や予約を支えたいのか、旅先で利用者を迎えたいのか、地域の魅力を発信したいのかによって、選ぶ企業や職種は変わります。
興味のある旅行や宿泊施設を入り口にしながら、自分が関わりたい仕事を探してみてください。
業界研究の基本的な進め方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
【保存版】業界研究のやり方とコツを就活生向けにわかりやすく解説
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【大学生向け】業界研究ノートの作り方|見やすい整理方法と書く項目をわかりやすく解説